STAR DRIVER 輝きのタクト 第20話「描かれたあの日の虹」

ここであの人の行方が判明するわけね。ア、アナキン・・・っ!




・ヘッドの正体発覚!?


今回はまた何とも衝撃的なエピソードだったなぁ。ヘッドの過去が語られたわけだが、カタシロとリョウ・ギンタ(キャメルスター)、二人の視点からヘッドの秘密や意図に迫って見せる展開が、本当に巧い。


まずヘッドの正体について。以前登場した黒髪の男性、あれがじつはタクトのお父さんではないかと勘繰っていたのだけど、その予想は外れて、完全に予想外の人物がタクトの父としてその正体が明らかとなった。ヘッドことミヤビ・レイジの本名がツナシ・トキオであり、印を継承させてもらえなかった彼が野心を持って島に乗り込んできたという話だったが、今から思えば、タクトの時計の中身とヘッドの描いた絵の女性が同一人物(ソラ)だったという、わっかりづらい伏線が張られていたのだった。まぁ、どうみても10代のヘッドがお父さんだとは、さすがに分からないよなぁ。


トキオ、という名前は、また『ウテナ』ファンをニヤニヤさせるネーミングセンス。今回のエピソードは、『ウテナ』黒薔薇編の終盤エピソードを強く連想させるものであって、どちらも同じように、封印された未知の技術を研究し、今現在本編で描かれている決闘ゲームの仕組みを形作るエピソードとして提示されている。そして”トキオ”という名前は、黒薔薇編にて過去回想に登場した女性・千唾時子(ちだ ときこ)や、『ウテナ』という作品全体の黒幕であった鳳暁生(おおとり あきお)のファーストネームを足して2で割ったようなネーミングだ。さらに言えば黒薔薇編のキーパーソンであり決闘ゲームのシステムを確立させた御影草時が、やはり不可思議なチカラで何十年も若々しい姿を保っており、中性的な美少年を耽溺しているという点で、ヘッドの姿に通じるものがある。ただしもちろん、そうしたモティーフをそのまま換骨奪胎しているわけではないことは、『ウテナ』における黒薔薇編と、『タクト』の現行エピソードの扱いの違いからだけでも明白である。黒薔薇編はあくまでシリーズ中盤を飾るエピソードであり、まだまだ物語の核心に迫りきるわけではないが、『タクト』においてヘッドやカタシロ、それにソラの過去が描かれたことは、恐らくは最終回を睨んだ上でのより重要な位置づけのエピソードとして、考えるべきであろう。


それにしても、やはり愛と憎しみ、嫉妬と野心、希望と絶望、友情や血縁の情、人間の持つ美しくも醜いありとあらゆる感情や関係性が泥沼のように入り組み乱れて、不条理な人間模様を形成していくこの作劇の見事さといったら! とくに今まであまり言葉数の多くなかったカタシロの秘められた感情が、ソラの裸婦画によって追い詰められていく様は本当に胸が詰まる思いであったし(このシーンも『ウテナ』のモティーフによく通じている)、彼が見たタクトたち三人の関係性の危うさ、また敵味方の間で複雑に絡み合う因縁や宿命といったものがいよいよ前面に打ち出されてきて、異様に興奮させられる展開になった。あと半クール、どのようにドラマを終焉に持って行くのか、今から楽しみで仕方が無い!




・ヘッドはどこを見ているのか?


今回はキャメルスターことリョウ・ギンタが、第1フェイズを用いたセコい作戦で、タクトとワコを未曾有のピンチに陥れる大健闘をして見せた。冒頭のバニシングエージ内での会話のやり取りから、彼がかなり打算的な人物であり、自分の背負うリスクをもっとも少ないカタチで勝負を決するのにはどうすべきなのかを考えている様子が描かれたが、こういう人物がいてこそ、組織の描写というのは面白くなる。セコい上に品性を疑うようなのぞき魔だが、こういうキャラは大好きだ。


そして彼らが問題にしていたのが、サイバディを通常時間に持ちだした際に起こり得る最悪のリスクだ。いま島で行われている実験が世界中の注目を集めていることはすでに示唆されていたが、なるほどあれだけの戦闘力をもった兵器が出現するということは、サイバディを活用できそうにないと踏んだ国家が核攻撃を仕掛けてくるというのは、十分に起こり得る事態だ。こうしたリスクがあるからこそ、カナコなどはかなり慎重に、世界情勢との折衝やサイバディの穏健かつ計画的な運用を訴えていたのだった。


あと少しでミナミの封印を解くことができるという段階で、コフライトの邪魔を受けてキャメルスターの独断行為は失敗に終わってしまったわけだが、アタリ・コウが心配したのもまた、ヘーゲントの復元が完了していない段階で核が投下され、マドカの命が危険に曝されることであったのだろうか。冒頭のダーツバーでのバニシングエージの会話にコウやマドカがいなかったことを考えると、別に彼女は核の脅威を想定していたわけではなくて、単にメインイベントがマドカ抜きで行われることを不服としたのかもしれない。いずれにせよ、計算高いメンバーのフライング行為に対してコウやマドカが良い牽制になる(そして逆もまたあり得る)という予測から、ヘッドは二人を引きぬいたというのは十分に考えられる。


しかしやはり一番の問題は、”ヘッドに見えているものは何か”という点だろう。回想シーンでのカタシロの発言から察するに、もとはカタシロが持ち、今はヘッドに受け継がれている印の能力は、何か不可視のものを視るチカラであるらしい。ではその不可視のものとは何か。ただ未来を視ることができる、と言うのではちょっと芸が無いから、例えば同じ未来であっても、どの選択肢を選べばどんな未来が来るか、いくつものパターンをほぼ完璧に見抜くことができるとしたら、どうだろう。そのときヘッドは、望むべき未来を手繰り寄せるべく、正確に、タイミング良く、必要な行動を起こすことができる。まぁこの能力は某18禁ゲームで設定されていた特殊能力だったりするのだけれど、それくらいチートな力を持っていることは十分に想定できるから、あとはその中身がどのようにして明らかになって行くのかが注目だ。


まず間違いなく、打算的なキャメルスターが考えるような陳腐な発想に、ヘッドは立っていない。きっと彼は俗人には及びもつかぬような地平を見つめていて、そのためにサイバディや巫女のチカラを利用したこの計画を推し進めている。彼が目指しているのは、超世界的な壮大な視野にたった計画か、それとも一人の人間として抱える切ない想いを先鋭化させたある種の願望なのか。芸術家であり、政治家であり、戦士でもあるヘッドの本当の顔は、まだまだ深い闇に包まれて一向に見えてくる気配が無い。今作の真の主人公であると言ってよいであろう彼の今後の言動と、それに対するタクトやワコの回答の如何を、楽しみに待ちたい。




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それでは、今回は以上です。


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この記事へのコメント

おパゲーヌス
2011年02月21日 21:40
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