Angel Beats! 第5話「Favorite Flavor」

ストーリーのダイナミズムを見た





・楽しそうなイタズラの結末


今回は定期テストの話。通常授業にくらべてなお一層きびしく、全生徒の参加が義務付けられているイベントである。てっきり、テストに参加させようとする教師&生徒会とSSSの抗争でも描くのかと予想していたが(音無のイメージした絵に近い感じで)、しかしなんかもっと低レベルで陰湿な嫌がらせだったw


もはや ゆりっぺは完全に悪女と化しているなぁ。発想がセコすぎて、しかしそれが学園という日常風景と妙にマッチした計画だった。もちろんその作戦を成功に導くための過程は、思い切りコメディに軸を振って、あり得ないほどおバカな描写で見せてきたが、今回重要なのは過程ではなく結果。天使はじつは人間かも知れないと、そう考えるからこその作戦立案で、それが完璧にハマってしまったわけだ。


それにしても後味の悪い作戦である。生徒会長が、人間かどうかを突き止めたいという意図があったのかもしれないが、恐らくゆりっぺの結論はとっくに出ていたはずで、それを再確認したにすぎなかったのだろう。言わば未必の故意というやつだ。きっと生徒会長は大いに傷つく、もしかしなくても高校生には荷が重すぎるショックを受けるかもしれないと、想定したうえでそれを決行したゆりっぺの意地の悪さに、戦慄させられたエピソードだったのではないか。


まぁ天使の描写を抜きにしても、ゆりっぺは相当、横暴に振舞っているのだが。第2話ではカッコイいいリーダーっぷりをアピールしてくれた彼女だが、前回といい今回といい、仲間を傷つけて平気な顔をしている彼女にリーダーを任せて良いのかどうか、音無でなくとも不安を覚える。あるいはあれが彼女なりの諧謔であり愛情表現であると、みんな受け入れているのだろうか。




・パラダイムシフト


SSSと天使の対立構造を見せるにあたって、ゆりっぺの証言を信じるか生徒会長の言葉を信じるか、その天秤が徐々に変化している今作。当初はゆりっぺの言葉の側に大きく傾いていたその天秤は、第3話あたりからその重心が移動していき、いまではすっかり、当初のゆりっぺの発言やSSSの存在意義が軽くなってしまった。


いちど作品の設定を固定観念として植え付けておいて、こんどはそれを想定外の方向から突き崩して見せる。ここに、今作が視聴者の視点に意図的に生じさせたパラダイムシフト(支配的観念の転換)がある。


第1話からあえて、この世界の仕組みや設定について視聴者にあれこれ考えさせてきたということ、その下地を十分すぎるほど敷き詰めていたからこそ、今回、天使と畏れられる少女の意気消沈する姿に、大きなインパクトがあった。視聴者がどんなに考えたとしても、オリジナルアニメである以上、断片的な情報から多くの人が到達する答えは作り手の情報操作に簡単に左右される。それを見越して、第5話というタイミングで視聴者の獲得した固定観念に早くもパラダイムシフトを生じさせ、全てをいったんリセットしたに等しい状況に叩きこんだ。このダイナミックなストーリー展開は、見事と評したい。




・生徒会長代理


なんだかすごく懐かしいタイプのキャラが出てきた印象だ。90年代のアニメに多い印象だが、近年では珍しいタイプではないだろうか。一般生徒を引き連れて本格的に登場した彼の、意図や行動に要注目の展開になってきた。


ところで一般生徒には手出ししちゃいけないんだったっけ。。。1話からもう一回見直してみることにしますw こういうところで忘れてしまう部分が出てくるのが、ややこしい設定の欠陥ですな。




それにしても、ここに来てもゆりっぺが、反体制というよりは神なる存在への意識を強く口に出しているのは、よくよく注意しておかなければならないと思う。現時点では、SSS対新生徒会という構図でドラマが進んで行きそうだが、あくまで今作は、固定的な体制に対する若者の反抗物語ではなく、神的なもの、運命と呼ばれうる存在をどう認識するかという部分が、根幹となっている作品である。その点だけを忘れないように、今後の展開を見守っていきたい。




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それでは、今回は以上です。




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<追記>


ユイの唄ってる表情、ちと怖かったw



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