オオカミさんと七人の仲間たち 第6話「おおかみさんと赤ずきんちゃん、ついでに亮士くん」

電話での人格変わりすぎに噴いたw




・今回のお話とシリアス配分について


今回は、「ちょっぴりシリアス」という宣言から入った回想中心のエピソード。前回は顔見せだけで終わった羊飼に関連して、大神さんと林檎ちゃんの馴れ初めと、ついでに亮士のストーカー行為にスポットを当てる。


このストーリー展開は堅実だなぁと思った。たくさんの個性的なキャラを配しての賑やかな喜劇を売りにしてる作品ではあるけれど、生真面目に人間ドラマに取り組んでいて、真っ当な物語性を追求している。羊飼というキャラクターを相手に、ジェンダー論にも踏み込んだ大神涼子の成長ドラマを見せるというやり方が、果たしてどれだけのエンターテイメント性を提供してくれるかは分からない。やり方としてはもっとコメディ色を強くして軽いノリに仕立て上げるという選択肢もあったはずだが、あえて真面目路線のストーリー展開をとったスタッフの意図がどういう結果を生むか、注目しておこう。


少なくともラブコメを見たかった自分としては、第5話・第6話で早くもヒロインの抱える重たい過去に焦点が当てられ、あと半分も残っている話数をこのトラウマを意識しながら見なければならないと言うのは、決して歓迎すべき事態ではなかったのだが、他の視聴者はどうだったのだろうか。最終回付近で唐突にシリアス転調されると萎える、という意見はよく聞くが、「七人の仲間たち」の各キャラの掘り下げがまだ十分に行われていない段階で、目をそむけた買ったトラウマをすでにこうして意識させられるというのは、アリかナシか。物議をかもした新井里美のナレーションに関してもそうなのだけど、いまいち演出意図と受け手の反応が連動しきれていない点が見受けられるかなぁ。ちともったいない気がする。



・「オオカミさん」におけるジェンダー論と主人公の役割


男らしいとか女らしいとかいうことが、劇中でたびたび話題にのぼっている。どうも今作は、女の子は女の子らしく、男なら男らしくあるべきだ、みたいな論調で無邪気に進行させているが、一昔前だったらすごく反発を喰らっていたテーマ設定だったと思うw しかし今作のスタンスで全然へっちゃらになってしまった今の社会のあり方というのも、気になる。


本来であれば、男らしくとか女らしくとか、そんな定義付けなんてナンセンスなものだ。ただ以前盛り上がったジェンダー論議では、「女らしくあれ、という意見はちゃんちゃらオカシイ!」という論調だったのに対し、最近では男らしい男、女らしい女がむしろ希少種になりつつあって、再び ”○○らしさ” が復権しつつあるような印象がある。今作もその延長線上にあって、女らしくない大神さんの、隠された女の子らしさを愛でたり、あるいは男らしくない亮士くんが男らしく成長することを求められるドラマである。


日本でここ10年ほどの間に作られたアニメ等の作品において、とくに男性主人公に無気力な奴がとても多い。主要キャラの類型に一枚目(熱血漢)、二枚目(ニヒル)、三枚目(お調子者)というのがあるが、そのどれにも属さない、平凡で安定した楽な生き方を心から望んでいる無気力な男どもが、アニメや漫画やラノベには溢れかえっている。こんな事態はこれから未来の日本を背負って立つ若者たちには悪影響を及ぼすことが必至であるので、もっと能動的な生き方を志向するキャラクターを、せめて創作物の中でくらいは見せて欲しいと思う。


その点、ヘタレの亮士くんが「男らしくありたい」と決意して勇気を振り絞る今作のスタンスは大変好感が持てるのだ。彼の特殊技能(遠距離攻撃のエキスパート)はまぁ主人公的な処遇の設定なのだが、今作はアクションシーンにおいても恋愛描写においても、決して亮士くんが ”主人公だから”という理由で優遇されてはいない。彼はむしろ自分の障害の大きさに打ちひしがれ怯むのだが、それを根性出して乗り越えて見せるところに、今作のドラマが提示するもっとも重要なカタルシスがある。彼の言動が、見る者にどれほど大きな勇気を分け与えてくれるか、そこに今作のドラマの価値があるのだと思う。


壁に立ち向かうのは、怖いことだし、苦しいことだ。しかしそれを乗り越えたところに得るモノがあるのはもちろんだが、そもそも壁に立ち向かうというその行為自体が、生きるという行為の意味である。それを体現してみせる亮士くんが我々に投げかけるメッセージをよくよく噛みしめながら、次週以降のドラマを楽しもうではないか。





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それでは、今回は以上です。


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