ティアーズ・トゥ・ティアラ 第25話「メルカディス」

なにこのゴジラww作画すげえww

白の精霊がラスボスかと思ってたけど、なんかだいぶ方向性が違っちゃってきたなぁ。これはこれで別にいいけどさぁ。




レクトールとの対決シーンで、思想のぶつかり合いを描くという展開は正しい。けれど、そこでどれだけ作品のテーマを訴えられていたかという部分で、悪くはなかったと思うんだけど、物足りないなぁという印象。


レクトールとアロウンの会話のやりとりは、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』における大変有名な「大審問官」のエピソードで描かれていたのと、近いテーマを持っていた。

すなわち、人は幸福や安寧を捨ててでも自由であるべきか、それとも自由を捨ててでも幸福と安寧を選ぶべきかという問題で、生きる使命と宗教組織の役割を突きつめて問いただしていたのがドストエフスキーの描いた「大審問官」のテーマであった。それをここでは換骨奪胎を行って、アロウンとレクトールの対立に当てはめていた。


もちろん構図としては似ていても、扱っている内容は大きく異なるわけで、人類を滅ぼそうとする悪と、それに立ち向かう勇者の図で描いてしまったのは、不満である。これではただのRPG的展開でしかなくなってしまうわけで、いままで作品メッセージの存在を強く予感させておきながら、それをとうとう描き切れなかったのは残念だ。もちろんまだあと1話残っているわけだけど、レクトールとの対決で描かなかったらいつやるのか、という話。




完璧な世界とは何か。また、人間はどういった存在か。今回レクトールが、高位の次元から地上世界をどう見ているのかが語られたが、ここはもっと、視聴者にも彼の考えの一端が理解できるような描写が欲しかった。どうして彼が人間を滅ぼそうとするのか、人間の悪の部分に鋭く切り込んだ視点を提示してあれば、それを受けてなお人間に希望を見出すアロウンの思想も明確に提示することができるし、そこにこそ作品のメッセージ性を込めることができたはずだ。いままでのシリーズ構成の仕方を見てきて、そこまで深く掘り下げてくれるとばかり期待していたので、ちょっとこれは期待外れと言わざるを得ない。

これについては、私の期待の仕方が間違っていたとは、今のところ思っていない。というのも、今回のような薄っぺらい悪役が諸悪の根源として登場するのなら、それ相応に、過去のエピソードももっと娯楽性豊かな方向に舵を取るべきであった。そうすれば、最初からファンタジー娯楽大作として楽しむことができた。ところが、深いテーマを描きますよ、という態度をぷんぷんさせておいて、一方で絵的にも話的にも面白そうなエピソードを削ったりしていたので、エンターテイメントとしての魅力を削ってまで描きたいテーマがあるのかと期待するのは当然であろう。そしてそのテーマを最大限の気合いを込めて描かなければならない作品であった。今回のように中途半端な舵の切り方をするのが一番よくない。


せっかく、人の生きる使命についての深いメッセージ性が込められた作品になると期待していたのに、レクトールのおかげで台無しですよ。なんだよこの小物っぷりはぁぁ。




いちおう、好意的な見方をするなら、今回ずいぶんと小物っぷりを発揮してしまったレクトールだが、彼は相当、切羽詰まっていたのではないかと考えることができる。余裕綽々ってトコロを見せていたのは、本当に余裕があったわけではなく、白の精霊としてのプライドからそういう態度を取らざるを得なかったのだろう。

メルカディス復活までの時間稼ぎであったとはいえ、ガイコツ兵士にばかり戦わせて自分は逃げてばかりだったのは、彼自身の力だけではアロウンやアルサルに敗れる可能性があると思ってのことだ。自分から積極的に戦うのはポリシーに反するとか考えていそうだが、事実としてアルサルの攻撃を受けてしまっていたわけで、認めたくはなかっただろうが、危険をよく分かっていて、しかも状況的に相当まずいことになっているという想いがあったと思う。

だからこそ、もしかしたら負けるかもしれないというのが、傷を付けられたことで現実味を帯びてくると、白の精霊としてのプライドもあって完全に精神的に参ってしまった。それが、彼のいかにも小物って感じの描写に表れていたと思うし、自らを生贄にしてまでメルカディスの力を覚醒させたところからも見てとれる。そう考えると、今回のレクトールの描写には整合性があって、納得はいく。


ただこの推察が正しいのだとしたら、レクトールというキャラクターの描き方に関して、やはりもうひと工夫欲しかったなぁと思う。彼がだんだん追い詰められ、本気になっていく描写などがあれば、彼の精神錯乱ももっと自然に見せることができていたと思う。終始、余裕ぶっこいていて、自分のミスで傷付けられたくせにいきなりあんな怒り方されたら、どんだけ器量が狭いんだよって誰もが突っ込みたくなるところだろう。彼にとって、今回の計画がどれだけ重要なことであったかというのが、もう少し真剣味のある態度で示して欲しかった。






作画に関しては相変わらず目を見張るものがある。主役たちの戦闘シーンもかっこよかったが、ゴジラはすごかったぁ。力を解き放って変形したあとのメルカディスのデザインは秀逸。

次回予告を見るに、作画面ではじつに期待できそうだし、RPG的展開も燃え要素が満載になりそうだ。思想面の描写は期待外れだったけれど、あとは純粋に娯楽として楽しもうと思う。批判点ばかりあげつらって作品の魅力を見失ってしまったら大損だ。良質のファンタジーアニメとして、見るべき部分はまだまだたくさんある。


タリエシンが空気にならないといいなw


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