魔法少女まどか★マギカ 第3話「もう何も恐くない」

このテーマ曲をこういう使われ方したら、いくらなんでも燃えないわけにはいかない。これはズルい。




・こんなの聞いてなかった


なんとも衝撃的な展開になったなぁ、今回は。マミさん裏切りルートは前回じつに多くの人が想定していたものだったし、今回のキュゥべえやマミさんの描写のされ方を見ると、いよいよそうした展開に突入するのかと思っていたのだけど、まさかまさか、そのマミさんが首を食い千切られるなんて思いもよらなかった。今作の作風から、痛い描写のひとつやふたつはあるだろうとは思っていたものの、主要キャラの誰かがこんなに早いタイミングで殺されるとは。こんなの聞いてなかったよ。


むろん、キュゥべえ黒幕説は依然として有効だし、マミさんが実際にどういう意図で動いていたのかもまだ謎のままだ。前回語られていたような魔法少女同士の抗争においても、ほむらよりもマミのほうがずっと好戦的な態度を貫いていたし、ひょっとしたら本当にキュゥべえとグルになって、まどか達を罠にかけようとしているって線も無くは無い。だが、もし本当に死んでしまったのなら、後から「じつはこういう人でした」と語られてもインパクトは半減するだろうし、今後の展開を素直に楽しむためには、マミさんを善人と看做しておくほうが利口かもしれない。


しかし、それにしても、マミさんがやられてしまうシーンのなんとあっけないことか。漫画アニメの常道なら、こういった予想外の敗北の仕方をした場合、それが主役キャラであればなおさら、間一髪で避けてたとか、じつは復活できるとか、そういった逃げ道が用意されているもので、今回もまさにそんな印象で描かれた敗北シーンだった。それだけになおさら、グリーフシードの下に無残に砕け散ったティーカップと、マミのものと思われる血糊を目にした時に、それがひどくショッキングなものと映る。人の死とは、なんとも唐突で、あっけなく、そして不条理だ。




・巴マミと暁美ほむら


すでに魔法少女であった二人に関して、少しだけ比較してみたい。


いちおう描かれたコトの中から読みとれることは、ほむらよりもマミのほうが、魔法少女としては明らかに経験不足であったということだ。今回マミ自身の口から自己卑下の言葉が語られた通り、彼女は実際にはまだまだ精神的に未熟者で、自分に自信が持てていなかった。今になって思い返すと、そうとしか受け取れない発言が目に付く。


前述したとおり、マミはほむらに対しては、非常に好戦的で挑発的な態度を貫いていた。それは、いままではその裏に隠された何かの陰謀の匂いだと思っていたのだが、それよりも現時点では、自分の自信の無さを補うための空威張りであり、相手を警戒しているからこそ言葉と態度で噛みついていたのだと言えるだろう。またキュゥべえがまどか達を魔法少女に誘導しようとするやり口から察するに、マミもまた、キュゥべえにうまいこと焚きつけられて、彼の言葉を鵜呑みにしながらここまで戦ってきたのだという可能性も、十分に考えられる。共に戦う仲間もなく、はっきりとした目的意識も無いままに、ただただ危険な仕事を押し付けられる日々。それはまどかの目には、鹿目母と同質のカッコよさを持つ憧れの先輩と映ったことであろうが、しかしまだ少女と言っていい巴マミが背負うには、この荷駄は少々重すぎたようだ。まどかが魔法少女になる決意を語った時の喜びようは、いかにマミが心労を抱えて生きてきたのかが、よく伝わって来る描写だ。


そしてその根底には、魔法少女になるきっかけに、強迫まがいの契約をさせられた過去が尾を引いているように見える。前回の記事でも書いたことだが、契約しなければすぐにでも死んでしまうと言われれば、それは提案ではなく脅迫となる。『ウルトラマン』の初回エピソードにおいて、ハヤタ隊員を死なせてしまったウルトラマンが、命をくれてやるからその身体を寄越せと迫ったのと、驚くほどに似通った手口だ。詐欺と言っていい。自ら望んで魔女退治を行っているわけではない。それがマミのひとつの側面だ。


またこれは推測だが、大切な人を目の前で魔女に殺されるという今回の まどか や さやか の体験したことを、マミ自身は経験していなかったのではないだろうか。だから、魔女退治などという危険な仕事を前にして、後輩にカッコいいところを見せる、みたいな発言も飛び出すし、スカウトみたいな真似をして一般人を巻き込んでいる。だが暁美ほむらは、過去に大切な誰かを、魔女に奪われてしまった経験があるのではないだろうか。ほむらの、徹底して部外者の乱入を忌避する態度は、魔女という存在の本当の恐ろしさを身にしみて分かっているからこそのものだろう。そしてひょっとしたら、第1話冒頭のシーンのように、全ての魔女を自分一人で打ち倒す決意を掲げて、他の誰にもこのような苦労や危険を味わわせないようにしたいと、願っているのではないだろうか。


ひょっとしたら暁美ほむらは、やはり止むにやまれぬ脅迫まがいの手口で魔法少女にさせられた上に、大切な仲間と呼べる人を魔女(それも、今回倒したやつ)に殺された、悲運の魔法少女であるのかもしれない。このあたりの事情は次回以降、描かれることになるだろうから、期待しておきたい。




・まどか達の願い事とは。そして奇跡とは何か?


マミのまさかの死によって、物語が大きく方向展開してきたのは間違いない。このまま、ほむら・まどか・さやかの三名でチームを組むのか、それとも別々に行動するのか、この辺りにも注目だ。


そしてやはり最も重要なのは、まどかの、契約のための願い事だ。とくに願い事は無い、とした今回のまどかにとって、マミを失ったことがどのような変化をもたらすか。次回タイトルに「奇跡」という言葉が用いられている以上、考え得ることとしては、まどかの契約の願いによってマミを蘇生させるという展開だが、そんなお気楽な物語になるとは、ちょっと思えない。むしろ、同じ生き返らせるにしても、魔法少女としての力や責任からは完全に解放して、一人の少女としてまどか達と無関係な幸せな生活を遅れるようなカタチのほうが、あり得そうだ。




だがここで問題なのは、まどかの願いが純粋な感情によって発案されるかどうか、という点だ。まず単純に、もしマミを生き返らせることができるとか、それに匹敵するような願い事の場合、これはまどかの本来の願いではなく、現在の状況の悲惨さを打破するためのものでしかない。不運の真っただ中にいるまどか達にとって、マミの救出という願い事は、事故にあって瀕死の状態で契約を結んだマミの二の舞となる。他に選択肢を選べない状況での「契約ヲシマスカ?」との問いは、提案ではなくまさに脅迫だ。そんな出発点に立てば、ほむらやマミが浮かべる辛い表情を、そのまま背負ってしまう格好になる。


もうひとつの問題点は、まどかの願いが、母やマミのようなかっちょいい人になりたい、という動機である点だ。とくに今回、マミはその職務において取り返しのつかない失敗を犯した。そしてそのマミの使命を代替わりするカタチでまどかが背負うことは、そんな動機で道を選んだ時点で、先行きは真っ暗で、辛い宿命しか待っていないのではないかと思ってしまう。でも、その道へ歩を踏み出しそうで、本気でまどかが心配だ。


魔法少女になって戦うということは、まどか達が本来望んでいた生き方ではない。そして他者から望まれるようなカッコいい生き方に憧憬を抱き、自分もそのような人物になろうと考える安直さは、よくよく注意しておくべき点だ。まどか達は、自分の身に降りかかるであろう宿命をまだ完全には理解しないまま、その宿命を受けとめてしまうことになるのではないか。それは確かにカッコいいが、非常につらい生き方だ。ちょうど『少女革命ウテナ』において、敗北した王子のかわりに自分が王子様になってみせると悲壮感漂う誓約をしてみせた、幼き日の天上ウテナのように・・・。




ともあれ、これでとうとう、ストーリーだけは子供向け作品という印象をかなぐり捨てて、今作があえて今の時代の深夜アニメ枠に魔法少女を持ってきたことの意味が、問われる展開になってきた。まどか達の願い事、ほむらの意志、キュゥべえの目的と、まどか達が突き付けられる宿命や人生。こうした要素にますます注目しながら、次回のエピソードを楽しみに待ちたい。




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それでは、今回は以上です。


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