<先行放送版>百花繚乱 サムライガールズ 第1話「はじめての忠」

怪作の予感!! み な ぎ っ て き た w




・まずは大金星のスタート


いや、ひっじょーに面白かった! ここまで快感に浸れる作品はなんだか久しぶりだ。素晴らしかった!


作品のそもそもの方向性としては、なんだかいろいろとレッテルを貼りたくなる、パッチワークみたいな立ち位置に見えた。アバンの見事な空中戦はまさにストパン風だし、露出度の高い美女が暴れまわるのは「クイーンズブレイド」を強く連想させる。一方で長身の男(それもいまいちはっきりしないタイプの)が色とりどりの女の子たちからモテまくる懐古調のバトルアニメということで、ちょっと古いけど「らいむいろ戦奇譚」なんて作品を思い出したりもした。歴史上の人物の名前を採用していたのはあれか、「一騎当千」?(←じつは見たことが無い)


まぁそんな感じで、直近の様々な人気作品から発想や設定を借りてきて繋ぎ合わせた、悪く言えば安直にイイとこ取りをしたような作品なのかと思って見ていた。むろん借りものの発想が悪いと言うわけではないが(そもそも連想させた作品の発想がオリジナルかどうかもアヤシイわけで)、作品のそもそものスタートラインが安直で脆い土台に立っているのではないかという、不安や危惧をどうしても感じてしまう。


ところが、少なくともこの第1話に関して言えば、そんな土台の脆さなどすべて吹き飛ばすくらいの豪快さで、早くも作品としての強烈な個性を獲得してしまった。原作をまったく知らないのでストーリー展開についてはあまり滅多なことは言えないけれども、しかしアニメーションとしての手法がとにかく大胆で、後述するようにことさら虚構的・演劇的な画面世界を演出していたのが個人的な好みに完璧に符合したということも手伝って、TVの中で繰り広げられるアニメーションが快楽の洪水となって脳みそへダイレクトになだれ込んでくるような、痺れるほどの面白さがあった。


もうこの第1話の出来映えだけで、シリーズ全体の勝利を確信させてしまうようなロケットスタート。この後どんなにフザけた展開になったとしても、全力で楽しめる自信さえ湧いてきてしまう。こんな興奮のるつぼに叩きこまれたのはいつ以来だろう? いや、そんなの割としょっちゅう感じているはずなのだけど(笑)、それを久しぶりの感動だと錯覚させてしまうほどに心躍る作品だった!




・作品舞台の虚構性の強調


冒頭から、とにかく強い印象に残る墨汁。血のように噴き出し、斬撃の余韻を追い、カメラにこびり付くこの墨汁演出が、今作のアニメーションの手法をすべて象徴しているかのようだ。


その手法とはすなわち、虚構性の強調である。これは新房昭之とシャフトがその作品における演出法として確立しているもので、視聴者にことあるごとに画面(=第四の壁)を意識させることで、徹底して画面中の舞台を非現実化・異常化させる(=異化する)ことを目論む演出だ。(以前私が書いたこちらの記事も参照いただきたい)


劇中から飛び散って来た墨汁(なのか血なのかは良く分からないがw)がテレビ画面にべちゃっとこびり付く様子が描かれる時、それは映像の迫真性やスピード感等を体感させる意図がある一方で、視聴者があくまで画面の”こちら側”にいることを強く意識させ、画面中の出来事が自分とは別次元の出来事であることを痛感させられる。


あるいはAパートから徹底して強調されていた平面的な舞台世界も同様だ。まるで舞台演劇のセットのように、奥行きのない建物が重層的に描かれる。あるいは浮世絵のような、と言っても良いかもしれない。その中で、キャラクターでさえカットによってはじつに平面的に作画されているのが、画面から現実感を奪い、映像を外から眺めている自分自身の存在を意識せざるを得ない。とくにこのAパートの舞台世界は、シャフトのアニメ(もっと言えば絶望先生?)を連想させるもので、じつにシャフト演出的なやり方を採用していたと言えるのではないだろうか。


Bパートでも、背景に街並みを描かずに「祭」と書かれた提灯が無秩序的に配置されていたり、演劇の舞台を意識させる構図を採用していたりして、とにかく徹底して虚構世界を演出していく。こうした、現在ではシャフトが積極的に採用している演出法に、今作は今作なりのやり方で、それも素晴らしい熱意のもとに取り組んでいる。しかも、シャフト作品に全然引けを取らないオリジナリティを発揮していて、じつに挑戦的な映像演出として確立できていたと思う。また劇中の時代設定も関係していることだが、歌舞伎に代表される日本的な舞台演劇の手法(見得を切り、口上を述べる等)を大胆に取り込んでいるのも特筆に値する。とにかく今作は、劇中で繰り広げられるエンターテイメントを徹底して楽しませるべく、あくまで視聴者を観客席に押しとどめたまま、舞台役者としてのサービス精神を存分に発揮して見せようというのだろう。


シャフトのファンとして、また意欲的な作品が大好きな身として、このような試みが行われるのは諸手を挙げて歓迎したい。というか本当に、心の底から好きだ、このアニメーションは。




一方でシャフト作品と今作の決定的な違いは、作画にかける密度の濃さにあるように思う。シャフトは、あえて動きを止めたり簡略化したりするなど、アニメーションにおけるマイナス方向への働きかけ、引き算の効用を効果的に用いる演出をする。それに対し今作は、第1話であるという気負いも無論あるとは思うが、前述のような虚構性の強調のために意図的に行う引き算は無くはないけれど、基本的には惜しみなく”動”の要素を注ぎ込む足し算演出だ。アバンやBパートの戦闘シーンではそうした”動かすアニメーション”が存分に行われていたことに加えて、音と文字と陰影とをことさら強調して、くどいくらいの濃密な画面世界を構築していく。音、文字、陰影を強調するのはシャフト作品でも同じことだが、そこで狙っているのはまた別の効果であろう。


もちろん、今作はまだ第1話を消化してくれただけだから、第2話以降、この演出手法を活用してどうドラマを料理してくれるかは分からない。第1話のような濃密な作画を見せる話数は限られてくるかもしれないが、あくまで今作は今作らしいやり方を提示して欲しい。ストーリーだけでなく演出の方法についても、じつに楽しみで、見ものである。




・本放送が待ち遠しい!


以前、やはり東京MXで先行放送された「WORKING!!」では、たしかOPがつかなかったと思った(本放送では、EDテロップとともに曲だけお披露目だったはず)。「百花繚乱 サムライガールズ」のほうはしっかりOPもEDも見せてくれたのだから、大サービスだと受け取っておこう。どちらも大変魅力的な曲&映像で、とくにEDは一発で好きになった。


こうなってくるとホント、続きが早く見たくてたまらない。本年の秋アニメは期待作揃いだと言われているが、先陣を切った今作がこれだけのものを見せてくれた以上、期待するなと言う方が無理だろう。願わくは、期待作揃いという評価がそのまま、豊作揃いと言われるようになって欲しい。


あと1か月、首を長くして待っておこう。




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

複雑に楽しみ
2010年09月07日 15:23
近くの図書館に置いてあるアニメ雑誌でタイトルを見た時は「なんだ、またネタに突っ走ったアニメが始まるのか」などど冷めた所感を持ったものなのだけれど、実際に見てみてその感想は吹き飛んだwww

なんだ?コレハ。

久々にいい意味でネジが飛んだアニメが見れそうな予感!

秋が実に楽しみである。(もっとも、就活やらなんやらが忙しくもなってきそうなので一概に楽しみとは言えないのですがねトホホ……)
おパゲーヌス
2010年09月08日 03:11
>複雑に楽しみさん
コメントどうもありがとうございます。

図書館ってアニメ雑誌も置いてあるのですか! それは知らなかった、今度行ってみようww

事前の印象が完全にぶち壊されましたよね。最初は萌えエロ路線ということで、まぁ良く言えば楽しめる人は多そうだけど、内容の無さそうな作品だなと偏見を持ってましたが。

本放送が始まったらきっと感想も書き続けていく予定なので、就活の合間にでも、読みに来ていただければ幸いです。
複雑に楽しみ
2010年09月08日 23:42
>図書館ってアニメ雑誌も置いてあるのですか!

えっと、所にもよりますが、ある程度の大きさの図書館であれば「アニメージュ」か「月刊ニュータイプ(Newtype)」か「アニメディア」ぐらいはあるかもしれません。
ちなみに、私の近くの図書館にはアニメージュとニュータイプが置いてあります。他にも集英社の「Cobalt」や、今は休刊してしまいしたが以前には「電撃hp」などが置いてあり、ライトノベルの所蔵も年々増えているっぽく、最近の図書館はあまり堅い感じがしなくなってきているのが現状だったりします。(何せ、「ヒカルの碁」だって所蔵してるんですぜ(笑)?)

えっと、以上。 最後の方少し言葉遣いが荒れてしまってすいませんでした。

何時も楽しみに拝読させて頂いております。時間が許す限り読み続けさせて頂く所存です!

頑張って下さい!!
おパゲーヌス
2010年09月09日 04:48
>複雑に楽しみさん
なるほどー。こんど図書館行ってみたくなってきましたw そういうので集客するというのも、ひとつの戦略なのかもしれませんね。

言葉遣いは、荒れるとさすがに困りますが、くだけた感じでしたらむしろ大歓迎ですので、今後も何かあればぜひコメント頂けると励みになります。どうもありがとうございました^^

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