ドラゴンクライシス! 第4話&第5話

実咲ちゃんはこんな扱いでいいのかっ!? いや、こんな扱いじゃなきゃだめなんだろうねw




・悲恋 ドラゴンと人は分かりあえるか


異種族間の恋愛というのは、その設定が恋の障害として高くそびえればそびえるほど、ドラマティックになるものだ。けれど実際問題として、異種族間に友情はともかく恋愛が芽生えるかどうかは、とてもデリケートな問題だと思う。


SFであればロボットとの恋が成立し得るか否かというテーマがしばしば問題にされるが、ロボットにせよドラゴンにせよ、人間に近い容姿を持ち、人間と同じような精神性を持っているからこそ、相手を人間と同じイキモノと認識できる可能性が出てくるのだろう。その点「ドラゴンクライシス!」は、ドラゴンを日常的に人間の容姿で描き、それにドラゴン自身が何の疑問も持っていない時点で、最初から恋愛対象と見えるように描かれている。ドラゴンと人間の差異を激烈に告白するジョージの姿は狂信的にさえ映る。


ロボットもドラゴンも、姿が人間に見えなければ、恋などもってのほかだ。逆に言えば、人間に見えさえすれば、実際の生殖行為の成否はともかく、恋愛は成立可能なのかもしれない。現に我々だって、二次元世界に描かれた美少女に性欲を喚起されたり、場合によっては恋に似た感情を抱くことだってある。現実の人間とは似ても似つかないデザインのそれら美少女は、現代の漫画アニメ的文法を教育されさえすれば、立派に恋愛対象になるのである。そう考えると、人間とドラゴンの恋愛は案外、問題は少ないのかもしれない。




けれど、これはあくまで人間から見た場合の話だ。ドラゴンからすれば、わざわざ自分の姿を人間に似せていなければ、人間とまともに交際することはできない。それは構わないとしても、仮に我々が犬の姿になれば犬に恋をするかというとものすごく抵抗があると思うが、それと同じことをドラゴンが感じているのだとすれば、彼らにとって人間との恋愛はあまりにも奇妙な感覚なのではないだろうか?


今作の場合は、ドラゴンは生まれた時から人間に似た格好をしているし、大人になっても普段は人間の姿なので、ひょっとすればこの姿こそが彼らの標準なのかもしれないから、”わざわざ異種族の格好をしてやっている”という意識は薄いのかもしれない。でも、オニキスは人間のことをあからさまに下等生物扱いしていたし、ホワイトドラゴンの国でも人間と付き合うことは忌避されていたようだから、彼らが人間を自分たちとは異なる種族だと看做しているのは間違いない。ローズや、マルガの叔父という人が、どのような感情で人間と交際していたのか、ぜひ突っ込んで話を聞いてみたいところだが・・・。


異種族間の恋愛というのは、その設定が恋の障害として高くそびえればそびえるほど、ドラマティックになるものだ。だからこそ、人間とドラゴンの越えられない垣根を意識させられればそれだけ竜司とローズの恋物語はヒートアップするはずである。その意味で、今回のような悲恋の物語はとても重要で、人間とドラゴンの恋が成立し得るか否かを強く問いかける作劇を、物語の軸としてどれだけドラマティックに描きあげることができるかが、今作の今後の評価を大きく左右することになりそうだ。




・クラスメイトの扱いどうなの!?


竜司をとりまく愉快なクラスメイト3人は、七尾英理子と並んで、今作の魅力を左右する重要なキャラだと思う。竜司と相川真人の顔が見分けがつきにくいのが難点だが、3人ともよくキャラが立っているし、ちょくちょく挿入される小エピソードもとても魅力的だ。ドラゴンやらロストプレシャスをめぐる戦いやらが大変ファンタジーな内容な分、日常風景を担う友人たちの存在はとても大きい。だから、彼らの出番がずいぶんと限定的なのが、とてももったいないなぁと思ってしまう。


マルガと話しこむ竜司達のところに乱入して夏祭りに誘った相川真人は本当に良い仕事をしたし、イライラを募らせてスイカ割りならぬ顔面割りに興じる相川真央や、竜司の一挙手一投足に全身で反応している実咲は、見ているだけでとても面白い。こんな素晴らしいキャラクターをこんなに魅力的に動かせている時点で、今作のポテンシャルの高さがうかがい知れるというものだ。


今作は恋愛ドラマとしては、竜司×ローズのカップリングでとっくにファイナルアンサーが提示されてしまっているから、主人公が誰と恋仲になるのかヤキモキさせるようなラブコメは展開できない。江藤美咲はでも、その前提の中で精いっぱいの萌え&道化役を買って出て、立場的にはよくいるんだけれど、キャラクターとしてはすごく独創的なサブヒロインだと思う。エンゲージだとか結婚だとかいう単語に過敏に反応し、顔芸とさえ言えるくらい大袈裟にその美顔を崩して見せる実咲は、最高のギャグ要員だ。誰よりも幸せになって欲しいと思える少女が、徹底的に、1㍉の希望も無く、完膚なきまでに失恋してしまいながら、それでも一途に叶わぬ恋に身を焦がすという悲劇。そう、彼女の物語はどっからどう見ても悲劇なのに、ただ一点、”やりすぎ”という要素が加わっただけで、途端に極上の喜劇へと転化してしまう。不思議な魅力を持ったキャラクターだなぁ。


作品のエンターテイメント性を増大させるために、そして非日常の物語をもっと際立たせるためにも、竜司の3人の友人達の出番を増やすのはぜひやるべきだと思う。ただ、それはそれとして、江藤美咲はこのまま、要らない子扱いなんだけど作中ではすごい存在感を発揮するという不条理性を、貫き通して行って欲しい。決して竜司が彼女の行為に反応してはならないし、メインヒロイン昇格への一縷の望みすら抱かせてはならない。いつか彼女がメインのお話を見てみたいけれども、このまま不遇であってこそ江藤美咲なのだと、胸を張って涙声で叫び続ける彼女の姿を、今後もしっかと堪能させてくれることを期待したい。




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それでは、今回は以上です。


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