まりあ†ほりっく あらいぶ 第1話「禁断の女子寮」

キモいよかなこさん!



なんだかずいぶんと懐かしいな、まりほりw 第1期シリーズが放映されていた当時はまだこのブログは始まっていなかったので、自分にとってはこのブランクはとっても大きく感じるなぁ。当「妄想詩人の手記」は、実質的には『化物語』のクールから活動を始めたようなもので、それ以降もシャフトは何作品もレビューしてきたけれど、ほんの2年前の作品がこんなに懐かしく感じてしまうなんて、アニメ視聴者としての自分にとってこのブログの存在がいかに大きかったかを痛感させられる。やはりどんな作品であれ、視聴後に感想を文章化するというのは、そのアニメを特殊な経験として受容させることを促すという意味で、とても価値のある行為だ。


それは逆に言えば、ブログをやっていなかった頃(もしくはブログで取り上げなかった作品)については、しばしば、ひとつの作品を視聴したという経験を、人生でたった一度きりの特殊でかけがえのない体験だと認識することが出来ていない場合があり得る、ということ。最近確かに見たはずなのに内容がかなり抜け落ちてしまっていたり、アニメの話題を持ち出すときに記憶の片隅にさえ浮かんでこない作品タイトルというものが確かにあって、『まりあ†ほりっく』という作品もじつは、自分にとってそうした味気ない作品のひとつとして位置付けてしまったというのは、動かしがたい事実だったりする。


自分はシャフトファンを自認しているけれど、シャフトが好きで好きでたまらないからこそ、シャフトに惚れた最大の要因である革新性や、とくにビジュアル面における芸術志向の意欲的な姿勢というものを、常にシャフト制作アニメに追い求めてしまう。しかしシャフトとて常に全力投球しているわけにもいかず(スタミナ切れるので有名な会社だしw)、またそもそもシャフトは現代のアニメ界における商業的成功者の一翼を担っているのは紛れもない事実であるから、映像のエンターテイナーとして、売れ線の作品も数多く手がけてきているわけで、そこにいちファンとしての自分の求めているシャフト像とはズレが生じてしまうのはやむを得ない。『まりほり』は自分にとって、シャフトが大きなリスクを回避して堅実にソコソコのヒットを狙った作品であり、他の大作や意欲作を世に問うための助走や場つなぎ的位置づけの作品として、認識をしていた。第1期第1話のWEB版先行放送を視聴したときはだから、面白いんだけどもうひとつ物足りないと感じ、その印象は基本的に最終回まで抜けきることは、残念ながら無かった。


まぁ、尾石達也の手がけたOPや犬カレーのEDがやたらすごかったり、ゴッドこと寮長さんを演じた沢城みゆきの計り知れない演技力に圧倒されたり、あるいは宮前かなこの「コスプレエンジェルのうた」に抱腹絶倒させられたりと、ようは本編アニメーション以外の部分にばかり目が行ってしまったという時点で、アニメ作品としての魅力はどうなの、と思わなくもない。今思うと、『夏のあらし!』2期の微妙なコメディパートなぞと比べればはるかに面白かったとは思うけれどw 




・・・で、せっかく2期の第1話が始まった記念すべき時に、なんてテンションの下がるようなことばっかりつらつらと書き連ねたかというと。


うん、意外と、すげぇ面白かったw


ギャグのネタとしてはやっぱりもうひとつなんですよ、だけど、もうとうに円熟したと評して良いシャフト演出(独特な角度に首をかしげる等のビジュアルはもちろんながら、コメディ作品における間の置き方・切り方に見られる、シャフト特有の時間のコントロール術)が、この面白いんだか面白くないんだか分からない、思った以上にフラットかつ冗長な、不思議な第1話の劇を、馴染みすぎてもはや心地よいと言って良い安心のクオリティで、楽しませてくれた。たとえて言うならそれは、攻撃的なボケとツッコミの芸人トークに笑いよりも疲労を感じるようになったときに、「笑点」のゆるくてのんびりとした笑いの空間に心が暖まるような。「シャフトの作るコメディ(※ギャグではない)は、こういうものですよ」という姿勢を改めて見せつける画面空間に、なんだかとても和まされた。


そしてもちろん、この作品は美少女達の艶姿に萌え悶える以上に、キモチわるい宮前かなこさんのオヤジ嗜好に全力でツッコミを入れて楽しむ作品である。1期のころ以上にパワーアップした鼻血や卒倒の描写は、くどいほどに繰り返し何度も描かれることで、スタッフがこの作品の何を見せたいのかがよーく伝わってくる。美少女キャラを見て男性視聴者が考えることを、視聴者よりはるかに先んじて、しかもたいていはその想定の上をいく暴走っぷりを見せるかなこさんは、視聴者にとって自分の恥部をすすんで引き受けてくれる特殊なアバターであり、かなこさんキモい! と叫ぶことで、我々は自分自身の内に眠るキモい根性を目の前に引きずり出し、虚構の舞台の上で暴れさせ嬲り者にして、その抑圧された劣情を発散させてくれる。愛すべき変態を、心から嫌悪し、罵倒し、愛でるということ、それが『まりあ†ほりっく』という作品のすべてであると言って良いだろう。


手堅いシャフト、などと言うと、自分の中でのシャフト像にとって激しく矛盾する物言いになってしまうのだが、それでも、長年かけて培ってきた職人技ともいうべき演出理論をこうして堪能できるというのも、これはこれで良いものだ。次回からちゃんとレビューできるかどうかは自信がないけれど(笑)、楽しみに視聴することにしたい。




最後に、おまけパートについて。あの意味不明のおまけパートが一体なんなのかは依然として分からないのだが、今回のお金を増やす魔法使いの小話は、ウィットがきいていてとても良かった。魔法を使ってお金増やしたくせに、それをさらに増やそうとするとか、どんだけ馬鹿なのか。最初から、これ以上増えたら困るというくらいのお金を用意すればいいのに、と思う。けれど、我々の幸福なんて所詮こんなものだ。どこに真の価値があるのかを見失ってしまった、哀れで愚かしい魔法使い。それが、人間の正体である。




----


それでは、今回は以上です。


にほんブログ村 アニメブログ アニメ感想へ
にほんブログ村
↑ランキングに参加中です。拍手の代わりですので、読んで良かったとちょっとでも思ったら、クリックしてもらえると嬉しいです^^



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント

あるるかん
2011年04月12日 18:27
かなこキモいですねぇ、一期は友人から評判を聞くだけでしたが、主人公あるいはヒロインらしきかなこが、阿良々木暦・神原駿河・橘純一もビックリな変態っぷりだなんて。
ちなみに阿良々木は上半身裸で洗濯ハサミを持って妹と遊ぼうとするんですが、うん、かなこはいい勝負をする淑女っぷりだ(笑)。かなこは一度彼我木輪廻に会って自分と向き合ってほしい(笑)。



ちなみに井上麻里奈女史は裏番組『けんぷファー』に主演をして、しかもこの作品で井上麻里奈女史のキャラのコスプレしてたんですよ。
おパゲーヌス
2011年04月13日 22:14
>あるるかんさん
1期見てないのですか。まぁ見なくても分かると思いますがw でも1期にも注目すべきシチュエーションは多いので、機会があればぜひご覧になってください。変態と言う名の淑女が暴走しまくってくれますのでw

けんぷファー、1期見てたので見たかったんですが、都合悪くて見れなかったです。名塚嬢の演技を堪能したかったんですけどね。ちなみに「まりほり」も、同じシャフトの別作品と時間かぶってるらしく、どうすべきか煩悶中ですw

この記事へのトラックバック