とある科学の超電磁砲 第23話「いま、あなたの目には何が見えてますか?」

佐天さんかっこよすぎだって。。。


今回は細田直人コンテ回。といっても、いつも通りのレールガンクオリティ(褒め言葉)で、さすがに色はあまり出ていなかった印象。演出が違う人なのと、原画に入っていなかったからかね。もちろん、テレスティーナの妖怪みたいな表情とか、戦闘シーンでのローアングルのカメラワークを効果的に用いた描写など、ここぞという場面での迫真の描写は強く印象に残る。




・全部がつながった


今回は、レベルアッパー編以降、丁寧に丁寧に描かれてきた各話のテーマ性が、すべて一点に収束してゆく展開がじつに見事だった。なんだかやる意味があるのかどうか分からない中だるみ展開がどうこうと言われてきた(当ブログも言ってきた)サブキャラ回が、少なくともテーマ性に関しては、必要不可欠のものであったというのが証明された回だったと思う。


とくに佐天さんはいい活躍だったなぁ。御坂美琴とか、アンチスキルの先生だとか、社会的地位から言っても力関係から言っても、明らかに目上の人物として扱われてきた人たちだ。そんな美琴たちに向かって、恐れもせずに堂々と、むしろ頭ごなしに叱りつけた無能力者・佐天涙子の存在は、表面的なデータではとても測れない人間の尊厳を理屈抜きに提示して見せた、素晴らしい立ち回りだった。


能力や成績が明確にランク付けされている社会だからこそ、本当に大切なものはそこには無いのだというメッセージが、強い説得力を持つことになったのではないだろうか。今作の重要なテーマのひとつをこれ以上ないカタチで表現して見せたことに、心の中でスタンディングオベーションが鳴り響いていた。




・頬をひっぱたく演出について


以前、「聖剣の刀鍛冶」のときにも書いた記憶があるのだけど、自分は、相手の考えを正したり活を入れたりするために、頬をひっぱたくという描写が、大嫌いだったりする。


なんでかと言うと、たいてい安っぽい芝居に見えてしまうからだ。よく昼ドラとかで多用されてる演出だし、実際に自分が叩かれるのと違って、画面の中の(それも絵にすぎない)人物の痛みは、ダイレクトな共感を生みにくい。よって、作劇上、その平手打ちに万感の想いがこもっているはずなのだが、それが伝わってきづらいのだ。


しかもたいていの場合、いまにも平手打ちをやりますよって空気が画面からぷんぷん伝わってくるので、そこで予想通り平手打ちをかましても、あまり感動が起こらない。むしろ、やっぱりやっちゃったーって、すごく残念な気分になるのですよね。よほど不意を突かれれば別だが、さも「いいこと言いますよ」という場面でお決まりのように平手打ちを決められても、逆に気持ちが萎えてしまうわけです。自分だけかな?w


ただその観点から見ても、今回の黒子ビンタは、大きな効果があったと思う。まずタイミングが、セリフ的にはいかにも平手打ちをやりそうな展開なのだけど、こっちが身構える前にバチーンと行ったものだから、不意打ちっぽいタイミングになって観客に大きなショックを与えることに成功していた。また、映像上いかにも”痛そう”に描かれているのも大きい。ただ張り手をするだけでなく、打たれた初春の顔が揺れ、いい音がなっていた(笑)ので、肉体的にかなり痛そうに見え、それがそのまま精神的な痛みにも直結していた。悪くないビンタだったと思うw


とくに注目したいのは、平手打ちの後の描写だ。黒子は手を痛そうにさすっているし、初春は奮起しながらも、まだ涙と、頬の腫れや痛みを引きずっていて、彼女は内面外面ともにじんじん痛んでいるはずなのに、それを懸命にこらえているというのを、すごく巧く描けていた。この描写があったから、その直前の平手打ち演出も生きたし、初春たちの内面にぐっと踏み込んで感動を覚えることになった。正直、やられたなぁと思う。


こうやって、巧く、効果的に活用してくれれば、平手打ち演出もいいものだ。そう言えばファーストガンダムで、ブライトがアムロを殴るあのあまりにも有名なシーンも、じつに痛そうでインパクトがあった。一方でカミーユの「修正してやる!」はさっぱり共感できなかったけどw


分かりますかねぇ、この違い。ようは、展開上の必然性と、描き方、そしてそこで語られている想いの表現力で、大きく変わるということです。巧くやれば効果的なんだけど、巧くやる自信が無いなら絶対にやらないほうがいい。そんな風に思っている。今回のレールガンは、やってくれてとても良かった平手打ちだと、思いました。




・いよいよラスボス戦。テレスティーナの能力とは?


やっと本性を見せたと思ったら、あまりの豹変っぷりにびっくりだったテレスティーナ。彼女の野望を阻止するべく挑む美琴たちの最後の戦いを、次回たっぷり堪能させていただこう。


ところで今回明らかになったテレスティーナの秘密。例の木原幻生の孫娘であり、能力結晶体の最初の被験者だということだったが、ということはすなわち、彼女も能力を使えるということなのだろう。そして能力結晶体はレベル6を生み出すためのツールであるから、不完全とはいえ、もう少しでレベル6に辿りつけるくらいのチカラを、持っているに違いない。


問題は、テレスティーナが能力結晶体を完成させて、何がしたいのか、ということだ。単純に推測できることと言えば、周囲に認められないまま結局未完成で終わってしまっていた祖父の研究を全うすることで、祖父の名誉を回復し、木原の名を歴史に刻みたいと、いうことだろうか。それとも、何か別の目的で動いているのか?


どちらにせよ、科学を発展させ、より高い能力を追求することに、一体どんな意義と価値があるのか。人類の文明が抱えるこの宿命的な問題を、鋭くえぐり出すメッセージ性を、期待したいところだ。


そしてその果てに、御坂美琴とその親友たちが見出すものとは一体何なのか。その総決算を心から楽しみにしたい。


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それでは、今回は以上です。



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この記事へのコメント

2010年03月13日 13:35
こんにちは^^ 先日はコメントありがとうございました。

今回は佐天が思った以上に活躍してくれましたよ。特にラスト、周りの見えていない美琴に渇を入れるシーンは良かった。あ、活躍したといえば婚后光子もいたなぁw

>>頬をひっぱたく演出について
不意打ちだっただけに、見ている側にもそのショックが伝わったんじゃないでしょうかね。私も同じくショックを受けましたw

>>いよいよラスボス戦。テレスティーナの能力とは?
見事に豹変しましたね。能力も気になるけど、能力結晶体を完成させた後の目的が気になる。
おパゲーヌス
2010年03月13日 14:48
>YUMAさん
コメントどうもありがとうございます。

婚后さんは、せっかくの見せ場があったのにカットされてしまいましたね^^ 次回まともな活躍の機会はあるのでしょうか。。。

それからレベル6を目指す目的ですね。結晶体を完成させることにどんな意味があるのか、がっつり取り組んで描いて欲しいですね。
JFK
2010年03月19日 20:48
婚后さんの活躍は最終回でも是非はしょられる羽目であってほしい。そう言う人ですよ、あのお方は。描かれないけれど重要な立ち回りをしているキャラクターというのは、実にオイシイ立ち位置ではないかと思うのです。

レベル6を目指す目的ですが、基本的には禁書目録で語られていますし、木原ジジイの演説で、彼らマッドサイエンティストがこの方法でレベル6に到達できると信じていることは語られました。 動機、目的、到達点はすでに物語すべてで語られていますよ(断片がちりばめられすぎですが)

だからこそテレスティーナをわかりやすい悪役に仕立てる必要があったのかもしれませんね・・・自分でも、そのあたりの構成要素をもう一度洗い直して「本当に、この流れでよかったのかどうか」を考えてみたいと思います
おパゲーヌス
2010年03月19日 22:25
>JFKさん
コメントどうもありがとうございます。

婚后さんはやはりそういうネタキャラ的扱いになってしまうのでしょうかね。いいキャラだと思うのでもったいないです(オイシイという見方は、ちょっとできません^^)

レベル6を目指す目的が禁書で語られてたということですが、あまり記憶になかったりします。アニメ版はあまり楽しめずに視聴していたので記憶が曖昧。また、原作はまったく読んでおりません。

動機、目的、到達点はすでに物語すべてで語られている、とのことですが、それが禁書で描かれたに過ぎないのなら、新顧客も取り込むべくして作られているであろうレールガンにおいても、もう一度改めて取り組むべきだろうとは思いますね。できれば最終話で軽くでいいから触れてもらえると、非常にありがたいかな。今作は、漫画のほうはあくまで外伝という位置づけなのかもしれませんが、アニメで2クールがっつりと取り組んでいる分、単体でも楽しめるよう構成されているはずだと思うので。

それにやはり、科学者一般ではなくテレスティーナ個人として、祖父の意志を受け継ぐ理由のようなものに、注目しておきたいところです。

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