あそびにいくヨ! 第12話「みつけきにました」

色々と粗は目立ったが、痛快な活劇として締めくくってくれたと思う。面白かった




・最終回感想


全編をほぼトンデモバトルで描き切った最終回。脚本上の意図を映像でどこまで補完できているか、また純粋にアニメーションの出来がどうだったか、そうした面で色々と言いたいことはあるけれど、初っ端からハチャメチャさが売りの作品のまとめとして、なかなか良いカタチで終わることができたと思う。原作が未完の中途半端な作品を、2期の有無に関わらずきちんと一個のアニメ作品として纏めあげる高山カツヒコの手腕が、上手く発揮された物語だったのではないだろうか。


せっかくのバトルごり押し回なのに、映像の方でもうひとつ盛り上げ切れなかった感は否めない。とくにAパートの戦車戦は、展開の熱さに比べて映像面でどうしても地味な印象を受けてしまった。ロケットを打ち上げる最高にカッコいいシーンへ向けて、前振り段階からもっと盛り上がるアニメーションを見たかったかな。あるいはBパートでも、騎央が戦うシーンは結局ほとんど描かず、もっぱらエリス・真奈美・アオイの3ヒロインの活躍を見せていたが、ここも、作劇の良さやデザインの派手さを、動かし方の稚拙さが殺してしまっている印象を受けた。一昔前なら、ここは納豆ミサイルとビーム砲を超絶作画とカメラワークで魅せるサーカスを演じてくれてもよさそうなものだが、この省力作画で良しとせざるを得なかったのが残念だなぁ。せめて「そらのおとしもの」最終回くらいの空中戦描写(あれも、決して満足できるものではなかったのだが)を見せて欲しかったところ。作監&原画マンの大量投入で最終回らしいテロップの分厚さに見えたけど、恐らく満を持しての西久保瑞穂コンテをそれでも活かしきれなかったのか。これがAIC PLUSの現段階での実力ということだと、この会社にアクションものを作らせるのは今後心配になってくるところ。


一方で、ドギーシュアの船が燃え尽きる描写や軌道エレベーターの立ち上がる姿など、CG作画が素晴らしい出来だったのが、今のアニメらしい。また主要人物を映す上で「ここぞ」というカットで、非常に魅力的な見せ方が出来ていたのが燃えた。3ヒロインのキスシーンはもとより、ジェンスが小型戦闘艇で乗り出してくる場面とか。



物語の方は、オマージュとして元ネタを指摘できそうな特徴的なシチュエーションをごちゃごちゃと詰め込んで非常に賑やかしく展開させながら、今作の作風に合った強引な展開で、ぐいぐいと視聴者を引っ張ってゆく。よく考えればツッコミどころはたくさんあるだろうが、そうした粗っぽさは、今作に限らず空想科学作品の定番であり、欠陥というよりはむしろ魅力と言っていい。あばたもえくぼ、というやつ。いつもは非常に合理的に描かれる戦闘シーンも、今回ばかりは両陣営ががっぷり四つに組みあう展開で、前回までにしっかり描写されている戦略をがむしゃらに遂行してみせる単純明快な描写に終始した。


問題はやはり恋愛ドラマのほうだろう。いままで散々悩み苦しむ様を描いておきながら、フラグが立ってるかどうかも怪しい天然宇宙人による愛人ハーレム宣言で、強引に取りまとめられてしまったw これはでも、実際こうするしか選択肢はなかっただろうな。恐らく原作では未解決の恋愛描写をアニメ独自の解釈で書いてしまうワケにはいかないし、そもそもマクロスばりのどっちつかずなもどかしい作劇を引っ張ることで保たれている作品なのだから、決着がついたようで全然ついてない今回のハーレム宣言は、こうするより他になかった。ただその中で、真奈美とアオイの痛々しいほどの心情描写をきちんと行い、一方シチュではなくキャラの魅力だけで押すエリスを、やっとヒロインらしい立ち位置に据えて見せて、今後のラブコメに期待をもたせ想像を膨らませる展開だった。


またそうした3ヒロインの描写が、対ジェンス戦で熱く燃えあがる闘志に連動されていたのが、さすがに巧い。彼女たちなりの戦う意志を、ベタなカタチではあるがちゃんと描き切って見せた。


また今作の面白いところは、結局ドラマの主人公は騎央ではなく、真奈美やアオイ、そしてエリスであったという点だ。戦闘のクライマックスにあたる場面で、3ヒロインの活躍ばかりに注目させて騎央の戦闘シーンはごっそりカットし、また落下するコロニーの軌道を変更する絶望的な作戦もあくまで3ヒロインのドラマとして描いていた。結局この物語は、3人の女の子に慕われる騎央が男らしく成長する物語ではなく、一人の”守られるべき”王子様の心を掴もうと、3人の騎士が奮闘し成長しながら友情を育んで行く物語だった。それはシリーズ中からそういう構図だったのだが、最終回だからといって安易に騎央にいいカッコさせるではなく、最後の最後まで3人の戦う女の子の物語として描き切った点は、大いに納得のいくものだった。




クリスマスに何故か雪が降るというのはアニメでは定番の嘘演出だが、それを沖縄で、ちゃんとそれらしい理屈を付けて描いちゃったのは感服した。東京で無意味にホワイトクリスマスを見せられても興が醒めるだけだが、このシチュエーションでのホワイトクリスマスは、なんだか異様にインパクトがあったなぁ。


騎央のネコミミはどうするのか、軌道エレベーターなんて何に使うのか、敗北したジェンスがどうなったのか等々、まだまだ気になる点は残っているから、これを2期を見越しての伏線に用いることもできそうだ。だが基本的には、全12話のなかでそれなりにうまくまとめた完結している物語として、中途半端さにもにょることなく、清々しい読後感を与えてくれる最終回だったと思う。




・シリーズ感想


なんか調子に乗って↑でもうたくさん書きすぎたから、ここで書くことがなくなってしまったw


とりあえず、繰り返しになるが、作画のクオリティは低かったけれど物語・脚本面では大いに楽しめる、見どころのある作品だったと思う。またその筋のファンをニヤつかせる種々のネタをたくさん投入していた点にも、SFというジャンルをはじめとする先人の遺産に対して、今作の作り手が敬意を表しているというのが表れていて好感が持てた。それでいてヒロインたちは魅力的だしなかなか熱血なストーリーを見せてくれるし、いい感じに謎や含みを持たせてある点も興味をそそられる作品。ごった煮感がすごいが、一方でよく計算された狡猾さも持ち合わせているような不思議な魅力を感じた。


それからこれは自分の趣味の話で、しかも過去の感想記事でことあるごとに書いてきたことなのだが、今作は戦争と言っていいレベルの物騒な戦闘行為を多く扱っている作品だが、それぞれの戦闘における戦略・戦術の描写がいちいち巧みで唸らされたのが、非常に大きなポイントだった。やはりそこには今作特有の無茶苦茶な強引さが見え隠れしているのだが、ただ暴力を振るうだけでは無い、知恵を振り絞り運に左右されながら一瞬一瞬の選択を描いて行く、非常に見応えのある躍動感あふれる戦闘シーンを描いてくれていた。


そしてまず間違いなく、この戦闘シーンの躍動感は原作・脚本といった文芸レベルでの成果である。作画も回によっては頑張っていたけれど、映像演出以前の問題として、文章の上で戦闘アクションをどう描いて行くか。両陣営がそれぞれどのような状況に置かれていて、どのような長所や欠点あるいは制約があり、どういった目的のためにどのような作戦を立案するか。それを、一定レベル以上の合理性のもとに構築出来ていたのが見事だった。ただ萌えと銃撃戦を描くだけでは無く、戦術のつばぜり合いによって生じる「勝負の面白さ」を追求してくれていたのは、これは絶賛したい要素だ。


最近のアニメでは、もっと真っ向から戦争を扱っていながら、戦略も戦術も戦場の空気感も、まるで描けていない(描こうとさえしていない)作品をいくつも目にする。そうした中で、これだけ説得力のある戦闘シーンを見せてくれたと言うだけでも、この作品は私にとって価値のあるものであった。


ストーリーやシチュエーションの面白さ、キャラや世界観の魅力、快感要素をいくつも合体させる複合建築(コンプレックス)的な作品構成。そうした要素がそれぞれ大いに魅力的であったのも間違いないが、それに加えて多くのマニアックな魅力をも追及していた攻めの姿勢が、完成度としては疑問があるにも関わらず、心底面白い、輝きのある作品として成立せしめていたと思う。今期もっとも好きだった作品のひとつであり、ずっと記憶にとどめておきたい作品だった。



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それでは、これにて以上となります。どうもありがとうございました。


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