聖剣の刀鍛冶 第10話「殉情」

知らなければ無邪気でいられた。しかし知ってしまったからには、もう後へは引き返せない。



こに来て一気に世界観が見えてきたと同時に、残酷な事実を突き付けられるという現実。以前から仄めかされてきたシリアス要素が、とうとう劇の主軸として回り始めた。


ヴァルバニル、悪魔契約、ルークの役目、魔剣の存在意義などなど、これまで何の解説も無くただ描かれ続けてきた設定を、きわめて分かりやすく、丁寧に説明してくれた。首脳会議やルーク邸で語られるこれらの解説は、あまりにも説明口調すぎるのと、一度に開示される情報量が多いので、まるで授業をやっているような会話だ。いや実際、このシーンはセシリーと視聴者に対する授業に間違いない。


多少作劇の手法として首をかしげたくなる展開ではあるが、しかしこれらの設定は回りくどく披露しても仕方のない部分だし、尺のことを考えると、ヘタにひねるよりよっぽど正解だろう。設定をあっさりと明かしてしまうことで、逆にそのベースの上に今回のクライマックスを構築することができている。


また、これらの隠された設定を一度に開示してしまうことで、セシリーの感じた憤りややるせなさ、そして燃え上がる使命感を、視聴者が近い目線で感じとることができる仕組みにもなっていたと思う。このストーリー構成の仕方は実に優秀だと思いますね。




たこの2話分のエピソードにおける脚本の構成も、かなり出来が良い。上述の点に加えて、老騎士とエルザの物語としてもじつ見事な展開だったのではないか。


前回、エルザが短剣を修復しに来たのは、老騎士の仇であるヴァルバニル(=リサ)を探すのが目的だったわけで、その限りにおいては、エルザはリサたちを騙し打ちにしようとした敵のはずであった。しかしその短剣の慈悲という名の意味と、持ち主であった騎士とその愛娘の悲劇が語られていたことで、その構図が一変してしまう。老騎士の想い、そして魔剣エルザの想いが、少しづつすれ違い、もつれ合いながら、重層的に描かれた切ない愛の物語であった。


「殉情」と書いて「Tragedy(悲劇)」と当てたサブタイトルが、またなんとも心憎いセンスだ。殉ずるとは、何かのために自身の命を投げ出すこと。まさしく、老騎士とその魔剣の生き様にふさわしい。





本と並んで、アクションシーンの作画もやはり素晴らしい出来映えだった。相変わらず魔法エフェクトの描き方がいちいちかっこいいのだが、それ以上に、足元から舐め上げるように映すなどしたカメラワークがじつに秀逸で、キャラの演技よりも画面構成で魅せた殺陣だったと思う。


またアクションではない場面でも各キャラがきちんと芝居をしていて、全体的にかなりクオリティの高い作画だった。やはり今の時代はこれくらいのモノを提供して欲しいね、と言えるだけの、お手本のようなアニメーション。この作品が面白いのは、ストーリーそのものよりも絵の良さに負う部分が大きいと思います。


ジャンルにもよるけれど、そうそう滅多なことでは素晴らしいストーリーなんて書けないわけだから、その分アニメは映像表現で高いクオリティを追求するしかないと思う。今期はとくに「せめて作画が良ければ・・・」なんて思ってしまう作品がけっこう多い。ぜひともブラスミを見習ってほしい。



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