アマガミSS 中多紗江編 最終章「コイビト」

色んな意味で、このエピソードは傑作過ぎ。素晴らしかった!




・中多紗江編、完結!


いやぁー、やられた。見事だった。一本取られたと思った瞬間に、次の一本を取られていたような感覚。脳内から溢れる大量の快感ホルモンのために、すっかり中毒になってしまいそうだ。文章ではもどかしい、映像を前にしながら声を大にして語り明かしたいと、心の底から熱望させられる。こんな感覚、滅多にあるものではない。


とにかく、ドキドキ感と、笑いと、切なさと、そして幸福の甘ったるい香りに満ち満ちたひと時だった。前回の記事で書いたとおり、中多紗江のエピソードはまさに「アマガミSS」という作品の真骨頂と言えるキャラクター描写&ストーリー展開を行っていて、その延長として、この最終章において最高度に官能的な魅力を獲得した。中多紗江というキャラクターが醸し出す強い魔力の中に完全に取り込まれてしまったし、そう仕向けるための巧妙な罠としてこの全4話が完璧に機能していたと思う。


特筆すべきなのは、このエピソードはろくに山も谷もなく、障害らしい障害を意識させないまま順風満帆に恋愛成就へと突き進んで行ったことだ。これは本来であればドラマとしての出来を問題視されてもおかしくないと思うのだけど、全4話という小気味よい尺の長さに加えて、セリフと映像と音響が連動して絶え間ない快楽の洪水をテレビ画面から発信し続けることで、作劇の妙など用いずとも十二分に視聴者を魅了することに成功してしまった稀有の例ではないだろうか。


似たようなことは、例えば「乃木坂春香の秘密」でも行われていたと思う(※原作は未読なのでアニメだけしか知りません)。主人公とヒロインが最初からブレることなくベタベタで、好きになる過程を描くのではなく、すでに両想いである男女の、恋人としての生々しささえ介入しない未成熟で幸福な時間を、延々と繰り広げる作品。けれどこの作品だって、主人公とヒロインの仲を引き裂こうとする様々な要素が盛り込まれて、一定のハラハラ感を演出してドラマを転がしている。一方で「アマガミSS」中多紗江編は、どんなにちょっとしたものであっても、恋の成就を妨げそうな要素は排除され、徹底的に順調な恋愛軌道を甘く微笑ましく描くのみである。こんな恋愛ドラマは相当珍しいのではないだろうか。全12話でやっても面白そうだとは思うが、商業的には4話完結という制約があるからこそ、その制約を逆手に取って実現できた手法であろう。


そしてそこで描かれるのは、何度も言うように、男女の関係性の発展ではなく、あくまでヒロインの魅力の一点だけだ。他の要素はすべてオマケというか、ヒロインの魅力を引きたてるための触媒だ。起伏の無いドラマで成功できたのは、まさにこうして、ヒロインの魅力で視聴者を”キュン死”せしめんというたった一つの目的だけを見据えて突き進んだ、コンセプトの勝利であると言えるのではないだろうか。




・萌えシチュのオンパレード


今回の話。もうとにかく、シチュエーション描写に全力を傾けたラブロマンス&コメディということで、1カットごとに奇声を上げたくなる30分間だったw


アバンからもうしっかりと、「デート」という単語を出してすっかり雰囲気を出しちゃってるバカップルが描かれたが、いちいち秀逸なナレーションのおかげで、砂を吐きたくなるシチュもあくまで外側からの視点でニヤニヤしながら楽しむことが出来た。


ケーキ喫茶での一幕。何気に紗江ちゃんの私服がすんばらしく可愛かったのに加えて、笑いをこらえ切れない回想シーン、「そりゃ都市伝説にもなるわ!」とツッコミを入れたくなるバカみたいな大きさのスペシャルバナナカフェ、それをきりっとした表情で食べる意外とハンサムな純一の表情に注目だ。とくに純一の表情は、ちょうど紗江ちゃんの目線から映しこんだカットであり、何事にも真剣になって取り組んでくれる純一の頼もしさがよく伝わって来る。


きっと今回のメインイベントになるだろうと期待していたベストカップルコンテスト。しかしこれも、前回のバイト面接と同じくらいの軽さで消化してしまったのには、見ている時は驚かされた。出番が回って来た時に純一が手を差し伸べて「僕が付いてるよ」と言ったシーンにはぐっときたけれど。しかしあの衣裳、紗江が自分で縫ったものだなんて、どれだけ彼女はこのイベントに気合いを入れて臨んだのか。響とはるかが出てきたときは、3年生カップルのあまりのカッコよさと麗しさに目が奪われ、コンテストの結末も当然その結果は予想できたワケだが(笑)、紗江たちが堂々の2位で、しかも副賞が何気にリッチだったので、作劇の違和感はまったく無かった。2位で残念、ではなく、2位を誇らしいことだと視聴者にも納得させるだけの演出だった。またその後の展開から振り返れば、すべてが計算の内に進んで行った様がよく分かって見事だった。こういうあたり、映像のチカラ(=1位の人たちの魅力を納得いくよう提示するための工夫)は大きい。お姫様だっこは反則w




今回のクライマックスは映画館だった。トイレでの謎の外人の登場と、その男のあまりの渋さ・カッコよさが、思わずのけぞりそうになるくらいウケたのだけど、その直後に紗江のセクシーな衣裳を不意打ちで見せるとか、レベル高すぎて死んだ。なんという計算づくの罠、何という破壊力!


紗江編のエピソード全般に言えることだが、萌えとエロスとどぎまぎ感が”笑い”の要素と同居しているのが、ずるいくらいに強力すぎる。笑わせた直後に心臓が止まりそうな萌えを投入し、息を殺して女の子の魅力に浸っている真っ最中にギャグをブチ込んで大笑いさせる。この計算されたアンバランスさが視聴者の不意を打ち、それによって、劇中の空気感やシチュエーションの効果が、ぐぐぐっと胸の奥深くに入り込んでくるという仕掛けだ。これでは防ぎようが無い。


正視に堪えないくらい緊迫したシーンに「キュン死」の解説を挿入したり、せっかくクリスマスツリーの前でいい感じに恋人っぽくなったところで「奥手で臆病でチキンであった少年は・・・」などと無駄に同じ意味の形容詞を3つも連ねて純一を馬鹿にするナレーションが入ったり、晴れて恋人になった直後に妹を交えてふざけたビデオ撮影していたり(映画館で、純一のことをちょっとかっちょいいと思ったおれの感動を返せ!)、もうほんとうに、つくづく振りまわされて、振りまわされっぱなしだった。番組が終わった後も、いつまでもいつまでも快感の余韻が続いているようだ。こんな怒涛の快楽を提供し続けてくれた中多紗江のエピソードがここで終わってしまうのが、なんとも惜しまれる。




とはいえ次回からは、正統派ツンデレヒロインをメインに据えて、M気質の日本男児にはたまらないエピソードになりそうだ。「アマガミSS」第4弾、七咲逢の紡ぐ水色の恋模様を、心から楽しみにしたい。ヒロイン描写、シチュエーション描写に加えて、シリーズ構成上の戦略にも要注目だ。




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

頭髪の薄い20代後半
2010年09月17日 09:45
 徹底してヒロインの魅力を重視した内容だったと思います。その分主人公が比較的まともで変態分が薄味だった感は否めませんでしたが、来週から相当変態分が酷くて株が下がりそうなので楽しみにしています。
おパゲーヌス
2010年09月17日 18:32
>頭髪の薄い20代後半さん
変態分、薄味でしたか? まぁ、膝裏舐めやヘソ舐めに匹敵するだけの性的倒錯はなかったかもしれません。その分、別の意味で”非まとも”なキャラになっていたと思いますね。紗江と純一が二人して馬鹿になっていたのを、ツッコミを入れながらも微笑ましく眺めることができました。

>来週から相当変態分が酷くて株が下がりそう
ほうほう、そうなのですか。それは大いに期待ですね。ヒロインも人気キャラと聞いているので、楽しみです。

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