オオカミさんと七人の仲間たち 第12話(最終回)「おおかみさんとマッチ売りじゃないけど不幸な少女」

今期の最終回第一号。・・・「けいおん!!」はまだ番外編あるからノーカンね^^ 批判的な内容ですので、TBは返信のみとさせていただきます。批判といっても、いつも通りのありきたりなことしか書いていませんが。




・最終話感想


今回は、今作のメインエピソードであるらしい羊飼とのごたごたとは無縁のところで、一話完結の、そして主人公とヒロインの関係性に一歩深く踏み込んだ物語を展開。手堅い最終回だったと言えるし、それも壮絶な戦いの決着を描くエピソードではなく、そのあとのちょっとした日常風景で締めるというのが、キャラクター押しの作品らしい終わらせ方で大いに納得。


最初から男がヒロインにべた惚れしていて、ヒロインのほうがじわじわと恋に落ちて行くという、少女漫画的な構図で展開されるこの作品。最後の最期まで、「いかに亮士をかっこよく描くか」に焦点を当てていたように思う。それも今回はゲストキャラであるマチ子さんに関しても、打算目的から本当の恋へと切り替わる様が描かれたことで、その心情変化をそのままヒロインに重ね合わせ共感させる作劇手法であったのが、なかなか良かった。ただの対抗馬ではないマチ子さんの役割が、最終回というタイミングに良く合致していたのではないかな。


それにしても最後まで、レギュラー格のサブキャラの扱いが寂しい印象は否めなかったかなぁ。魔女さんメインのエピソードとかやって欲しかった。まぁ、無い物ねだりは止めて置こうw




・シリーズ全体を通しての感想


ここからはちょっと辛口になりますのでご注意を。


終わってみれば、お話的には第1話がもっとも秀逸だった。ごちゃごちゃとした賑やかなキャラクターの魅力を前面に押し出しつつ、それを程よくのん気でほのぼのとした雰囲気のなかに包み込み、さらに昔話を巧みにアレンジした凝ったストーリー展開で魅せる。今作の打ち出そうとしている魅力やコンセプトを、完璧に表現して見せたエピソードだと思った。だからこそ視聴継続を決定しただけでなく、こうして毎週感想を書いてきたわけなのだが・・・。


ファンの方には申し訳ないけれど、それ以降はほとんど見るべきトコロの無い作品だったと言わざるを得ない。今作がどれだけ原作を忠実に再現したものかは分からないが、もし極力原作通りに作られているのなら原作がつまらないのだと判断しなければならないし、原作を改変してコレならさらに救われない。いや、いずれにせよアニメ化の方法の問題だったろう。原作がどうであれ、いちどアニメ化を決定したのであれば、それをアニメファンが楽しめるカタチで提示するのがアニメスタッフの目指すべき目標でなければならず、今作はその目標に到達できていなかったと私は思う。


作品としての完成度は、決して低くは無かったと思う。まず全体的に作画は悪くなく、むしろ話数によっては非常に見応えのあるシーンを見せてくれることもあった。キャラクターはそれぞれ魅力的だし、とくに主人公がちゃんと好感の持てるカッコよさを獲得できていたのは大きい。


けれどそうした作品の本来持っている魅力が、ほとんど満足に発揮されないままだったのが、あまりにももったいなさすぎる。これはすべて、作劇の問題に尽きるだろう。




問題点はいろいろ指摘できる。まずせっかくお伽話からアイディアを借りてくるという面白い設定だったのに、そうして借りてきたネタはネーミングにしか反映されておらず、お伽話を巧みにパロディして見せたのが第1話のみであった。またキャラクター主体の作品であるにも関わらず、豊富なキャラクターをろくに活躍させ切れなかった点も痛い。


しかしサブキャラの出番を削ってじっくり取り組んだ主役のドラマも、せっかくの伏線を満足に活用することもせず、恐らく原作に忠実であろうとしたことによる未完結感を強く印象付ける幕引きになっていた。どうせそうするのなら、もっとキャラクター押しでやってくれて良かったのに。大神さんと羊飼のドラマは、とにかくシリアスで息の詰まりそうな陰鬱なものであるだけに、そのドラマに尺を割けば割くほど作品のエンターテイメント性が薄れて行くという構図に陥っていたわけで。




しかし最大の問題は、原作に気を使って手堅く仕上げようとしたスタッフの方針にこそあるのではないかと思う。原作が描く個々の場面が超絶面白いのなら話は別だが、今作のようにちゃんと完結しないと面白味が分からないようなドラマを、そもそもアニメで完結させる気も無いのにそのまま映像化しようとしたのは、怠慢と言われてもやむなし、と言いたい。


原作を改変したアニメーションは、とかく嫌われる傾向が強い。けれどそれは自分は大反対で、決められた尺の中で大きな制約の下に制作しなければならないアニメにおいては、原作の持っている魅力を、原作とはまったく異なるやり方であっても何とかしてそれを表現して見せる努力を求めたい。「迷い猫オーバーラン!」は大ブーイングを喰らったが、じゃあ原作に忠実に映像化したら果たして面白かったのかという疑問は大いにある。映像・脚本のクオリティさえ低くならなければ、あの企画はもっと評価されていいものであったと思うのだ。逆に「オオカミさん」は、クオリティは決して低くないのに、無難に仕上げようと言うスタッフの意図によって、原作の持つ未熟な部分を誇張して提示する結果に終わってしまった。


チャレンジ精神や向上心を伴わない作品は、どうあがいたって満足な出来になるはずがない。アニメに限らず創作物というものは、視聴者から100点満点と評されることに価値は無い。100点満点という評価は、素人である視聴者の想定内に完全に収まっている作品ということである。創作に携わる以上、受け手の想定を大きく上回る出来のものを提示しなければ意味はなく、それを目指してこそ生命のこもった作品が生み出されるのだ。


今作は、実際はどうか知らないが、すくなくとも画面から受ける印象では、あくまで100点を目指した作品に見えた。安全性を求めるあまり、その姿勢で良しと考えて作品作りにあたっていた印象だ。そしてそこに「視聴者を楽しませよう」という目的があったかと言う点が、はなはだ疑問に思える作品であった。


原作通りに作るにせよ、原作を改変するにせよ、それがどうして面白いと判断したのか、その戦略性が無ければ、それはもはや単なるやっつけ仕事と変わりは無い。もちろん視聴者としてはそんな作品は見たくないわけで、作り手にはあくまで「どうすればより面白いものが作れるか」という点において決して妥協しないでいて欲しい。100点の作品を目指すのではなく、視聴者の予想を大きく上回る面白さを提示して、200点300点を獲得できるモノを目指して欲しい。すべてのアニメ・漫画・小説・ゲームに求めたい姿勢である。





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それでは、以上となります。どうもありがとうございました。


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