海月姫~くらげひめ~ 第2話「スキヤキ・ウエスタン・マツサカ」

一週空いたけれど、面白さは健在。それどころか、ますます加速して行くなぁ。




・月海と蔵之介の鮮やか過ぎる対比


女装に気付かなかったとはいえ、美形男子を泊めてしまうと言うまさかの事態に陥った月海が、死刑宣告を回避するためにドタバタと走りまわるのが、今回のエピソード。とにかく目まぐるしく勢い任せに展開されながらも、それが絶妙な計算の上に成り立っている、花田脚本のひとつの”らしさ”がよく発揮された回だったのではないか。


とにかく泰然自若とした麗しの蔵之介さまと、リアクション芸人みたいに騒ぎまくる月海の対比が面白すぎる。蔵之介の異質さ・特別性が、もう黙って立っているだけでばりばりに発揮されているが、あの奇抜な女装スタイルだけではなく、顔を洗った後の彼の顔格好にも変わらずに特別な輝きを持つキャラクターとして提示されていたのがまず見事だった。またそれに加えて、蔵之介の悪い意味での空気の読めなさや怖いもの知らずな点と、月海の空気を読み過ぎて逆に雁字搦めになっちゃってる性格とも、対照的だった。


まぁ、「尼~ず」というコミュニティの体質をまったく知らなかった蔵之介には、あの空気を読めというほうが難しい。月海や他の皆がお洒落人間を本気で怖がっているというのが、おぼっちゃま体質な蔵之介には到底理解できようはずがないだろう。鍋のシーンのコミカルな演出は、むろん現実に石になったり変色したりしたワケではなく、あくまで尼~ずの面々の内面世界を巧みに演出して見せているに過ぎないから、蔵之介からしたら、ちょっと恥ずかしがっているだけに見えていたのだろう。


そういう点で、現時点ではあくまで月海や尼~ずの視線を通して、この異星人とのファーストコンタクトが描かれたのが今回のエピソードだった。直後に松坂牛で釣られていたのは笑ったがw あれですんなり仲良くなればいいのだけど、どうなることか。



ともあれ、今回もまた、画面を全力で食い入るように見つめさせられてしまうほどに面白かった。この勢いでコミカルな展開がしばらく続くのか、それとも早めにロマンスへと切り替えていくのか。次回あたりはひとつ分岐点になるかもしれない。注目しておこう。




・オタクの描き方について


そもそも第1話の時点で自分のことを腐女子的な印象で自虐していた月海が、BLのビの字も出さないで海月ばかり愛でているというのは、まぁ放置していてもいいのかなと思って見ていたけれど、今作のオタク女子の描き方って、実際にどう評価すべきなのだろう?


オタクであると同時に、恋愛どころか女の子女の子した要素を全て否定し去っている様子や雰囲気は、映像面に関しては非常に巧く描けていると思うのだ。とくにアニメはデフォルメ表現が使えるし、クララのような謎のマスコットを解説役として投入するような演出手法と非常に親和性が高いから、実写ドラマと比べて格段に有利な武器であるこの手の演出手法を、今作はふんだんに取り入れてオタクの生態を描き出している。


それはひとつひとつの細かい仕草にまで、しっかりとこだわって描かれており、時代からも世間からも取り残されたような天水館という舞台とも相まって、尼~ずの奇異とさえ言っていい特殊性と、そこに同居している暖かい親近感とが、アニメーションとして視聴者に訴えかける効果には絶大なものがある。実際にオタクの女性から見ればどう映るかはぜひ聞いてみたいところだが、それにしてもこの独特の空気感を如実に描きあげている手腕の見事さは称賛に値する。




一方セリフに関して。尼~ずの各人はそれぞれに専門分野があって、彼らは目や耳から取り込んだ情報を、まず念入りに持ち前のフィルターを通して自分色の世界に引きずり込んでから、脳内情報として処理をする。その様子が、ちょっとした場面で次々と飛び出す、常人には理解しづらいネタや感性によって語られているわけだ。


もちろん彼らの専門分野なんて自分は知らないから、セリフの整合性や説得性は、基本的にはさっぱり分からない。ただ三国志好きのまややのセリフは、マニアでなくとも誰もが知っているような有名武将の名前ばかりが出てきたのは、ちょっと気になった。いちいち「呉の」周喩、などというセリフ回しをしていたのは、他のメンバー(あるいは視聴者?)に気を利かせたのかもしれないが、せっかくの”登場人物当てはめトーク”という見せ場なのだから、こういう場面でこそ世間の三国志マニアを唸らせる珠玉の例え話を持ち出して欲しかったなぁ。もし他のメンバーの会話でも同様の浅さがあるのだとしたら、せっかく丁寧に作り込んである世界観に、小さいながらもキズを付けてしまうことになるのではないかと思う。


まぁ逆にいえば、そんな細っかい部分にしかイチャモンを付けられないくらい、良く出来た、面白い作品だというのは確かだ。自分の大好きな女装少年モノということで、今後も物語だけでなく、蔵之介を始め各キャラクターの見どころによく注目しておきたい。




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

アルルカン
2010年10月29日 09:44
Angel Beats!で「奏ちゃんはマジ天使だぁー!!」と悶絶していた私ですが、今までも花澤香菜女史と言えば化物語の千石撫子やセキレイの草野などしか知らなかったので今回の月海は新機軸なキャラで花澤女史の技量を見せて頂きました。

尼~ズのお洒落人間に対する処世術が「あちら側」に対して「こちら側」で居場所を見つけ、折り合いをつけていたから倉之介の介入は許せなかったのだろうなどと妙に屍鬼に影響された思索をしていたら松阪牛で和解してしまい矜持<松阪牛なのか!?と突っ込んでしまいました。
おパゲーヌス
2010年10月29日 21:14
>アルルカンさん
自分の場合は、花澤香菜さんを初めて意識したのは「狂乱家族日記」あたりでしょうか。ゼーガペインとかは後から見たクチです。しかし彼女の演技力の高さは、「かんなぎ」のざんげちゃんで十分に発揮されていたと思っていたので、ロリ系キャラとか、あるいは天使ちゃんのような無表情キャラでは、もったいないなぁと思っていました。今回、突然歌い出した月海が、そのあとの会話シーンでもずっと歌を続けていたのは、大笑いしてしまいましたね。頑張りすぎw

矜持<松阪牛は、これは難しいところですね。旨い飯も食卓を囲む相手によっては喉も通らなくなるということもあると思いますが、今回あっさりと懐柔されてしまったトコロに、尼~ずの、閉鎖的ではあるけれど基本的には温和で能天気な性格が、よく表れていたと思いました。

蔵之介とオタクたちとが今後どう接して行くのかは、非常に興味深いです。
おこめ
2010年11月06日 00:20
同類(笑)という事もあり、しょっぱさ半分面白さ半分で見ていましたが……私もおパゲーヌス同様『腐女子』回りのスルー振りが謎でした。腐った女の子?ただのくらげ好き(←フィルター)の女の子でしょ?という感じで……。
尼~ずの中にも分かりやすい『BL好き』はいない様に見受けました。唯一まやや様は専門が三国志ですし何がしかそれっぽい気がしたのですが、1話でのガシャポンやスーパーでの反応を見るに違いますし。

なので、個人的に調べてみたのですがどうも原作からして『腐女子』という単語が誤用されているようです。
最近は総じてヲタ女子の事を腐女子と呼んでしまう傾向にあるのでその流れなのかなとも思いましたが……この辺については細かいコメントは避けておきます。

実際尼~ずが存在していたとしたら……ちょっと、あの輪の中には入れません(笑)おしゃれ人間の基準が分かりませんが、ちょっとあの年まですっぴんでジャージで、というのが無理です……。慣れれば楽しいんでしょうが、何というか『普通の話』が出来なさそうで。

長引きましたが、オタク女子描写としては非常に『ファンタジー』だと思います。一意見としてご参考までに。
おパゲーヌス
2010年11月06日 03:36
>おこめさん
なるほど、詳しいコメントどうもありがとうございます。

まぁ自分も失礼ながら、腐女子とは女性のオタク全般を指すものだと思っていた時期がありました。で、乙女ゲーにハマってる知人に腐女子という単語を向けたら怒られた経験があります^^

と、第2話時点では違和感のあったオタク描写ですが、第3話を見て、今作のファンタジーっぷりを改めて痛感させられると同時に、見方や楽しみ方を間違えていたなぁと思わされました。次回以降は視点を入れ替えて視聴しようと思っています。

>何というか『普通の話』が出来なさそうで

普通の話が出来無さそう、という場合の「普通」というのが、彼らにとっては敷居の高いことなのでしょうね。その点は、じつに良く描けていると思います。あんな連中の輪の中に入っていける蔵之助クンは、よほど心が広いというか、度胸が据わってるというか、まぁ好奇心旺盛なのでしょうけれどw 

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