ささめきこと 第12話「雨を見たかい」

「ARIA」でほぼ同じ構成の話があったねぇ。焼き直し、と言ったら興を醒ますようだけれど、この手の話は大好きですよ。


バンからセミを映すのはつい最近別のアニメで見た気がしたけど、何だったかな。冒頭からうだるような暑さと不自然な静けさ、嵐の予兆めいた不穏な空気感の演出が巧みで、「退屈」の二文字をうまーく表現している。職員室のクーラーに不満をあらわにする純夏の表情など、終劇時の晴れやかな雰囲気を引き立てる対比の構図が見事だ。


雨が降ったら普通は陰鬱な空気に転じそうなものだけれど、純夏がポツリとつぶやいたように、この雨は厄介な反面、待ち望まれていたものでもあったことが、作品全体の雰囲気を、不穏な苛立ちからまったりと落ち着いた感じに転換させていた。こういう雨の使い方はちょっと珍しい気がする。このあたりは雨そのものよりも、BGMの効果が大きいだろう。




回は恋愛的なドラマはひとまず休憩。Cパートの描写だけが予感めいたものがあっただけで、あとは純夏の嫉妬といい、ちょっとしたことで機嫌が良くなる単純さといい、いたっていつも通りのテイスト。久々に登場した朱宮くんの恋心も、ギャグネタにしか活用してもらえないトコロなんかまさに”いつものパターン”。


そんな中、失恋を自覚した前回エピソードを受けての蒼井あずさの立ち回りは心を揺さぶられる。ガラス越しに会話するというシチュエーション、想い人の肩越しに見る恋敵、叶わぬ恋への執着を笑顔で捨てて見せる気丈な彼女の振る舞いに、胸を打たれた。そしてそんな彼女をちゃんと理解し応援する大人な朋絵は、本当にカッコいい。朋絵の言動を見るに、彼女も過去にいろいろな想いを置き去りにしているようだ。設定やキャラクター性を、象徴的なエピソードを挿入してはっきりと分かりやすく提示するのではなく、セリフや行動の端々から視聴者に推測をさせるというキャラ描写に、脚本家の力量が良く発揮できている。





の落書きを発見したところから今回のメインストーリーが始まるわけだが、ここからの展開は前述の通り「ARIA」でやっていた話そのままの構成。というか、「ARIA」だけでなく、以前からよく用いられているプロットなのかもしれない。換骨奪胎というのは手抜きに感じるかもしれないが、「ささめきこと」の主要メンバーと学校という舞台をどう活かすかというのは、脚本家はじめスタッフの腕の見せ所。行ったことの無い人間には馴染みの薄いヴェネチアを舞台にするよりも、我々にとってずっと身近な学校を、日常とはまるで異なる探検の舞台に変貌させるというのは、アイディアをひねり出すのが大変だろう。レバーやバッハの使い方など意外性があってとても面白かった。


極めて個人的な話だけれど、小さくて古いテレビデオで、VHS録画に頼っている自分としては、文字が小さくて読めないというのには難儀した。アップで映してくれたカットはいいんだけど、ロッカーから出てきたメモ(ドイツ人が云々と書いてあるやつ)は、文章が判読不能だった。大きい画面で見てた人はちゃんと読めたのだろうか。


「ARIA」でやっていたエピソードでは、お宝は美しい街の風景というオチだった。それに比べると、しょぼい賞状がゴールというのはなんともみすぼらしいが、そこに学校という特殊な空間の要素と、先輩から後輩へ受け継がれる心の存在が際立たされることで、ぐっと印象的なエピソードに仕上がっている。隠し場所がだんだん増えていくという仕掛けもすごく好きだ。学校という場所が好きだった人にとっては、大変感動的な話だったのではないかと思う。


神回と褒め称えるには地味すぎるが、しかしとても印象に残る良質の単発エピソードで、良く出来た短編小説を読んだような、幸せな気分にさせられる回だった。




週、純夏はどうやら田舎へ行くらしい。風間と離れ離れになることでのシリアス展開になるのか、それとももっと明るいエピソードになるのか、現段階ではちょっと予測がつかない。Cパートは、あの描写だけではどっちとも取れる、意味深なものだったのが、期待感や不安感を煽るいい効果を発揮していた。次回予告は噴いたけどw


んで、次回は最終回だよね?なんか全然、そんな雰囲気じゃないなぁ。


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