ラストエグザイル―銀翼のファム― 第4話「Dubious move」

「一個艦隊仕立ててやる!」 ・・・カッコ良すぎですよファム・ファン・ファン!!


ということで今回はいよいよ「死神・シルヴィウス」が登場! 前作で大活躍のタチアナ&アリスティアも登場! ついでに1期のシルヴァーナのテーマ曲も登場!(サントラ持ってた!w) 新旧入り混じる華やかな活劇に興奮必至の第4話っ!!!


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と、そのまえにファムとミリアの百合百合な展開があったり(笑)、興味をそそる空族の食事シーン(ごちそうver.)が描かれたり、ジゼルやディーオの知性が光る作戦会議が開かれたり、Aパートの時点ですでに見どころ満載だったのが素晴らしい。個人的な印象として、1期の序盤はめちゃめちゃ面白いシーンとまったく面白くないシーンが混在していて、せっかくの素晴らしい素材をもうひとつうまく調理し切れていない印象を持ってしまったところがあった(会話やシーンのつなぎ方もテンポ良くなかったし)。なので『銀翼のファム』になってから、まったくそうしたマイナスイメージを感じないどころか、むしろ空中戦や艦隊戦以外の地味なシーンもすごく楽しく描けているのが、本当に今作の好きなところだ。長いブランクがあるのにまったく古臭さを感じさせないというか、現代流の作劇手法を完全に使いこなしているというか、むしろ脚本家が優秀?w まぁそのへんはよく分からないけれど。


今回は近年赤丸急上昇中の若手・綾奈ゆにこが脚本を担当。戦争を扱おうっていう作品なのに(それだからこそ?)、女性脚本家の存在感が強い印象がある。マニアックな描写の必要なメカや戦闘シーンに関しては、監督とか詳しい人が細かくアドバイスをしているのかもしれない。


マニアックな描写と言えば、メカ以上に神経使っていそうな食事シーン。主食のポテパンには野菜スティック(味付き)を挟んでまるかぶり、キッシュに生野菜のサラダにオムライスにシチュー、さらにはパンケーキや分厚いハムまで出てきた。空族にしてはちょっとモノが溢れすぎだろうと思わないでもないんだけど、逆に世界各地と交易しているからこそこれだけの食材が集まっているのかもしれない。グリンピースをフォークに突き刺す仕草など、絵的な面白さも満載。どれも大変おいしそうに描かれていて、素敵な食事シーンに仕上がっていた。


料理や住居や生計の立て方など(いわゆる風俗というヤツ)は、世界観や国家像と並んで、人文系の知識や発想がダイレクトに反映される部分。理系の知識だけでなく文系分野にもかなり突っ込んで設定しているからこそ、これだけ奥深い作品世界が形成されている。戦闘なんかしなくてもじつに興味深く楽しげな作品に仕上げることができるのだ。


ジゼルが使っていた鉛筆も面白いカタチをしていたなぁ。実際にああいう鉛筆が存在したのだろうか。画面の隅々からいろんな発見があって、うんと想像力を掻き立てるところも、今作のもう一つの醍醐味だろう。


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さて今回のミッションは件の「シルヴィウス」狩りだ。当然そのネーミングからして前作の「シルヴァーナ」がふたたび登場するのかと思わせるところであるが、おおまかなカタチは同じものでも、そのデザインは『銀翼のファム』の世界観に合わせてけっこう変えてある。


↓これが前作に登場した「シルヴァーナ」

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↓そしてこっちが今回登場した「シルヴィウス」

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(※どちらも公式サイトの画像を転用)


こうして並べてみるとけっこう違う。これまでも艦隊戦描写などを見れば、18~19世紀あたりをモデルにしていたらしい前作と、19世紀末~20世紀前半を舞台にしているような今作とでは、戦艦のつくりや戦い方などが大きく印象を変えているのが分かるけれど、シルヴァーナ・シルヴィウスに関してもそうした世界観なり技術なりの変化が投影されているようだ。前作の記憶をそのまま持ってきているディーオの存在が理解をややこしくしているけれど、今作に登場するシルヴィウスおよびタチアナやアリスやアナトレー国が、前作に出てきたそれとまったく同じとは限らないわけで、タチアナたちの今後の扱いを見てみないとこのあたりは判断のしようがない。


もちろんシルヴィウスという船の戦い方は、シルヴァーナをそのままなぞっているというか、むしろ前作でシルヴァーナがどれだけ特殊なことをやっていたかというのを改めて解説してくれるような戦闘シーンだったと言えよう。空中戦なのにまるで潜水艦で戦っているようなスリリングさを、シルヴァーナという船は備えていた。シルヴィウスも同じようにして我々を楽しませてくれるだろう。秘密兵器がいつ飛び出すかも注目だ。


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一方でファムたち空族連中は、このシルヴィウス相手に決して悪くない戦いを展開していた。普段よりはるかに危険で難しいミッションになることを重々承知していた彼らは、風船を多用した種々の奇策で攻撃。船に大きな傷をつけないように生け捕りにできるよう、工夫を凝らした道具や作戦の数々で、おそらくは空族の間で伝統的に行われていた手法なのだろうが、今回はそれをありったけ投入してきたのだろう。足を止め、目をふさぎ、耳を潰して、本来ならばとっくに屈服しているはずの状況。しかし空族たちの概念を遥かに飛び越えたシルヴィウスの性能や戦術に、まんまと返り討ちにあってしまった。


というか今回は、どう考えても、シルヴィウスは空族とたたかう意思がなかった。タチアナは相手のやり方をよく吟味してその力量を図っているようで、空族がどうやって戦艦を捕獲するのか、あるいはヴァンシップ乗りがどれほどの腕前を持っているのか、じっくりと、念入りに検討していたようだった。そしてそのテストに合格したということで、ファム機を艦内に誘い込んだのだろう。(伝声管をつないだままの追いかけっこで「ギリギリ及第」とか、「シザース(コレ?)はまだまだだな」とか、かなり上から目線で判定してたけれど、緊迫感のあるヴァンシップ戦は見ごたえ十分だった。)




前回から今回にかけてのシルヴィウスの動きを見ていくと、彼らが何の目的で出現したのか、その意図をおおまかにでも推測することができる。


まず第3話において、シルヴィウスはアデス連邦第一艦隊と接触後、その姿をくらました。そしてディーオの情報により、「ミランの山見台」で目撃されたとの報告が入る。ミランの山見台とは、公式サイトの用語集によれば、「グラン・レイク北西部にある空族拠点の1つで、ゴーニア地方の比較的近くに位置している。」ということである。ゴーニア地方というのはアデス軍の大本営会議でも話題になった、現・トゥランの地にもともと住んでいた先住民たちがいま追いやられている先の地方で、トゥラン王国とはグランレイクを隔てた反対側にある。しかし今回、ファムたちがシルヴィウスを発見し接触したのは、劇中の地図によればトゥラン王都・イグラシアの近郊だ。つまりシルヴィウスは、グランレイク西岸地域を、アデス連邦の脇を通り抜ける形で南下してきたことになる。

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前回、劇中に登場した世界地図を、苦しいながら自作してみたw (第3話の記事にも掲載します)


シルヴィウスはアナトレーという国家に所属しているらしいが、アナトレーがもし地図の右上(北東)に位置しているとするなら、シルヴィウスはまずグランレイク北部を大きく西進し、ゴーニア地方近郊でいったん目撃されたあと、直角に折れて南進しトゥランにまでやってきたということだ。グラン・レイクを聖域として恐れるそぶりもなく、空中水中お構いなしに移動できるシルヴィウスが、こんな大回りをしながらトゥランくんだりまでやってきたのはなぜか。


おそらくシルヴィウスは、当初、拡大を続けるアデス連邦を警戒したアナトレーが偵察の目的で派遣したものと思われる。第一艦隊と軽く手合せしたことでアデス軍の強さを分析したタチアナ艦長は、敵の手強さを知ると同時に、そのアデス艦隊に一矢報いた勢力があると聞いて空族に興味を示した。そこでトゥラン近郊にまでやってきて、その地域に暮らす空族と接触し、彼らを自陣営に巻き込めるかどうか(その価値があるかどうか)を探りにきたのではないか。


シルヴィウスが、空族がいきなり襲ってくることを予知していたかどうかは分からない。ディーオとタチアナが(前作からの流れで)顔見知りである可能性も十分にあるので、今回の空族とシルヴィウスの接触がすべてディーオの企みによるものであったことも大いに考えられる。いずれにせよタチアナは、空族を”使える”と判断し、なかでも一番腕が良くて空族を引っ張れる人望を持っているらしいファムを、打倒アデス連邦のための協力者として利用することにした。それが、今回の出来事のあらましだろう。




これで、まったく先の見通しが立たなかった「トゥラン王国の再興」という目標が、いくらか現実性を帯びてきた。そもそも今回は、ファムもぽろっと再興のことを口に出すなど、ミリアの知らない間に、皆の共通の目標としてトゥラン再興の夢が共有されてきていることが描かれた回でもあった。空族たちの人の良さに加え、トゥラン王国がそれだけ魅力的な国であり、一方でアデス連邦がいけ好かない連中であるとの意識も手伝って、ミリア王女を迎え入れたカルタッファルの住人たちは皆が親トゥラン派一色に染まっていた。これはきっと、一人でなんとかしないといけないと考えていたミリアにとって、何よりの支えになったことだろうと思う。そうした内側からの支えに加えて、シルヴィウス(というかアナトレーという国そのもの?)がトゥラン再興に力を貸してくれることになれば、ミリアが政治の表舞台に復帰して自身の使命を果たすために邁進することになる日も遠くは無いだろう。


さらに、今回ファムがアデスの戦艦15隻を奪取すると公言したことは、今後の展開として、アデス艦を流用した新設トゥラン艦隊とシルヴィウスも含めたアナトレー艦隊の連合軍が、アデス艦隊と一大決戦を繰り広げる場面が当然待ち受けていることだろう。いまから楽しみで仕方がない、というか、そのクライマックスシーンを見たいという願望だけで、残り全話数を最高度のモチベーションで鑑賞し続けることができるとさえ言っていい。いったいどれだけ興奮させたら気が済むのか!


もちろん、早ければ次回にもやってくれるであろうファムたちの戦艦強奪作戦に、まずは期待をかけておこう。そして同時に、ミリアが王国復興へ向けてどんな動きを始めるか、そしてディーオたち前作からのキャラクターたちの役割などにも、よく注目しておきたい。



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それでは、今回は以上です。


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