偽物語 第1話「かれんビー 其ノ壹」

やっぱすごいな、この作品は!!


シャフトが日本アニメ史に打ち立てた金字塔とも言っていい『化物語』の放映開始からおよそ2年半。その驚異的なセールス記録はシャフト自ら『まどマギ』で更新してしまったために今では多少影が薄くなってはいるけれど、作品としてのインパクトは決して劣ってはいないどころか、作品の出来栄えとしてはむしろ『化物語』のほうがシャフトの功績の大きさは印象に強く残ったんじゃないかと思う。原作人気を引きずってさらなるアニメ展開も図っている今作が、このたび続編シリーズの放映を開始したということで、どれくらいの反響があるのかは今後のアニメの動向を占う上でも非常に注目されていることだろう。具体的には、『まどマギ』をひとつの頂点とする近年のオリジナルアニメの質・量両面における攻勢に、原作アニメ化の大成功例である『物語』シリーズがどこまで対抗しうるか。うまく行けば、原作モノとオリジナル企画の両輪が、名前の通りにシャフトを「軸」として華々しく暴れまわる、そんな2010年代の姿が現出するかもしれない。


いや、もうほんと、そう期待したくなる第1話だったわけなんだけど『偽物語』!!w 相変わらず自分は原作小説に関しては未読だけれど、原作信者の方から「気楽に見れ」と言われてるので、少なくともお話の面については肩肘張らずに楽しもうとは思っている。思ってるんだけど、そうそう気楽には見させてくれない映像と音響のすさまじさがもうさすがとしか言いようがないっ!


ちなみに、わが「妄想詩人の手記」がはじめて第1話から各話感想に取り組んで、まがりなりにも感想ブログとしてスタートを切ったのが、『化物語』の放映されたクールでした。そこでいきなりあんなやっかいなアニメの感想を書くことになって四苦八苦していたのは良い思い出で、いまこうしてその続編の感想に取り掛かっていることを心から嬉しく感じている。相変わらず四苦八苦してはいるけれど、この懐かしさや喜びを噛み締めながら大好きなシャフトのアニメーションを堪能できるっていうのは、感想ブログならではの特権かもしれない。


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さてさっそく本編の感想に入りたいところだけど、今回はまぁなんというか、基本的にほぼ、意味のあるのか無いのか分からないシニカルな会話のてんこ盛りで、終始ゲラゲラと笑うだけで終わってしまった。なんということかとw 事前に流れていたCMを見たときも思ったんだけど、もしかして『偽物語』って、『化』のときよりぐっと笑わせにきてたりする作品なのかな? 劇場化が控えているらしい『傷』のほうがなんだかシリアスでエグい作品だと聞くし、改めて『物語』シリーズの懐の深さを実感させられるというか、3年前にはまだまだ物足りなかった会話劇の妙をここでしっかり楽しませてもらえそうなら、期待感は否応なく募ってくる。


もちろん今回からすでに、『偽』の主役と言うべきであろうファイヤーシスターズと、阿良々木暦との微妙な距離感や確執といったものがクローズアップされており、このシリーズが、成長とともに引き離されていった兄妹の絆の再生をテーマに据えてありそうだというのは伝わってきた。


『化』で描かれた物語では、恋愛だの友情だのと定義してしまうとあまりに的外れになってしまいそうな、微妙な接点でつながりあう若者たちの姿が描かれていた。愛しさや信頼、プライドや恐怖、救済と失望、そして不条理で不定形な人と怪異のことわり。たった数語では言い表すことのできない、それでも確かに芽生えた絆や信念を、言葉足らずの言葉と疑心暗鬼の行動を通してなんとか掴み取ってみせようと試みた阿良々木暦と彼の仲間たちの物語だった。『偽』も同じテーマを孕んでいるのであれば、赤の他人から始まった『化』のヒロインたちの物語よりも、家族の再生を見据えた『偽』の妹たちの物語の方が、いっそう真摯に訴えかける心の揺らぎを描画していくことができるかもしれないと、個人的には思っている。


じつをいうと『化物語』を見たときは、ストーリー自体にはそこまで入り込むことができなかった。もちろん、例えば「まよいマイマイ」の構成力にはそれはそれは驚かされたものだったけれど、そうした構成のうまさや個々のセリフの見事さといった技術的な側面ばかりが持て囃されていた(実際とんでもなく素晴らしかった)一方で、しかし物語の中身、テーマとかイデオロギーとかいった言葉で抽出されうるところの部分は、あまり自分の胸には響かなかった。それはたぶん、自分の理解力とか関心の見出し方の問題ではあって、だからそういう意味では、家族のお話にシフトしていくことでより明快に、理解しやすいカタチで、今作の物語の骨髄が現れてくるかもしれない。またそれによって、『化』の物語を理解し再評価することが自分にもできるかもしれないと、そんな期待も込めて視聴していきたいと思っている。それとも、技術的な側面(キャラがいいとかセリフがうまいとか)こそが今作の神髄なのだというのであれば、素直にソコを楽しむことはできるけれど。そのあたりはもう少し話が進んでから見極めたい。


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『偽』では『化』とスタッフが多少異なるという話で、たぶん具体的には尾石達也が劇場版のほうに傾注していて、じっさいOP等にもクレジットされていなかったのが、印象としてはかなり大きいのだろうかなというのは、スタッフの名前とかさして知らない自分などには見えたりする(事情通の人たちにはもっと大きな変化が分かるのかな)。ただ、例えば戦場ヶ原OPではすっかりお馴染みのホッチキス描写も、クレジットを見る限りは龍輪さんが流用していたりするのを見ると、仮に主力級スタッフの変動があったとしても、それを視聴者に感じさせないようすごく気を使っている印象はある。


本編のほうも、『化』第1話のとんでもない映像美と比べるとどうかという点はあるけれど、『化』の中盤以降に確立された演出方針をほぼそのまま、そしてより高クオリティかつ楽しく表現しようとしているように見え、『化』という作品から発せられる尋常じゃないプレッシャーにも頑として立ち向かおうとする作り手の気概・気迫が見え隠れしていたのではないか。第1話だから気合い入れて作るのは当然とは言え、気合いでどうこうならないだけのことをやってしまったのが『化物語』というアニメ作品であり、このあたりの独走性は『まどマギ』以上のものがあると思う。物語上はまだまだ続きや前日譚が存在しているけれど、映像作品としてはこの上ないほど完成されてしまっている、という矛盾を抱えているのが『化物語』なら、その続編を作ろうという試みがどれほど困難なことかというのは容易に想像がつく。


それでもシャフトという会社は、新房監督のもとで作品を作るようになって以来、つねに、生みの苦しみだけでなく、いちど生んでしまった傑作を乗り越える苦しみと、ずっと向かい合ってきた人たちだ。だからこそ自分はシャフトに惚れたのだし、彼らが生み出す作品を心待ちにしているわけで、今回の『偽物語』はもちろんのこと、今後もあらゆる作品で、その挑戦的な姿勢を崩さないでいて欲しい。


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っと、あんまり第1話の内容に触れてないじゃないかw とりあえず、今作が放映開始されたという事実だけで興奮しているので、この興奮を大事にしながら次週以降も視聴していきたい。


土曜の夜はわりと夜更かしできることが多いから、ちゃんとリアルタイムで見れるというのも大きくて、この一年間ほとんどできなかった「リアルタイム視聴→直後に感想執筆」って流れを久々に体験できるのが、興奮を倍加させてくれている。まぁ自分は筆が遅くて、この程度の文章量でも1時間半はかかっちゃうので、最速更新ってわけにはいきませんが。でもなるべく書き終わるまでは寝ないようにするので(笑)、新鮮な感情でつづった記事を書けるように努力します。よろしくお付き合いください。


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それでは、今回は以上です。


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