君に届け 第13話「恋」

そういえば、前回すげぇイイトコで中断してたんだよねぇ。この一連のエピソードは、連続視聴したかった。


・間の取り方が上手すぎる


龍のことを好きなのかと尋ねた風早に対し、爽子が最初の一言を発するまでの、最高度に高まった緊張感がもうたまらない。確かに経過してゆく時間が感覚としては完全にストップしているような。渦巻く思考、体の震え、必死に紡いでゆく言葉。清々しい空気に満たされたシーンであるにも関わらず、嵐のような感情の奔流が、画面の中から濁流となってあふれ出る。


たった一言の言葉を発する時でも、爽子はその中に万感の想いを込める。それは、コミュニケーションがとにかく下手な彼女の欠点であり、かつてはそれが仇となって友の誤解を招いた。しかしだからこそ、彼女にとって言葉は、わずか一言、ほんのひと声であろうとも、それが自分だけで完結しない、他者と結ばれた世界に自分の居場所を確保するための唯一のツールであるために、とてつもなく貴重で高価な宝石なのだ。その宝石のような言葉を、慎重に探して拾い上げ、丁寧に息を吹きかけ磨きあげて、おずおずと披露する。爽子にとって、言葉を発するというのはそういう行為だ。


風早と対面したときのシーンには、そんな爽子の精いっぱいの姿が描かれていた。見かけ上の表情や仕草、あるいは独白で紡がれる思考の端々ではとても表現し切れないような、たくさんの想いが詰まったシーンだったと思う。必要以上に長くおかれた”間”が、そんな爽子の想いを代弁していて、圧巻だった。音と音の間、言葉と言葉の間にこそ、心が詰まっている。


下世話なたとえ話でゲンナリされるかもしれないけれど、クイズ・ミリオネアにおけるみのもんたの不敵な沈黙と、まさに通ずる演出法だろう。




・くるみちゃん轟沈の図。そして今後のこと


恋愛ドラマ的にどうしようもなく盛り上がっちゃってる主役二人が描かれた一方で、踏んだり蹴ったりと散々な目に合った今回のくるみちゃん。風早に対する強い想いがしっかり伝わってくる分、見ててひどく心苦しいものがある。屈辱で沈んでいたトコへどうでもいい男にフラれ、さらに本命からあらぬ誤解をかけられるとか、「もうライフは0なのよっ!」などと叫びたくなってしまうw しかも、くるみちゃんとタメを張るくらい策士な矢野の攻勢が、さらにくるみちゃんを追い詰めていく様はすさまじかった。


戦術的には、やのちんはくるみちゃんほど鮮やかな手を打っているわけではなく、策略の立て方はくるみちゃんのほうが一枚も二枚もうわ手な印象。時間が無い中での付け焼刃の戦術だったとはいえ、あのくるみちゃんと対峙しようというのに、今回の矢野の理論武装はちと甘い。2対1という戦力差に加え、反撃ののろしに勢いづく矢野&吉田コンビに対し傷心のくるみちゃんの士気が弱かったのが、矢野にとっては幸運だったと言うべきだろう。


幸運は重なるもので、さらに絶好のタイミングで爽子が登場したところで、今回は幕引き。次回はいよいよ、くるみちゃんが白旗を揚げることになるのだろうか、と思わせる引き方だ。


ただ、そこは常識では測れない爽子のこと。矢野の腹では、ここで爽子がくるみちゃんを詰る言葉を一言でも放てば、それで試合は決すると考えているのかもしれないが、爽子が素直にそんなことをするはずがない。きっと4人まとめて友達になろうとか、風早を好きだという共通点を喜んで一緒に頑張ろうとか、そんなふざけたことを言い始めるに決まっている。いや、分かんないけどさw だけどソコで、くるみちゃんがどんな態度を取るのか。そこが、この一連のエピソードの肝になると思う。


爽子と風早の物語、という観点から言えば、噛ませ犬のくるみちゃんが無駄に爽子の無自覚な恋愛感情を焚きつけ、また越えるべき障害としていい感じに二人の仲を加速させたところで、彼女はすでにその役割を全うしてしまっている。彼女の存在意義はすでに無くなっているのだ。だが、同時に胡桃沢梅という一人の恋する少女を主役にした物語でもあるのが、このエピソードだ。小手先の器用さでなんでも思い通りにこなしてきた彼女が、ついに味わうことになった大きな挫折。それを通じて、このキャラがどのような成長を見せることになるのか、これを大いに期待したいと思う。




なんだか知らないけど、いつのまにかくるみちゃんのことをすごく好きになって、応援したいと思っている自分がいる。なんなんだろうね。この作品を作った人は魔法使いだと思う。


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