さくら荘のペットな彼女 第7話「彼女のきょうしゅう」

脚本も映像上の小ネタも、いままでで一番パワフルな回だったんではないですかね。笑いすぎてセリフがよく聞き取れなかったw




今回は空太の実妹・優子がはるばる福岡からやってきて大暴れするエピソード。妹さんが登場するのは、このアニメシリーズではひょっとしたら今回限りになってしまうのかもしれないけれど、ただ賑やかしく面白いエピソードを成立させてくれただけではなく、ましろと七海の空太争奪戦をイイ感じに煽ってくれて、今後のラブコメ展開に向けて大きなアクセントとなった。とくに、ましろではなく七海をはっきりと本命候補に名指しして去って行ったのは極めて示唆的なシーンだった。



たしかに恋愛要素という点では、現時点でもっとも空太に近いのは七海であることは間違いない。第1話のころからまんざらでもない雰囲気を醸し出していたし、ましろと親密にしている場面を七海に目撃されたときに空太はもっとも動揺しているわけで、二人がいまだに恋人同士になっていないのは、ただ本人たちに少しばかり勇気が欠けているというだけのことに過ぎない。逆に今作のメインヒロインであるはずの ましろは、今回も優子のお子様らしい恋愛ごっこに張り合って同次元の戦いを繰り広げているように、年齢相応の恋愛感情を抱かせるにはまだまだ足りない点が多すぎる。ましろは他の女性に嫉妬することはあるけれど、それくらいの感情は犬や猫だって抱くわけで、やはり現時点では(少なくとも客観的に判断する限りは)彼女はまだペットの域を出ていない。もしかしたらずっとこのままかもしれないとさえ予感させる。


もちろん、ましろ本人の本当の感情はよく分からないんだけど。たとえば上井草美咲だって、普段の奇抜な言動だけみたらとても恋愛とは縁のなさそうな人に見えるが、それは彼女のほんの一面に過ぎず、その裏側には少女らしい純情を内包していることはこれまで何度も描かれてきたことだ。同じように ましろも、恋愛要素をストーリーに盛り込んだ漫画を実際に制作しているのだし、口や態度だけでは判断できない秘めた感情を持っている可能性は十分にある。なにより、七海や優子の前でどういう風に空太をイジったらもっとも効果的かを計算しながらボケている(そうとしか思えない)ましろが、恋愛感情のなんたるかを知らないはずがないとは思う。


とはいえまずは、あの恥じらいの無さをどうにかしないといけないとは思うけどw ましろは言ってみれば、今はまだ楽園に暮らすイヴのようなもので、蛇に唆されて知恵の実を食べてもらわないことには恋愛方面での進展は期待できそうにない。ましろは他人の言動を観察することで自分自身の考え方や感情表現を獲得していく傾向があるから、七海が空太の恋人候補としてますます存在感を大きくしていくことは、ましろにも重要な影響を与えるのではないかと思う。逆に七海もまた、ましろや優子のように節操なく空太にまとわりつくライバルが登場することで、強烈に背中を押されている現状がある。今後も二人のヒロインがお互いに影響を与え合って、加速度的にラブコメ度が高まっていく展開は十分に期待できそうだから、楽しみにしておきたい。




ところで肝心の空太は、いったい誰に気があるのか。どうも彼は、今のところは恋愛に対して消極的な態度をあえて貫こうとしているように見える。他のハーレムラブコメ作品だったら、主人公の煮え切らない態度がヒロインたちをやきもきさせるなんて定番のシチュエーションだけれど、空太の場合はただ性格の問題で煮え切らない態度を取っているのではなくて(それも無いわけではないのだろうけれど)、それよりももっと重要なことのために今ある時間と熱意を傾けたいと考えているのだろう。


これは男性なら当然考えるところであろうが、自分の将来が不確実な状態にあるうちは、仮に恋人を作ったとしてもその彼女を本当に幸せにできる見通しが立たないわけで、そんな状態で恋にうつつを抜かすわけにはいかないという意識を持っているのではないかと想像している。高校生くらいなら普通そんなことはあまり考えずにいられるのかもしれないが、空太の場合ははっきりと将来の目標を見据えて頑張っているわけで、しかもそれはあくまで自分自身のためだけの目標なのだ。夢を追いかけ続けて結局失敗に終わったとしても、その失敗が自分ひとりの人生の中で完結するなら何も問題はないけれど、今の半端な状態で恋人でも作って、その彼女まで自分の失敗に巻き込むような事態になってしまうのはあまりにも情けない。逆に言えば、もしいま恋人を作ってしまったら、二人がちゃんと幸せになる道を選ぶべきだという意識が働いてしまい、それが夢を放棄する格好の言い訳になってしまいかねない。そんな事態になるのを避けるためには、まず自分のやりたいこと、やるべきことをある程度軌道にのせるまでは、安易な気持ちで恋人を作るのは絶対に避けるべきであろう。


空太の人生相談役として大きな役割を果たしている三鷹仁が、どうしても美咲の想いを受け入れようとしないのも、たぶん似たような心境が働いているのではないかと思う。彼が逢瀬の相手にしているのは、彼自身の人生とは無関係でいても何の問題もない女性たちだけ。美咲のように、いちど受け入れてしまったら絶対にお互いの人生に強く干渉し合わなければならなくなる相手とは、現時点での中途半端な状態では決して付き合うことができないのだ。しかしすでに成功をほぼ掴みかけている立場の美咲は、まだ道半ばにいる仁の心境をうまく汲み取ることができない。あるいはそれは才能で突っ走ってきた者と、才能不足を努力で補おうとする者の差であるのかもしれないし、感情で動くタイプと理屈をこねるタイプの違い、あるいはもっと単純に、ただ女と男の意地の張り方の違いでしかないかもしれない。しかしいずれにせよ、三鷹仁が夢を追いかける途上にある限り、こんなに近くにいる二人の間にある絶望的な深さの溝は、とうてい埋まりそうにない。


こうした溝を前にして、成功をつかむことでこれを埋めるのか、夢をあきらめることでこれを迂回するのか、この二択しかないと考えていそうなのが三鷹や空太だ。それに対して、今作のパワフルな女性陣はひょっとしたら、この溝を飛び越えてしまうような発想の大逆転を見せてくれるかもしれない。シリーズ後半部に向けて、惚れた腫れただけでは済まされない、夢や生き様を賭けた真剣勝負の恋愛ドラマが繰り広げられることを、今後の展開に期待しておきたい。





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それでは、今回は以上です。


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