「今期終了アニメ(12月終了作品)の評価をしてみないかい?11」エントリー記事
「ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人」さまの恒例企画に、今回も参加させていただこうと思います。また、これを持って、2010年秋アニメの総評ともさせていただきます。
企画の詳細はこちら
さて、今期終了のアニメはこちらだそうです↓
屍鬼
伝説の勇者の伝説
アイアンマン(未視聴)
そらのおとしもの f <<フォルテ>>
パンティ&ストッキングwithガーターベルト
えむえむっ!
薄桜鬼 碧血録(未視聴)
心霊探偵 八雲(未視聴)
俺の妹がこんなに可愛いわけがない
百花繚乱 サムライガールズ
荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ
ヨスガノソラ
おとめ妖怪 ざくろ
侵略!イカ娘
もっと To LOVEる
神のみぞ知るセカイ
探偵オペラ ミルキィホームズ
咎狗の血(未視聴)
それでも町は廻っている
FORTUNE ARTERIALーフォーチュン アテリアルー 赤い約束
海月姫 ~くらげひめ~
トランスフォーマー アニメイテッド(未視聴)
アマガミSS
刀語
ぬらりひょんの孫(未視聴)
夢色パティシエールSP プロフェッショナル(未視聴)
この中で、視聴済みのものだけを評価させていただきます。全部でなんと19作品!いままでが12作品前後だったことを考えると、通常の1.5倍の量のアニメを見ていたことになりますww いやぁ、期待作が目白押しの豊作クールだったとはいえ、ちょっとアニメに時間奪われすぎですねw 大好きなのにどうしても感想を書けない作品が出てきてしまったりするのも、自分で言うのもなんですが、これでご理解いただけるかとw 一日一本、1週間に7本っていうのが、いちばん理想のペースなんですけどね。明らかにオーバーキャパシティ。でもこれが幸せなのも事実なわけで。
そんなラインナップですが、ここでの点数評価は、主に主観と相対評価で行っています。また、「5点:とても良い 4:良い 3:普通(及第点) 2:惜しい。何かが足りないレベル 1:悪い 0:かなり悪い」という公式の指標に準ずるよう心がけるつもりです。
また例によって、、合同ブログ「アニプレッション!!」のほうでも毎クールごとの恒例企画として、自分も含めた複数のブロガーによるクロスレビューを行っております。合わせてご覧いただければ幸いです。
2010年10-12月期放送アニメクロスレビュー
(※各作品への自分の小評文は、クロスレビューと今回のものは同じ物です。点数付けが異なるのと、あとクロスレビューのほうは複数のブロガーによる、異なる見方を読み比べるという企画ですので。一方でクロスレビューには、各賞選考はありません)
では早速まいります。
---------------------------
屍鬼
ストーリー 5点
キャラクター性 4点
画 3点
演出 5点
音楽 3点
総合的な評価 5点
合計点 25点
とにかく面白かった。ホラーもグロも大嫌いだけど、そんな嫌悪感までも作品を盛り立てる材料としてうまいこと利用されてしまった感じ。中盤までのスリリングなサスペンス展開は、ストーリーも良かったのだけど、やはり演出力の高さがものを言っていたと思う。そして終盤、生物としての「生」と人間としての「生」とを対比させ、ヒトや屍鬼のような高度な思考力を持つ生き物がその存在自体に抱える矛盾や不条理に、鋭く迫って見せたのには感服。かって文学が真っ向から取り組んでいた難題に、現代なりのやり方でアプローチを試みた、特筆すべき作品だったと思う。
伝説の勇者の伝説
ストーリー 5点
キャラクター性 3点
画 4点
演出 4点
音楽 4点
総合的な評価 5点
合計点 25点
日本的ファンタジーの王道作品として、剣戟にせよ魔法にせよモンスターデザインにせよ、がっつりと取り組んで映像化してくれていたのがとても好きだった。加えて、権謀術数の渦巻く濃密な政治劇、ぞっとするような人間の悪意、解決の糸口が見えない”生きること”への絶望感といったものを、物語や設定で深く掘り下げて表現しようとしていたのが、とても好感が持てた。終盤は展開が難解すぎてちょっとついて行けなかったけれど、これは仕様なのだろうね。
そらのおとしもの f <<フォルテ>>
ストーリー 2点
キャラクター性 4点
画 4点
演出 4点
音楽 3点
総合的な評価 4点
合計点 21点
1期のインパクトが強かったけれど、それに負けないくらい頑張ったシリーズだった点をまず評価したい。また空戦アクションでは、1期で物足りないと思っていた部分を十二分に強化して描いてくれたので、大満足だった。劇場版にも大いに期待したい。
パンティ&ストッキングwithガーターベルト
ストーリー 3点
キャラクター性 4点
画 5点
演出 5点
音楽 5点
総合的な評価 5点
合計点 27点
これだけやりたい放題に面白いものを作ってしまうのは凄い。下品なアニメだったので何度も顔をしかめながら、でもそれ以上の魅力というかパワーを、画面から感じさせる作品だった。それに第1話の変身シーンの素晴らしさが、残りの全話数を見届けるだけのエナジーを注入してくれた気がするw もちろん隅から隅まで見どころ満載で、とくに第10話の洋楽PVパロと第11話Bパートには惚れました。
えむえむっ!
ストーリー 4点
キャラクター性 3点
画 3点
演出 4点
音楽 5点
総合的な評価 4点
合計点 23点
こんな、ある種典型的な(そして古臭い)手法のドタバタコメディ作品で、ここまで面白くできたという点に、和製ギャグアニメの大きな底力を感じた。きっと原作も面白いのだろうし、それをアニメスタッフが腹を決めて走りぬいてくれたのが、作品としてうまく噛み合っていたのでは。音響も素晴らしくて、むしろ音響で勝てればギャグアニメは成功するという、格好の例となるのではないか。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない
ストーリー 2点
キャラクター性 3点
画 4点
演出 4点
音楽 4点
総合的な評価 3点
合計点 20点
とても面白かったし、田村麻奈実という大変素晴らしいキャラクターに出会えたのはとても良かった。作り手の色んな思惑や苦労がよく表れていたように見えたのが、ニヤニヤして見てはいたけれど、作品評価としてはどうしてもマイナス点かな。あと、外野のうるさいアニメでした。
百花繚乱 サムライガールズ
ストーリー 4点
キャラクター性 5点
画 4点
演出 5点
音楽 4点
総合的な評価 3点
合計点 25点
今期の虚構枠(いま命名)。シャフトや「スタドラ」とはまた違ったアプローチから、作品の虚構性をことさら強調し、画面の演劇的志向性を強く打ち出してきたのが、とてもとても好きな映像作品だった。また、大幅にエロ萌えやギャグに走ったコテコテの作風と、時代劇かと見紛うテーマを掲げる物語との良い意味でのアンバランス感が、非常に魅力的。最終話の突き抜け方は素晴らしい。おかげで2期は期待できなくなっちゃったけど。
荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ
ストーリー 4点
キャラクター性 4点
画 4点
演出 3点
音楽 5点
総合的な評価 5点
合計点 25点
ギャグ主体で、真面目な考察が成立させやすかった1期に比べるとブロガー的には苦しかったw でも面白かったし、ギャグ回でも思索の余地は十二分にあったことを終盤に気付かされたので、改めて自身の着眼点の拙さを痛感させられた作品でもあった。OP・EDも良かったし。横山克氏の手掛けるBGMは聞きごたえ満点。
ヨスガノソラ
ストーリー 3点
キャラクター性 3点
画 5点
演出 4点
音楽 5点
総合的な評価 2点
合計点 22点
色んな面で大変意欲的な試みを見せる作品で、その姿勢には脱帽させられたけれど、そうした工夫が作品を活かす方向に働いていたかという点で疑問が残る。とくに、これみよがしに性行為を何度も描いたのは、自分の好みには合わなかった。映像演出は回によって、素晴らしい時とそうでない時がはっきりと分かれていたように思う。各ヒロインごとにドラマを完結させるやり方は、「アマガミ」に先を越された上に、今作の作風に合っていたか、1クールで無理は無かったか、この手法の利点をどれだけ活かせたかなど、反省点は多いのではないかと思う。ただし、オマケパートの出来はEDも含めて絶賛モノ。
おとめ妖怪 ざくろ
ストーリー 3点
キャラクター性 4点
画 4点
演出 5点
音楽 4点
総合的な評価 5点
合計点 25点
欠点はどこ?w あえて挙げるとすれば、完全無欠過ぎるトコロくらいでしょうか。脚本・映像演出ともにとても秀逸で、だからこそ1クール作品の宿命であるドラマの物足りなさ(もっと先が見たい、という欠点にもならない欠点)を意識させられてしまった、くらいのことは言えるかもしれない。
侵略!イカ娘
ストーリー 2点
キャラクター性 3点
画 2点
演出 2点
音楽 2点
総合的な評価 3点
合計点 14点
軽い気持ちで見てゲラゲラと笑わせてもらうのには、まったく申し分の無い作品。ただそれ以上の価値があったかというと、多くの回においては別にそんなこともなかった。イカちゃんが小さくなったエピソードや野球回のように、映像表現として素晴らしいモノを見せてくれた時はすごく興奮したけれど、こうした意欲的な映像化はこの作品には似合わないので何も言えません。EDが曲・映像ともに、とても良かった。
もっと To LOVEる
ストーリー 2点
キャラクター性 3点
画 4点
演出 2点
音楽 3点
総合的な評価 2点
合計点 16点
原作どころか以前のアニメも見ていなかったのだけど、それでもあまり問題無く見れてしまうのは、ハーレムラブコメの良いところか。丁寧なアニメーションで、美少女たちが動いてしゃべるというだけで見る価値のあるアニメだったと思う。一方で、お話やシチュエーションに最後まで興味が持てなかったのも事実で、趣味には合わなかった。
神のみぞ知るセカイ
ストーリー 4点
キャラクター性 4点
画 3点
演出 3点
音楽 4点
総合的な評価 4点
合計点 22点
丁寧さと冒険心が絶妙な塩梅で噛み合った秀作。恋愛ドラマではなく、疑似恋愛をミステリータッチで描くスタンスは巧いなぁと思う。倉田脚本との親和性も高かったのではないかな。第1話時点では、傑作揃いの今期にあってはいまひとつ目立たない作品だと思っていたけれど、最終的にはとても印象に残る作品になった。2期にも大いに期待したい。
探偵オペラ ミルキィホームズ
ストーリー 0点
キャラクター性 5点
画 1点
演出 5点
音楽 4点
総合的な評価 5点
合計点 20点
最高でした。
それでも町は廻っている
ストーリー 2点
キャラクター性 4点
画 5点
演出 5点
音楽 4点
総合的な評価 3点
合計点 23点
原作の解釈がうまくできなかった自分にとって、シャフトがシャフトなりの解釈で提示してくれた今作は、目からうろこが落ちるような会心の作品として、第1話を楽しむことができた。中盤はどうしても、第1話ほどのインパクトを(主に映像的な面で)提示出来なかったのは、ちょっと残念。小見川、悠木、櫻井といった声優陣の熱演が素晴らしかった。
FORTUNE ARTERIALーフォーチュン アテリアルー 赤い約束
ストーリー 2点
キャラクター性 2点
画 4点
演出 2点
音楽 3点
総合的な評価 1点
合計点 16点
なかなか面白かった。まず作画が良かったのと、OP・EDの曲が良くて、次を視聴したいと思わせる要素が満載だった。それだけに、良い素材をたばねた結果が、記憶に残るかどうかも怪しい無難な作品に帰結したのが、すごくもったいない。
海月姫 ~くらげひめ~
ストーリー 2点
キャラクター性 5点
画 4点
演出 5点
音楽 5点
総合的な評価 3点
合計点 24点
コメディとして見るなら、今期最高傑作と言って良いと思う。シンデレラストーリーになるのだとばかり思ってたので、最後まで恋愛関係がさほど盛り上がらずに、平凡な最終話を迎えてしまったのにちょっとガッカリしてしまったけれど、それ以外の点に関してはおおむね大満足で、毎週とても楽しみに視聴することができた。大森監督×ブレインズベースのブランドに新たな良作が加わったのではないか。
脚本もアニメーションもとてもレベル高くて面白かったのだけど、BGMや歌、そして声優の演技といった音響関連がずば抜けて優れていた。とくに声優に関しては、主演の花澤香菜をはじめ、とにかく演技の限界点を突破しようという姿勢を貫いてあって、大変聞きごたえがあった。
アマガミSS
ストーリー 4点
キャラクター性 4点
画 4点
演出 3点
音楽 3点
総合的な評価 5点
合計点 23点
第1話の時点ではまるで想像もつかなかったくらい、楽しめる作品になった。オムニバス形式を採用した英断がこれほど効果的に働いたのも、「アマガミ」ならではだろう。一見とても手堅そうに見えて、様々な点に意欲的な工夫を凝らしていた映像化も見事だった。2クール作品で、しかも多くのアニメが集中する木曜深夜枠だったにも関わらず、自分のブログで各話感想を一度もサボらずに更新できたのは、本作品のパワーだと思いたい。
刀語
ストーリー 5点
キャラクター性 5点
画 3点
演出 3点
音楽 4点
総合的な評価 4点
合計点 24点
大河アニメなどという大仰な企画を、失速させずにこれだけの成功に結びつけた点は、絶賛に値する。原作者自身の人気や『化物語』の成功にうまく乗りかかることが出来たとも言えようが、しかし月一回の放送で視聴者をちゃんと惹きつけておくことができたのは、アニメスタッフの快挙だろう。シリーズ序盤は、主に映像面の工夫が足りなくて少し冗長さの目立つ作品だったが、中盤以降は加速度的に面白くなっていった。それと、BGMも良かった。
--------
さて、ここからは各賞の発表です。
ベストキャラクター賞
左右田 右衛門左衛門(『刀語』)
『刀語』の主人公は、右衛門左衛門でしょ?(いや、真面目にw)
とにかく衝撃的なキャラだったなぁ。それも、登場時に「うわ、なにコイツ!」っていうインパクトがあるのではなく、話数を重ねて出番が少しづつ増えて行くうちに、どんどん引きこまれていくキャラだった。独特のセリフ回しや声優のシブい演技も良かったし、やはり画面に出てきたときの、あまりにも洗練されたカッコよさと、アンチヒーロー的なキャラクター性に、歴史の流れの中で翻弄されながらそれでも自身の信念を貫こうとする生き様、まじで惚れました。
ベストOP賞
「DOWN TOWN」(『それでも町は廻っている』)
曲はあまり気に入らなかったのだけど、映像がね・・・。最高でした。これ以外に思いつかないくらい良かった。
ベストED賞
「本能のDOUBT」(『探偵オペラ ミルキィホームズ』)
これしかないでしょう。あまりにも馬鹿笑いさせられた本編のあとに、曲・絵ともにこんなにカックイイEDを持ってくるなんて、反則だと思う。
ベスト声優賞・男性
岸尾だいすけ(『探偵オペラ ミルキィホームズ』トゥエンティ / 二十里海 役)
頑張り過ぎだ!!!www
もう、この人が頑張ったから、『ミルキィホームズ』はここまでの大成功を収めたと言っても、過言ではないと思う。徹底的に馬鹿になって笑わせにかかる作品のスタンスを、もっとも象徴する演技だったと思う。投げる武器がなくなって「これでいいや!」と叫んで靴を投げたシーンは、脳内のもっとも深い領域にしっかと保存されました。
ベスト声優賞・女性
金元寿子(『侵略!イカ娘』イカ娘 役)
悠木碧とどちらにするか、悩んだんだけど・・・。悠木さんはこれからいつでも選考するチャンスがあるだろうし(笑)、2010年末最大の流行語を生み出すのに大きく貢献した金元寿子に、ここは一票。『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』のカナタ役も印象深かったが、まるで違うタイプのキャラをこんなに伸び伸びと演じられると、もう何も言えなくなるw とても心地よい声色の持ち主なので、今後も良い役に恵まれて欲しい。
-------
さて、それではこれで以上となります。 ピッコロさん、いつも集計御苦労さまです、どうぞよろしくお願いします。
また、ここまで読んで下さった読者の方、本当にありがとうございました。

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さて、今期終了のアニメはこちらだそうです↓
屍鬼
伝説の勇者の伝説
アイアンマン(未視聴)
そらのおとしもの f <<フォルテ>>
パンティ&ストッキングwithガーターベルト
えむえむっ!
薄桜鬼 碧血録(未視聴)
心霊探偵 八雲(未視聴)
俺の妹がこんなに可愛いわけがない
百花繚乱 サムライガールズ
荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ
ヨスガノソラ
おとめ妖怪 ざくろ
侵略!イカ娘
もっと To LOVEる
神のみぞ知るセカイ
探偵オペラ ミルキィホームズ
咎狗の血(未視聴)
それでも町は廻っている
FORTUNE ARTERIALーフォーチュン アテリアルー 赤い約束
海月姫 ~くらげひめ~
トランスフォーマー アニメイテッド(未視聴)
アマガミSS
刀語
ぬらりひょんの孫(未視聴)
夢色パティシエールSP プロフェッショナル(未視聴)
この中で、視聴済みのものだけを評価させていただきます。全部でなんと19作品!いままでが12作品前後だったことを考えると、通常の1.5倍の量のアニメを見ていたことになりますww いやぁ、期待作が目白押しの豊作クールだったとはいえ、ちょっとアニメに時間奪われすぎですねw 大好きなのにどうしても感想を書けない作品が出てきてしまったりするのも、自分で言うのもなんですが、これでご理解いただけるかとw 一日一本、1週間に7本っていうのが、いちばん理想のペースなんですけどね。明らかにオーバーキャパシティ。でもこれが幸せなのも事実なわけで。
そんなラインナップですが、ここでの点数評価は、主に主観と相対評価で行っています。また、「5点:とても良い 4:良い 3:普通(及第点) 2:惜しい。何かが足りないレベル 1:悪い 0:かなり悪い」という公式の指標に準ずるよう心がけるつもりです。
また例によって、、合同ブログ「アニプレッション!!」のほうでも毎クールごとの恒例企画として、自分も含めた複数のブロガーによるクロスレビューを行っております。合わせてご覧いただければ幸いです。
2010年10-12月期放送アニメクロスレビュー
(※各作品への自分の小評文は、クロスレビューと今回のものは同じ物です。点数付けが異なるのと、あとクロスレビューのほうは複数のブロガーによる、異なる見方を読み比べるという企画ですので。一方でクロスレビューには、各賞選考はありません)
では早速まいります。
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屍鬼
ストーリー 5点
キャラクター性 4点
画 3点
演出 5点
音楽 3点
総合的な評価 5点
合計点 25点
とにかく面白かった。ホラーもグロも大嫌いだけど、そんな嫌悪感までも作品を盛り立てる材料としてうまいこと利用されてしまった感じ。中盤までのスリリングなサスペンス展開は、ストーリーも良かったのだけど、やはり演出力の高さがものを言っていたと思う。そして終盤、生物としての「生」と人間としての「生」とを対比させ、ヒトや屍鬼のような高度な思考力を持つ生き物がその存在自体に抱える矛盾や不条理に、鋭く迫って見せたのには感服。かって文学が真っ向から取り組んでいた難題に、現代なりのやり方でアプローチを試みた、特筆すべき作品だったと思う。
伝説の勇者の伝説
ストーリー 5点
キャラクター性 3点
画 4点
演出 4点
音楽 4点
総合的な評価 5点
合計点 25点
日本的ファンタジーの王道作品として、剣戟にせよ魔法にせよモンスターデザインにせよ、がっつりと取り組んで映像化してくれていたのがとても好きだった。加えて、権謀術数の渦巻く濃密な政治劇、ぞっとするような人間の悪意、解決の糸口が見えない”生きること”への絶望感といったものを、物語や設定で深く掘り下げて表現しようとしていたのが、とても好感が持てた。終盤は展開が難解すぎてちょっとついて行けなかったけれど、これは仕様なのだろうね。
そらのおとしもの f <<フォルテ>>
ストーリー 2点
キャラクター性 4点
画 4点
演出 4点
音楽 3点
総合的な評価 4点
合計点 21点
1期のインパクトが強かったけれど、それに負けないくらい頑張ったシリーズだった点をまず評価したい。また空戦アクションでは、1期で物足りないと思っていた部分を十二分に強化して描いてくれたので、大満足だった。劇場版にも大いに期待したい。
パンティ&ストッキングwithガーターベルト
ストーリー 3点
キャラクター性 4点
画 5点
演出 5点
音楽 5点
総合的な評価 5点
合計点 27点
これだけやりたい放題に面白いものを作ってしまうのは凄い。下品なアニメだったので何度も顔をしかめながら、でもそれ以上の魅力というかパワーを、画面から感じさせる作品だった。それに第1話の変身シーンの素晴らしさが、残りの全話数を見届けるだけのエナジーを注入してくれた気がするw もちろん隅から隅まで見どころ満載で、とくに第10話の洋楽PVパロと第11話Bパートには惚れました。
えむえむっ!
ストーリー 4点
キャラクター性 3点
画 3点
演出 4点
音楽 5点
総合的な評価 4点
合計点 23点
こんな、ある種典型的な(そして古臭い)手法のドタバタコメディ作品で、ここまで面白くできたという点に、和製ギャグアニメの大きな底力を感じた。きっと原作も面白いのだろうし、それをアニメスタッフが腹を決めて走りぬいてくれたのが、作品としてうまく噛み合っていたのでは。音響も素晴らしくて、むしろ音響で勝てればギャグアニメは成功するという、格好の例となるのではないか。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない
ストーリー 2点
キャラクター性 3点
画 4点
演出 4点
音楽 4点
総合的な評価 3点
合計点 20点
とても面白かったし、田村麻奈実という大変素晴らしいキャラクターに出会えたのはとても良かった。作り手の色んな思惑や苦労がよく表れていたように見えたのが、ニヤニヤして見てはいたけれど、作品評価としてはどうしてもマイナス点かな。あと、外野のうるさいアニメでした。
百花繚乱 サムライガールズ
ストーリー 4点
キャラクター性 5点
画 4点
演出 5点
音楽 4点
総合的な評価 3点
合計点 25点
今期の虚構枠(いま命名)。シャフトや「スタドラ」とはまた違ったアプローチから、作品の虚構性をことさら強調し、画面の演劇的志向性を強く打ち出してきたのが、とてもとても好きな映像作品だった。また、大幅にエロ萌えやギャグに走ったコテコテの作風と、時代劇かと見紛うテーマを掲げる物語との良い意味でのアンバランス感が、非常に魅力的。最終話の突き抜け方は素晴らしい。おかげで2期は期待できなくなっちゃったけど。
荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ
ストーリー 4点
キャラクター性 4点
画 4点
演出 3点
音楽 5点
総合的な評価 5点
合計点 25点
ギャグ主体で、真面目な考察が成立させやすかった1期に比べるとブロガー的には苦しかったw でも面白かったし、ギャグ回でも思索の余地は十二分にあったことを終盤に気付かされたので、改めて自身の着眼点の拙さを痛感させられた作品でもあった。OP・EDも良かったし。横山克氏の手掛けるBGMは聞きごたえ満点。
ヨスガノソラ
ストーリー 3点
キャラクター性 3点
画 5点
演出 4点
音楽 5点
総合的な評価 2点
合計点 22点
色んな面で大変意欲的な試みを見せる作品で、その姿勢には脱帽させられたけれど、そうした工夫が作品を活かす方向に働いていたかという点で疑問が残る。とくに、これみよがしに性行為を何度も描いたのは、自分の好みには合わなかった。映像演出は回によって、素晴らしい時とそうでない時がはっきりと分かれていたように思う。各ヒロインごとにドラマを完結させるやり方は、「アマガミ」に先を越された上に、今作の作風に合っていたか、1クールで無理は無かったか、この手法の利点をどれだけ活かせたかなど、反省点は多いのではないかと思う。ただし、オマケパートの出来はEDも含めて絶賛モノ。
おとめ妖怪 ざくろ
ストーリー 3点
キャラクター性 4点
画 4点
演出 5点
音楽 4点
総合的な評価 5点
合計点 25点
欠点はどこ?w あえて挙げるとすれば、完全無欠過ぎるトコロくらいでしょうか。脚本・映像演出ともにとても秀逸で、だからこそ1クール作品の宿命であるドラマの物足りなさ(もっと先が見たい、という欠点にもならない欠点)を意識させられてしまった、くらいのことは言えるかもしれない。
侵略!イカ娘
ストーリー 2点
キャラクター性 3点
画 2点
演出 2点
音楽 2点
総合的な評価 3点
合計点 14点
軽い気持ちで見てゲラゲラと笑わせてもらうのには、まったく申し分の無い作品。ただそれ以上の価値があったかというと、多くの回においては別にそんなこともなかった。イカちゃんが小さくなったエピソードや野球回のように、映像表現として素晴らしいモノを見せてくれた時はすごく興奮したけれど、こうした意欲的な映像化はこの作品には似合わないので何も言えません。EDが曲・映像ともに、とても良かった。
もっと To LOVEる
ストーリー 2点
キャラクター性 3点
画 4点
演出 2点
音楽 3点
総合的な評価 2点
合計点 16点
原作どころか以前のアニメも見ていなかったのだけど、それでもあまり問題無く見れてしまうのは、ハーレムラブコメの良いところか。丁寧なアニメーションで、美少女たちが動いてしゃべるというだけで見る価値のあるアニメだったと思う。一方で、お話やシチュエーションに最後まで興味が持てなかったのも事実で、趣味には合わなかった。
神のみぞ知るセカイ
ストーリー 4点
キャラクター性 4点
画 3点
演出 3点
音楽 4点
総合的な評価 4点
合計点 22点
丁寧さと冒険心が絶妙な塩梅で噛み合った秀作。恋愛ドラマではなく、疑似恋愛をミステリータッチで描くスタンスは巧いなぁと思う。倉田脚本との親和性も高かったのではないかな。第1話時点では、傑作揃いの今期にあってはいまひとつ目立たない作品だと思っていたけれど、最終的にはとても印象に残る作品になった。2期にも大いに期待したい。
探偵オペラ ミルキィホームズ
ストーリー 0点
キャラクター性 5点
画 1点
演出 5点
音楽 4点
総合的な評価 5点
合計点 20点
最高でした。
それでも町は廻っている
ストーリー 2点
キャラクター性 4点
画 5点
演出 5点
音楽 4点
総合的な評価 3点
合計点 23点
原作の解釈がうまくできなかった自分にとって、シャフトがシャフトなりの解釈で提示してくれた今作は、目からうろこが落ちるような会心の作品として、第1話を楽しむことができた。中盤はどうしても、第1話ほどのインパクトを(主に映像的な面で)提示出来なかったのは、ちょっと残念。小見川、悠木、櫻井といった声優陣の熱演が素晴らしかった。
FORTUNE ARTERIALーフォーチュン アテリアルー 赤い約束
ストーリー 2点
キャラクター性 2点
画 4点
演出 2点
音楽 3点
総合的な評価 1点
合計点 16点
なかなか面白かった。まず作画が良かったのと、OP・EDの曲が良くて、次を視聴したいと思わせる要素が満載だった。それだけに、良い素材をたばねた結果が、記憶に残るかどうかも怪しい無難な作品に帰結したのが、すごくもったいない。
海月姫 ~くらげひめ~
ストーリー 2点
キャラクター性 5点
画 4点
演出 5点
音楽 5点
総合的な評価 3点
合計点 24点
コメディとして見るなら、今期最高傑作と言って良いと思う。シンデレラストーリーになるのだとばかり思ってたので、最後まで恋愛関係がさほど盛り上がらずに、平凡な最終話を迎えてしまったのにちょっとガッカリしてしまったけれど、それ以外の点に関してはおおむね大満足で、毎週とても楽しみに視聴することができた。大森監督×ブレインズベースのブランドに新たな良作が加わったのではないか。
脚本もアニメーションもとてもレベル高くて面白かったのだけど、BGMや歌、そして声優の演技といった音響関連がずば抜けて優れていた。とくに声優に関しては、主演の花澤香菜をはじめ、とにかく演技の限界点を突破しようという姿勢を貫いてあって、大変聞きごたえがあった。
アマガミSS
ストーリー 4点
キャラクター性 4点
画 4点
演出 3点
音楽 3点
総合的な評価 5点
合計点 23点
第1話の時点ではまるで想像もつかなかったくらい、楽しめる作品になった。オムニバス形式を採用した英断がこれほど効果的に働いたのも、「アマガミ」ならではだろう。一見とても手堅そうに見えて、様々な点に意欲的な工夫を凝らしていた映像化も見事だった。2クール作品で、しかも多くのアニメが集中する木曜深夜枠だったにも関わらず、自分のブログで各話感想を一度もサボらずに更新できたのは、本作品のパワーだと思いたい。
刀語
ストーリー 5点
キャラクター性 5点
画 3点
演出 3点
音楽 4点
総合的な評価 4点
合計点 24点
大河アニメなどという大仰な企画を、失速させずにこれだけの成功に結びつけた点は、絶賛に値する。原作者自身の人気や『化物語』の成功にうまく乗りかかることが出来たとも言えようが、しかし月一回の放送で視聴者をちゃんと惹きつけておくことができたのは、アニメスタッフの快挙だろう。シリーズ序盤は、主に映像面の工夫が足りなくて少し冗長さの目立つ作品だったが、中盤以降は加速度的に面白くなっていった。それと、BGMも良かった。
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さて、ここからは各賞の発表です。
ベストキャラクター賞
左右田 右衛門左衛門(『刀語』)
『刀語』の主人公は、右衛門左衛門でしょ?(いや、真面目にw)
とにかく衝撃的なキャラだったなぁ。それも、登場時に「うわ、なにコイツ!」っていうインパクトがあるのではなく、話数を重ねて出番が少しづつ増えて行くうちに、どんどん引きこまれていくキャラだった。独特のセリフ回しや声優のシブい演技も良かったし、やはり画面に出てきたときの、あまりにも洗練されたカッコよさと、アンチヒーロー的なキャラクター性に、歴史の流れの中で翻弄されながらそれでも自身の信念を貫こうとする生き様、まじで惚れました。
ベストOP賞
「DOWN TOWN」(『それでも町は廻っている』)
曲はあまり気に入らなかったのだけど、映像がね・・・。最高でした。これ以外に思いつかないくらい良かった。
ベストED賞
「本能のDOUBT」(『探偵オペラ ミルキィホームズ』)
これしかないでしょう。あまりにも馬鹿笑いさせられた本編のあとに、曲・絵ともにこんなにカックイイEDを持ってくるなんて、反則だと思う。
ベスト声優賞・男性
岸尾だいすけ(『探偵オペラ ミルキィホームズ』トゥエンティ / 二十里海 役)
頑張り過ぎだ!!!www
もう、この人が頑張ったから、『ミルキィホームズ』はここまでの大成功を収めたと言っても、過言ではないと思う。徹底的に馬鹿になって笑わせにかかる作品のスタンスを、もっとも象徴する演技だったと思う。投げる武器がなくなって「これでいいや!」と叫んで靴を投げたシーンは、脳内のもっとも深い領域にしっかと保存されました。
ベスト声優賞・女性
金元寿子(『侵略!イカ娘』イカ娘 役)
悠木碧とどちらにするか、悩んだんだけど・・・。悠木さんはこれからいつでも選考するチャンスがあるだろうし(笑)、2010年末最大の流行語を生み出すのに大きく貢献した金元寿子に、ここは一票。『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』のカナタ役も印象深かったが、まるで違うタイプのキャラをこんなに伸び伸びと演じられると、もう何も言えなくなるw とても心地よい声色の持ち主なので、今後も良い役に恵まれて欲しい。
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さて、それではこれで以上となります。 ピッコロさん、いつも集計御苦労さまです、どうぞよろしくお願いします。
また、ここまで読んで下さった読者の方、本当にありがとうございました。

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この記事へのコメント
OPでは「i Love」ですね、人生で初めてアニメのDVDを購入を決めさせたアマガミのOPだけに、思い入れがあります。
EDは「光のフィルメント」が良かったです。高垣女史の実力が否禁得です。
右衛門左衛門は、キャラクター性と声優さんの声の相乗効果がハンパなかったです。一点だけアニメに出来なかった点があるとすれば、「左右田右衛門左衛門」という名で否定姫に仕えているという、そのフザけたネーミングセンスでしょうか。字でいちいち意識させられる小説とは違って、どうしても「えもんざえもん」(←けっこうカッコいい)という響きで聞こえてしまう部分は、悪い意味でプラスに働きすぎた印象です。小説で読んだらさぞエキセントリックな奴なんだろうなと思います^^
OP・EDは、曲だけで言ったらとても一つには絞り切れませんね。これは毎クール思うことですが、アニソンには名曲が多すぎます。