ティアーズ・トゥ・ティアラ 第26話(最終回)「力の言葉」&シリーズ感想

んー、いい最終回だった。面白かったわ。


シリーズ後半、この作品はとんでもなく重要なメッセージ性が込められてるのではなかろうかという期待が見事に裏切られてしまってはなはだ残念ではあったが、久々に真っ当なファンタジー作品としての姿勢を貫き、描き切って見せた、素晴らしい作品だったと思う。




Aパートは対メルカディス戦ということで、前回ゴジラみたいだったのが、なんだかビオランテのような化物になっていてオイオイと思ったのだけど、圧倒的な火力を誇るエレクトラム砲や、立体的な動きを見せる触手、そしてリアンノンの「力の言葉」のかっこいいエフェクトなど、見どころ満載の戦闘シーンだった。


あの巨大な触手をばっさばっさと切り落としていく描写とか、物理的におかしいだろーとは思ったけれどね。せっかくの戦闘シーンなのだから、もうちょっとリアリティのある戦い方を見せて欲しかった。それにエレクトラム砲だけど、メルカディスが動かないのなら、地平線の向こうへ逃げたらいいじゃんって思ったのだけど、そういう突っ込みは野暮ですか。


またレクトールを殺す際の、アルサルとレクトールの交錯の仕方は、ビジュアル的に非常に映える。まさに「神殺し」の図って感じの構図で、背徳感のあるいいポーズだった。




Aパートでラスボスを倒してしまって、Bパートに平和な時間を見せたのは、メリハリが効いていていい構成だ。国王就任は気分的に盛り上がったが、その後のみんなの描写とか、もういよいよ終わりなんだなぁと思うと、こんなに明るい描写なのに、すごく切ない。しっとりとしたED曲がよくマッチしていたね。

あぁ、なんだか、ドラクエ3をクリアした後みたいな気分だよw


最後の、夕暮れに石碑の前にたたずむ3人の図は、そこに書かれてあることの内容も込みで、とても印象的なシーン。壮大なストーリーの終わりにふさわしい幕引きの仕方だ。ただ、あの石碑はもう随分前に一度描かれたきりだったのだけど、伏線の張り方が弱い。前にアルサルがアロウンを殺そうとした場面でも、アルサルが白の精霊を憎んでいるという伏線はちゃんと敷かれてあったのだけど、すっかりそんなこと忘れてたし。今から見返してみるとシリーズ序盤は伏線のオンパレードだったわけだが、それらをすっかり忘れてしまうほど伏線の描き方そのものが弱くて記憶に残らないものだったし、回収の仕方も唐突すぎるきらいがある。


じつはこの作品、当初はあまり面白いとは思っていなかった。リディアが出てきて、沢城みゆきの神演技が聞けたあたりから次第に面白味が増して行って、中盤以降はもう本当に楽しめたのだけど、それは序盤が主に伏線をまきながらゆったりしたテンポで進んでいたからだった。終盤まで視聴したうえで改めて1話から見直してみると、こんなに面白い作品だったかなぁと、不思議に思う。


いちおうこれは、序盤の描き方をもう少し工夫して欲しかったと小言をつける部分であろうとは思う。ただ、中盤以降の展開でぐっと魅力を増して、もう一度見てみようと思わせることができたというのは、評価すべき部分。減点と加点を計算して、プラマイ0よりはある程度プラスに点数をつけられる構成になっていたと思っている。




さてシリーズ通しての感想だが、上記にも書いた通り、作品の持っていたであろうメッセージ性の描き方がおざなりになってしまったことや、序盤の伏線の貼り方が甘かったといった批判点はあるが、その上で、やはり剣と魔法のファンタジー作品としては非常に良質な、面白い作品だった。現在の話と、過去の神話的な話とをシンクロさせるやり方はなかなかに上手かったし、戦闘シーンの作画は素晴らしく、ストーリー展開もそれなりに熱いドラマに仕上がっていた。個人的には、もっと萌えやギャグ(というかマヌケさ)を減らして、もっと燃える展開を序盤から見せて欲しかったというのはあるけれど、しかし今作のバランス感覚は作風を決定づける上でかなりよく計算されていたと思う。


キャラクター描写に関して、それぞれのキャラをいちいち丁寧に掘り下げられていたかというとちょっと疑問だが、逆にアロウン、アルサル、リアンノンの三人を、過去エピソードと絡めてかなり尺を取って描いていたので、ストーリーの軸はブレがなかった。その上で、オガムが非常に便利な立ち位置にいて上手くストーリーの舵取りをしてくれていたし、ヒロイン連中もみんなきちんと見せ場が与えられていて、キャラはよく立っていた。とくに、モルガンとオクタヴィア、ラスティとスィールというように、二人や三人のチームとして出番を与えていたのは上手いやり方だ。


それから何と言っても今作の最大の魅力は戦闘シーンにあると思う。過去の記事でさんざん書いたのでここでは改めて多くは語らないが、アニメにおいて大人数の兵士による激突をどう描くかという点で、素晴らしい出来の映像を提供してくれたのがまずポイントが高い。同期にやっていた「戦場のヴァルキュリア」が戦場の描き方に関してじつにひどかったのに対し、今作のスタッフはよく戦場の描写を分かっているというのがいっそう実感できた。また、戦争の場面ではなく、少人数によるRPG的な戦闘シーンにおいても、その描写において金字塔を打ち立てたと言っていいのではないだろうか。


あとは、ストーリー構成、脚本の部分で、もう少し何とかならないものか、と思わせてしまう部分が散見された。原作のストーリーを端折ったり改変したりしなければならないのはアニメの宿命であるが、だからこそなおさら、見ていてちゃんと整合性のあるストーリー展開を構築することに注意を払ってもらわないと、原作を知らない身としてはとても困る。とくにパラディウムに乗り込もうというあたりは脚本がひどかった。その前後の回がじつに良かっただけに、とてももったいない。





ところで、これは感想と全然関係ないどうでもいい疑問なのだが、アロウンっていつまで生きていられるのだろうか。もし彼やオガムがあのままの姿で何百年、何千年と存在し続けられるのだとしたら、この二人で完璧な独裁政治が敷けると思うw まぁ、名目上はアルサルとその直系に王位をまかせることになるだろうけれど、王国が続けば続くほど、この二人が実質的な権力者になってしまうような気がする。アロウンが望まなくとも。もし国が王道に反する方向に進み始めたら、当然、アロウンとしては口を挟まないわけにはいかないだろうし。



アロウンのその後、ということで、二通りの後日譚を考えてみた。

・パターンそのいち 永眠ルート

アルサルの王国経営が軌道に載った段階で、アロウンはもう自分の仕事は終わりだと言って、自ら長い眠りに入る。オガムもまた隠居して世間から身を引き、アルサル王家だけの力でアルビオン島を治めることになる。しかしそんな状態で永遠に平和が続くわけはなく、かつてのアルビオン王国と同様、いつしかアルサルの王国も滅び、そして新たな歴史が紡がれてゆく。。。

これだと、また魔王復活の儀でアロウンがたたき起こされて、アルサルとリアンノンの意志を受け継ぐ人間と一緒に、今回と同じことをやりそうw


・パターンそのに 魔王化ルート

アロウンはアヴァロン城にとどまり、意見役として王の傍らに居すこととなる。アルサル亡きあと、代々にわたって王国を見守っていたが、次第に慢心を抱えるようになった王家の人間たちに疎まれ、ついには郊外に幽閉されてしまう。そこでアロウンはやむなく立ちあがり、腐敗した王家を打倒、人間にはまかせておけんと、自ら王位につく。そして、永遠に生き続ける王の支配がはじまった。。。

そんで、きっと考えあってわざと非道な政治をやって、人間たちが自由と理想を求めて自分を倒しに来るのを待ってるんだよ。どこのアマテラスですかっていうwww



まー、そんなくだらない妄想をこさえてみました。とくに、魔王ルートはアニメ化希望です。悲しくて切ない、魔王と革命の物語。アロウンを主人公にした、そんなドラマがぜひ見たい。


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この記事へのコメント

リセ
2009年09月29日 14:24
「後日談パターンそのに」
見たいですね! すっごい見たいです。
おパゲーヌス
2009年09月29日 19:45
>リセさん
コメントどうもありがとうございます。こんな妄想に賛同していただけて、大変うれしいです^^
ヒロ
2009年09月30日 12:35
自分もアルサル死後はまた眠りにつくのかな~と思っていたのですが…魔王化もいいですね!それすごくいいです。見たいです。
アロウンだったらやりかねないですね。
でもやっぱりありえるのはまた眠りについて必要とする人間が現れたときに起こされる…パターンですかね。
おパゲーヌス
2009年09月30日 12:40
>ヒロさん
コメントどうもありがとうございます。
元・白の精霊っていう設定は、いろいろ想像が膨らんで面白いですね。そういう意味では、一番いいトコで終わってくれたように思います。あとオガムがいつからじいさんだったのか、とかすごく気になりますw

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