それでも町は廻っている 第5話「実に微妙な辰野トシ子」

今回は、恋のお話2本立て。




Aパートはたっつんこと辰野トシ子のお話。今作きっての美少女である彼女が、本来であればその萌えスペックをいっそう掻き立てるハズのシチュエーションを次々と経験しながらも、どうしたってドコかダサい印象の付きまとう喜劇になってしまうのが、「それ町」クオリティ。作風を守るために、決してたっつんに萌えさせないよう苦心する作り手の努力が、窺えるような気がしてくる。


とにかくこの子は、自分も含めたこの世界をどこまでも客観的に眺め渡し、高度な計算のもとに自分自身を分析・確立する術を持っているところに、キャラクターとしての独自性がある。顔良し、スタイル良し、仕事良し、おまけにいっちょまえの乙女心も持っていて、さらにメガネっ子ということでもう完璧なまでに魅力的な人物なのだけど、そんな表の顔を意識を持って造り上げている。


大抵の場合こういうキャラクターは、自分の意図しない出来事に振り回されて痛い目を見る姿にこそ魅力を見出そうとするものだと思うが、たっつんの場合は、嵐を呼ぶ女子高生が目の前にいてもまったく動じない。そこで今回は、想い人との接触を試みて、想定外の障害や葛藤に苦しむ彼女の姿を堪能することになるのかと思いきや、ここでも知恵を働かせたたっつんは、逆転の発想で作戦目標をクリアしてしまった。あくまで彼女は後ろ向きに頭をめぐらせる、姑息にスマートなキャラクターだ。




一方のBパートは、恋のコの字もろくに知らない小学生・嵐山タケルが、ちょっぴり大人の階段をのぼっちゃうお話。Aパートの「なるほど!」と思わせるオチも面白かったが、やはりドラマとしては、このBパートのような精いっぱいに生きるキャラクターをフィーチャーしたもののほうが、俄然面白い^^


小学生なら、エビちゃんこと伊勢崎さんのような女子は学年に一人は必ずいるもの。見た目の可愛らしさにも関わらず男子からは徹底的に嫌われる女王さま気質の彼女が、学校外で二人きりで会う時にはまるで違う表情や態度を見せると言うのも、いかにも小学生の恋愛らしい、微笑ましいシチュエーション。このアニメでこんな素敵なエピソードを楽しめるとはなぁ。


まさしく喜劇然とした作風が、変わらずに平凡な日常を描写し続けているけれどその中で少しづつキャラクターが増えていくという構成に、よく表れている。タケルくんとエビちゃんの少し背伸びした恋の物語は、今後また描かれることがあるのだろうか、楽しみだ。主役二人の恋愛方面が壊滅的で、むしろネタにしかなっていない感があるので、貴重なロマンス要素として大事にしたい。


ところで、国語の授業で扱っていた題材、ヘッセ『車輪の下』かな。小学生の授業で取り上げるなんてすごいなw


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それでは、今回は以上です。


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