そらのおとしもの f (フォルテ) 第12話(最終回)「明日に羽飛く彼女達(フォルテ)」

そうだよねー。この作品なら、最後はギャグ回やりますよねー。



・発想は良かったんだけどっ……!


冒頭だけ前回の続きで、カオスの動きを封じて(?)ダイダロスのもとに送り届けたことで、今回の地上vsシナプスの戦争はひとまず一件落着。ふたたび平和な日常に戻った智樹の、夢(ロマン)と希望(リビドー)に満ちた生活を描くのが、TV版第2期最終回のエピソードとなった。


まぁ、この展開はほぼ予測の範疇というか、期待通りのことをやってくれているな、という印象。その上でこの日常回は、どれだけ変態的な方向へ暴走できるか、という点が勝負となる。その点今回は、厳しい評価を下すようだけれど、着想は良かったがもうひと頑張り欲しかったトコロだw


なんといったって、ただ女体化して覗きをするのではなく、水に変身しちゃうとか、何と言う発想の勝利かと思ったのだ。これはアレな話題で大変心苦しいのだが、無望菜志というエロマンガ家の「よろしく名木原くん」というタイトルで、二人の美少女が、意志を持って動く風呂の水に浸かって凌辱される(いや、正確には和姦なんだけどw)というシチュエーションがあって、それはもう素晴らしい発想のもとに描かれるあれやこれやがもはや芸術の域に達していると思って大変高く買っているのだけど(褒めすぎ)、まさにそれと同じシチュエーションを、いちおうは全年齢向けの健全(!?)アニメでやって見せてくれるなんて、これほどロマンに満ちた回があるだろうかと、全身全霊を込めて絶賛しようと思っていたトコロだったのだが・・・。


さすがにエロマンガと同じことをしろとは言わない。けど、胸を揉む(しかもわざわざ手のカタチを作って)くらいしか演技の幅が無く、あっという間に排水溝に流されてしまったのが、あまりにも、あまりにももったいなさ過ぎる!


このプールシーンで一番見応えがあったのが、ニンフがいじられるカットですか。不届き者の智樹はつるぺたに興味が無いらしく(明らかにそはらの影響だ)、いつもニンフは不遇な扱いをされてヘコんでいるのが可哀相であると同時にとても可愛いのであるが、せっかくなんだからもっといろいろ犯りよう、もといやりようはあったハズだ。また、CM前後のシーンでも、モブ女子の放尿をあえて聞かずに清い体のままでいようだなんて、とても全裸王のすることとは思えない。ずいぶん臆病になったものだな、智樹よ!


いちおう今回のギャグパートの見どころは、美少女化した智子が、智樹の変態性をそのままに女子トイレの空気を吸い込んだり、あるいは会長やそはらに追い詰められたときに自分からトイレに流れて行こうとしたシーンではあろう。美少女として描かれているキャラが、あんなにキリッとした表情で馬鹿なことをやってみせるギャップは、たしかに腹を抱えて笑わせられた。でもそれは、中身が智樹である分、本当の美少女が変態行為に及ぶギャップには程遠い。智樹が酷い目に会うのはもう見飽きているワケで(笑)、せっかく面白い変態行為を発想して見せたのだから、その方向で暴走して欲しかったなぁと、思ってしまうw




・プロポーズの行方


イカロスの記憶があっさり戻ってきたのは、記憶が無いというシチュエーションを使えばどれだけドラマティックなストーリーを展開ができただろうかと想像すると、これも少しもったいない気はするけれど、でも尺も足らないので妥当な構成だろう。それよりも、ある意味で強引な展開(それは前回、ニンフの羽根が復活した時点から続いている強引さだ)を、さらに強引な結婚式へと持って行ったのは、今作らしいお茶目さと評すべきだろう。


これが、最終話らしい盛り上がりを伴っていたかという問題はある。けれどそもそも劇場版の公開が分かっているために、あえて作為的な感動エピソードをやる必要もないだろう。日常的なギャグコメディを堪能させた後、少しだけ、いままでの関係をあえて変化させようという動きを見せてラブロマンスに傾くそぶりだけ見せて、結局”いつもどおり”の「そらのおとしもの」の風景に回帰した。いかにも今作らしい幕引きと言えるのではないだろうか。むしろ今回の肝は、本編終了後の、劇場版予告にある。いったいどんな事態が起こっているのか、いまから楽しみで仕方が無い告知映像だった。


ところでこのプロポーズ問題。結局智樹が誰かを選ぶことはなかったし、そはらやイカロスもその結果に納得が行っているようだが、この結婚という儀式は大変象徴的だと思った。結婚の意義をエンジェロイドたちが正しく理解しているのかは分からないし、会長の暴走による強引なシチュエーションだったのは確かだが、それでも結婚は、マスターとエンジェロイドの主従関係とは決定的にことなり、お互いがお互いを愛し尊敬しあう、対等な契約である。それをイカロスたちが智樹に迫ったというのは、彼女たちがようやく、シナプスにおけるヒエラルキーから、身体的にだけではなく精神的にも解放されたことの象徴と見て良いのかもしれない。智樹は、ニンフたちのマスターになると約束した。それはむろん、シナプスにおける意味とは異なる契約であろうが、ではいったいどんな関係を望んでいるのか、ニンフたちにとってのマスター像と、智樹が引き受けたマスター像の詳細は、劇中から推測するしかない。それを端的に象徴しようとしたのが、今回の結婚式だったと言えるのではないだろうか。


あと、この茶番は、五月田根会長が守形に告白をするために仕組んだものであるというのも、また真実であろうw 守形は今作のもう一人の主人公と言って良いが、五月田根会長もまた、もう一人のヒロインである。




・まだまだ終わらない「そらおと」旋風に今後も期待!


本来ならシリーズ全体の感想でも書いておきたいトコロだが、劇場公開が決定しており、そのためにあえて未完のまま放置されたシリーズでもあったから、あまり考察めいたことはしないでおこう。


あえて挙げておくとすれば、着々と智樹の周りに集まりつつあるエンジェロイドたちだが、下手をすれば正妻(?)イカロスの影が薄くなってしまいそうなところを、非常に丁寧に作劇しているから全てのキャラがそれぞれに個性を発揮していた点を、評価したい。あえて言えばそはらが空気系になっている印象はあるけれど、エンジェロイドたちに関しては、十分な尺を確保して、無駄な遊びもふんだんに盛り込んで展開させているのが、大きな効果を発揮していた。イカロスも、ニンフも、アストレアも、皆それぞれに個性を発揮して輝いていた。また、それぞれが自分なりの成長をはっきり見せてくれていたのも、1期2期を通じて描かれてきたことだった。


本来ならばここで、新たな仲間として加わったカオスのエピソードを期待したくなるところだが、果たしてそれは劇場版で描かれることになるのか。自分としては、カオスとのドラマよりも、シナプスとの最終決戦をやって物語そのものに終止符を打ってくれる方が、作品としてもすっきり決着がつくし、劇場版としても映えるエピソードになりそうだと思うけれど、どうなるだろう。できれば劇場版は、それこそ劇場クオリティ全開のアクション(とくに板野サーカス!!)を堪能させて欲しい。しかし、たとえ壮大なネタ映画になったとしても、今作なら許してしまうことだろうなぁw


ともあれ、1期同様のインパクトと感動をもって楽しませてくれた「そらのおとしもの」が、今後もますます勢いに乗って、日本アニメ史にその名を燦然と刻みつけるその時が来ることを、大いに楽しみにしたい。




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それでは、以上となります。どうもありがとうございました。


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