神のみぞ知るセカイ 第2話「あくまでも妹です/ベイビー・ユー・アー・ア・リッチ・ガール」

脂がのって来たましたかね。




・エルシィというキャラクター


今回はエルシィとのパートナーシップを改めて確認するAパートと、次なる標的・青山美生の攻略に着手するBパートの、2話構成。作品のルールを語りながらチュートリアルプレイをやって見せた第1話よりも、全体的にぐっと引き締まって小気味良いテンポで進展していく。とくに良質なネタが矢継ぎ早に繰り出されるために、本当に30分しか経っていないのかと思ってしまうくらい濃密な30分間だった。


仕事という名目で無茶苦茶強引に美少女が押し掛けてくるというシチュエーションだが、伊藤かな恵さんは前クールの「あそいく」のイメージが色濃く残っているので、どうしても既視感が強くなってしまう。それに加えてそもそも自分がこの手のヒロインがあまり好きではないということもあって、前回はちょっと閉口気味だったのだけど・・・。


今回は、コロコロと表情を変えて飛びまわる小動物的なエルシィの可愛らしさがよく表現できていて、ここでちゃんとキャラクターを確立できたと思った。またこの子の場合、主人公とは仕事上の付き合いなのだと割り切っているという前提があるから、逆に桂馬のことを意識したりするラブコメ要素が良く活かされる設定だ。


恋愛ドラマというのは障害があるからこそ面白いわけだが、いったいドコに障害があるのか分からないような安直な設定のラブコメがどうしても目に付いてしまうのが昨今の傾向だ。最初からヒロインが主人公にべた惚れで、主人公の方も決してまんざらでも無いのに、ただ優柔不断なことが災いしてなかなか進展しない緩いドラマには、もう飽き飽きしている。その点エルシィは主人公と恋仲になることなどこれっぽっちも想定していないし、また桂馬のほうはエルシィを(表面上は)毛嫌いしているわけで、ラブコメの前提としては非常に面白そうな関係性からスタートしている。エルシィの桂馬に対する仕事上の信頼が、恋愛感情に変化するかもしれない可能性は存分に秘めている様が今回描かれたし、桂馬もエルシィの文句なく可愛らしいキャラクターに脳を侵食され始めている。この二人の関係は今後ますます面白くなっていきそうだ。




ただここで問題なのは、エルシィはあくまで、桂馬が他の女の子と恋を演じる計画を全面的にバックアップするのが役割だという点。お見合いの仲人役と言えば分かりやすいか。なので、もし桂馬とエルシィの仲がイイ感じに進展して行ったときに、二人はけっこう辛い感情を抱え込みながらミッションをこなして行くことになるかもしれない。もしエルシィが桂馬に恋をしてしまったら? そしてその桂馬が、攻略中の他の女につい本気の恋愛感情を芽生えさせてしまったら・・・? そんなシリアス真っただ中の辛く苦しい物語展開を容易に想定し得る材料が、すでに第2話の時点でふんだんに用意されているのは、注目に値する。


もちろんこの後の展開は何も分からないが、このような不安が、たとえただの予感としてだけでも視聴者の心の片隅に存在することが、今後、虚構と現実の交錯する奇妙な恋愛物語における効果的なスパイスとして作用することだろう。エルシィと桂馬との関係性、とくにエルシィがメインヒロインになり得るのか、それともサポートキャラに徹するのか、そのあたりに気を配りながら、彼らのミッションの行く末を見守っていくことにしたい。




・桂馬、この神的なもの


Bパートにて颯爽と登場した次の攻略目標、青山美生。物語をすべて論理的に思考しようとする桂木桂馬が、どのような戦略性をもってこのキャラを落としにかかるのか、大いに見ものだ。


前回のエピソードや、あるいは今回Aパートにおいてエルシィとのやり取りの中でも描かれたことだが、桂馬は人間との付き合いを本当にドライに見つめており、しかも物語にはすべて論理的帰結が存在すると考えているらしい。恋の感情はもっとも不合理なものだと我々は考えてしまいがちだが、それとて膨大な統計データに基づいて分析したパターンを組み上げてしまえば、論理的に理解しがたいストーリー展開にはなり得ないという彼の考えは極めて科学的だ。偶然に左右されると考えられるようなことも、確かな判断材料さえ手に入ればほぼ予測可能な、確定した未来を描くことができる。


ガリレイだの、ニュートンだの、アインシュタインだのといった学者たちは、この宇宙の仕組みを解き明かすことで、この巨大な創作物に込められた神の明確な意図を理解し得ると考えた。桂木桂馬はこれとまったく同じことを、恋愛という分野において実行しているわけだ。林檎が木から落ちる現象から物理法則を見出したように、桂馬はゲームの中に再現された数々のドラマから恋愛の法則を導き出す。それは神によって創作された人間たちの、心の仕組みを解き明かす行為である。そしてその研究に長じた桂木桂馬は、神の意図を完全に把握した人物、神と完全に同格となった人物であると言える。「神さま」という称号は、もともとは偉大な才能を讃えるネット上のスラングであったかもしれないが、いまや文字通りに神を理解し神と同化した存在として、桂木桂馬を定義しているのだ。


もちろん、試験管の中で再現された宇宙の法則が、現実の宇宙にそのまま当てはめられるとは限らない。彼が神の意図を本当に理解しているのかどうかは、いざこれから試されるのだ。恋愛ドラマではなく頭脳バトルの様相だが、この戦略性の描写が今作のオリジナリティであり、最大の”売り”であると思われるので、まずはしっかり、ゲームの中の桂木桂馬が現実世界と対決していく姿を楽しませていただこう。






今回のところは、ギャルゲーを嗜む視聴者のほぼ全てが考えたであろう青山美生のキャラクターイメージをそのままトレースしたような桂馬の作戦が、方向転換を余儀なくされたところでの幕引きとなった。正直、ただのツンデレなら楽だと思ったのは自分も同じで、このBパートだけで青山美生編が終わるのではないかとさえ考えてしまったのだが、ただのゲストキャラではなくちゃんとメインヒロインの一人だったのね。一人あたりどれくらいの尺を割くのだろうか、シリーズ構成を推測できるという意味でも、次回のエピソードはひとつ鍵となってくるだろう。楽しみにしたい。


それから、EDはなかなか良かった! カラフルな絵の具をヒロイン達が生足でぐちゃぐちゃと踏みつけていくというのは斬新かつ美味しい絵だったし、それが最終的に桂馬のイラストに仕上がるというのは意外性と美麗さとを兼ね備えていて良かった。OPのカッコよさ(曲・映像ともに)も素晴らしいが、こういうところでも作品の印象って大きく左右されるなぁ。OP・EDの出来がもっと無難だったら、本編ももっとつまらなく感じていたかもしれない。


OP曲はCD欲しくなるレベル。ぜひ購入したい。




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

2010年10月14日 21:23
こんばんは、「ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人」の管理人のピッコロでございます。いつもお世話になっております。記事とは関係のないコメントで大変失礼いたします。


まず最初に、お忙しい中当ブログのアニメ評価企画に参加して頂きありがとうございました。アニメ評価企画9の最終結果は、現在当ブログにて掲載中ですのでよろしければご覧になって下さいませ。

評価企画9の最終集計結果↓
http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/51622440.html

さて、今回も「今期終了アニメ(9月終了アニメ)を評価してみないかい?10」と題しまして、評価企画を立ち上げましたので、参加のお誘いに参りました。また、この企画に賛同して頂けるのであれば、参加して頂けると嬉しいです。

なお、投票方法等についての詳しい事は以下の記事に書いておりますのでご覧ください↓

http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/51622970.html


今後とも色々とお世話になると思いますが、どうか末永いお付き合いのほどよろしくお願いいたします。宣伝大変失礼いたしました。
おパゲーヌス
2010年10月14日 22:28
>ピッコロさん
こんばんは。前回の評価企画の結果は、大変興味深く拝読させていただきました。自分のコメントも取りあげていただき、嬉しかったです。

こんどの企画にも、もちろん参加させていただきます。なるべく早めにエントリー記事をTBさせていただきますね。

こちらこそ、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
あるるかん
2011年01月12日 00:27
神のみ、再放送観させて貰いました。
内容と違い、OPは何か神々しい感じの歌が面白いですね、EDはまた違った良さがあります。


エルシィは芹沢文乃や左天涙子の影響で意外性はありましたがその分、伊藤女史の新しい可能性を垣間見た気がします。以後も期待です。
しかし、桂馬といいエルシィといい、家庭崩壊の危機(というよりすでに?)だというのにスルーとは、しかも罪人にされた父は………せつねぇ!
おパゲーヌス
2011年01月12日 02:53
>あるるかんさん
おお、再放送いいですね。自分も先週(第1話)は見たのですが、今週は間に合いませんでした。まぁ、録画したものが保存してあるのでいいのですけどねw

伊藤かな恵@エルシィは、自分は『大正野球娘』や『宇宙のまにまに』で初めて彼女を意識したときの感覚を、思い出しましたね。もちろんエルシィはまた一味違ってはいますけれど。

桂木家の父・・・彼は今後何かしらのフォローがあると良いのですがw 桂馬は母親似っぽいですし、お父さんの顔はいまいち想像できませんね。そういう意味でも、やはり切ない立ち位置だなぁw

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