神のみぞ知るセカイ 第3話「ドライヴ・マイ・カー/パーティーはそのままに」

「パーティーはそのままに(I Don't Want To Spoil The Party)」は神曲。ビートルズで最も好きな楽曲のひとつです。


というか、アルバム「Beatles for Sale」自体が名盤過ぎるんだよねw アコースティック色を前面に打ち出したフォーク&ロックンロールテイストが実にツボで、哀愁漂う「No Reply」から軽快なテンポの「I'm A Loser」、キャッチーなメロディラインと二重ボーカルの魅力が爆発する「Baby's In Black」へと繋がって行く冒頭の展開がもう好きすぎてたまらない。ブルース好きの身としては、チャック・ベリーやリトル・リチャードのカヴァーを演ってくれているのもニヤニヤものだし、そして件の「I Don't Want To Spoil The Party」をはじめとして一度聴いたら絶対に忘れ得ない名曲がズラリと並ぶ圧巻のB面。スバラシスギル!


と、ついでに「Drive My Car」を聴こうとCDをかけてたら、続いて流れてきた「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」に魂を持っていかれそうになったので、あわててアニメ脳に戻ることにする。




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さてアニメ本編のお話。今回は青山美生編の完結エピソードということで、落とし神・桂木桂馬の本領発揮、また恋愛ドラマとしての今作の魅力も本領発揮で、じつに面白いエピソードだった。




この作品は、主人公とヒロインが結ばれる物語ではない。恋愛詐欺師が無垢な女の子を罠にかけ恋に「落とす」物語である。それでも桂馬がわりとウブなので微笑ましい光景と映るのだが、あくまでここで繰り広げられているのがゲーム感覚の疑似恋愛に過ぎないのだと言うことを踏まえた上で、桂馬の組みたてる戦略の妙とその成り行きを楽しむのが基本的なスタンスとなる。


その上で今回、とくにAパートにおいては、ゲーム的な演出や音響が良い持ち味を発揮して、あくまでドライな観点からこの疑似恋愛を楽しめるように見せていた。Aパートラストで「エンディングが見えたぞ」と決め台詞を述べるシーンなどは、いかにもシミュレーションゲームでミッション進行中に流れるようなBGMが、主人公の策略の巧妙さを強く印象付ける。ヒロインの救済よりも、あくまで駆け魂の収拾ミッションに重点を置いて構成しているのが、この青山美生編の特徴と言えるだろう。




それでも、実際にヒロインの心を融解させていく過程はじつに見応えがあって面白い。コメディ調の描写をふんだんに用意しつつ、美生が桂馬のことを「庶民」ではなく「桂木」と呼ぶようになったり、彼の存在がだんだん大きくなっていく様が巧みに描き出されていた。クライマックスシーンで、父の面影が次第に小さくなってゆくことを美生が嘆くことになるわけだが、そのシーンを最大限に生かすための下地作りが非常に効果的に行われていたのには脱帽だった。


むろん、美生というキャラクターを魅力的に描き出すその手腕もお見事。このあたりは脚本やアニメーションの良さ、悠木碧の演技力もさることながら、一見すると安直なのだけど、その実ほとんど既視感を感じさせない凝ったストーリー展開のもたらす影響が大きいだろう。第1話・第2話では少し懐疑的にならざるを得なかった今作のドラマの評価について、ぐっと見方を変えさせられた第3話だった。これなら、残りのヒロイン達のエピソードについても大いに期待が持てる。楽しみにしたい。




それにしても、攻略中の記憶を全て失ってしまうという設定だが、それにしては思いっきり桂馬のことを意識していた美生はいったいどういうことだろう?w いや、可愛いので全然いいんだけど。桂馬はどこか虚しさを匂わせるカッコつけた表情で去って行ったが、その哀愁を感じさせるには、ヒロインのフラグが立ったままというのはちょっと疑問かなぁ。ヒロインとの縁が完全に切れてくれないことには、視聴者はこの恋愛詐欺師の罪を意識せざるを得ないのではないかな。ヒロインが可哀相というか。もし歩美や美生がもうドラマに積極的な関わりを持ち得ないのならなおさらそう思うのだけど、喉元に小骨が突き刺さったようなこの違和感が、最終回までにどうなっているか。この点にはちょっと注目しておきたい。




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

神のみ
2010年10月21日 19:00
記憶は消えても気持ちまでは消せないんですよ
そうやってセカイは変わっていきます、神様の手で。
おパゲーヌス
2010年10月22日 04:32
>神のみさん
コメントどうもありがとうございます。

「そうやってセカイは変わっていきます、神様の手で。」という言葉の意味するところは、きっとまだ私が理解できていない今作の要素であり魅力なのでしょうね。今後、それを理解できるようになることを楽しみにしておきます。
ホウメイ
2010年10月23日 05:53
頭には残って無くても心には何か残ってるのだと思います
じゃないと穴埋めた意味在りませんし(笑)
おパゲーヌス
2010年10月23日 13:19
>ホウメイさん
なるほど・・・うーん、まだいまいち納得し切れないですが、そういう頭に叩き直しておきますw
あるるかん
2011年01月19日 22:34
青山は充分魅力がありましたが、いかんせんエルシィが魅力的過ぎました。彼女が是非桂馬の本妻になってもらいたいですね。
あと高原歩美も結構好きなので再登場して欲しいです。
おパゲーヌス
2011年01月20日 23:29
>あるるかんさん
エルシィが可愛いのは間違いない! でもそれぞれのヒロインが、攻略後にはやっぱり正ヒロインと思えるくらい魅力的に輝いて行きますね。

歩美は、じつは最初に見たときはそれほど可愛いとは思えなかったのです(なんてったって、エピソードの尺が短かったですし)。けれど再放送を見てみたら、やばいくらいに惚れました。「神のみ」って、そーいう作品でしたねー。あるるかんさんも、最終話まで見てからぜひまた最初から繰り返して見てみて下さいw

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