学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 第9話

これぞ終末世界の倫理(モラル)。楽しいなぁ^^




・毒島冴子の悦楽


ほんの数話前に、小室孝が身の危険を顧みず少女を助けに動いた点をもって、麗は心底嬉しそうに、自分たちがまだ人間でいられることの悦びを口にしていた。しかし今回、同じ小室孝によって、毒島冴子がその非人間的な暴力性を容認されただけでなく、むしろ積極的に解放するよう勧められた。主人公チームの中では最も戦闘力(=生き延びるチカラ)が高そうで、だからこそ最も堅固に自分自身を保っていられるであろうと思われた彼女が、こんな鬼を心の中に飼っていたというのが、人間の心底面白いところだ。


いやむしろ、毒島先輩は自分の残虐性をよく自覚していたからこそ、対外的に見せる人間的な顔をあくまで仮面に過ぎないと理解し、それを客観的視点から操作することができていたのだろう。その仮面がふとしたきっかけで外れかけた時、仮面の内に潜む悪鬼の本性を孝に受け入れてもらえたのは、彼女の生き方において大きな転機となったに違いない。ちょっと冷静に考えれば、あの美人の毒島先輩に二人きりの状況であんな風に言われたら、小室孝でなくても受け入れてくれそうな気はするが、早朝の境内での孝の告白がとびきりカッコよかったのに救われたなぁ。


心の枷を外された毒島先輩の楽しそうな表情は、戦う相手が死人じゃなかったらそれはそれは怖ろしく映ったことだろう。こうした残虐で横暴な心理状態を、全力で肯定しかっこよく描いて見せる今作のスタンスは、まったくもって非人間的であると言うしかない。だがこれもまた人間のひとつのあり方であって、人間の本質とはいったい何だろうかと、強く視聴者に問いかける姿勢が、今回のエピソードには凝縮されていた。




・孝の決断はどう響く?


なんだかなし崩し的に毒島冴子ルートを選択してしまった今回の小室孝。全然フェアじゃないのは恋愛の常だからいいとしても、麗のことはどうするんだろう、という単純な疑問に加えて、果たして彼が毒島先輩の負の人間性をすべて受け止めきれるのか、そういった点も非常に気になって来る。


うーん・・・。気になって来るんだけど、なんだか普通に三角関係を描くだけで尺を使いきってしまいそうだなぁw もし余裕があれば、仮面を脱ぎ捨てた毒島先輩をぜったい彼は持てあますと思うので、このカップルの悲劇と破局(もしくはそれを乗り越えた末の真ルート突入)なんかをぜひ描いて欲しいのだけれど、無理だろうねぇ。この調子でドラマが進むと、絶望の中で問われる人間性の本質や生命そのものの本質、なんてテーマ設定は到底期待できそうにないので、そろそろ見方を改めようかと思ってきている。


ただやっぱり、せっかくこんなに面白い作品なのに、パニックホラーと冒険活劇に終始してしまうというのは非常にもったいないと思う。ところどころ、人間の心に潜む闇をえぐり出そうという試みは散見されはするものの、それは主軸ではなく単にドラマのスパイスとして活用されているだけで、オマケに今回は毒島先輩の興味深い葛藤をあっさり放棄させることに成功してしまっているわけで、そんで次回は下手したらラブコメをやるわけでしょう?w いや、そういうエンターテイメントな作劇も面白いから別に構いはしないのだけれどね。


それでも、もし最終回で主人公6人が全員無残な死に方をするバッドエンドだったら、きっと全力で褒め讃えると思うけどw そういう意味では、次回以降どんな方向に話を転がしてくれるか、よく注目しておきたい。



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それでは、今回は以上です。


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