夢喰いメリー 第3話「夢の向こうから」

いわゆるひとつの魔法少女というわけね。




・寂しがり屋の少女たち


今回は、突然いなくなったメリーを連れ戻し、夢路とメリーが改めてタッグを組むに至るエピソード。今回までの3話分がいわば今作の序章であって、次回からは共通の目的のために仲間として行動する二人の姿が見られるのだろう。


意地っ張りなメリーにその仲間意識を持ってもらうために、ただ気が合う友人としてだけではなく、ドーナツや夢路の特殊能力という餌を使って、あくまで利害関係の一致という名目をこしらえているのが、メリーのキャラクター性をよく象徴しているなぁと思った。夢路が、橘のおやっさんの影響からか、男として放ってはおけないという義理人情で動いているのとは好対照だ。


けれどどんなに憎まれ口をたたいたって、メリーがやはり人懐こい性格で、夢路たちとの一晩の生活をとても好ましく思っていたことは、メリーの表情や言動からよく伝わって来る。そんなメリーと夢路が再び出会うためのとっかかりとして、友達を作ろうとしない少女・みなとが登場することになったわけだ。


今回は、みなとにメリー、それにイチマと、三人の寂しがり屋の少女たちが織りなす物語だったと言える。みなととメリーは、本当は友達と楽しく過ごしたいと思っているのに、誰の意志かはともかく、頑なに他の友達を作ろうとしない人物だった。そして夢魔・イチマは、目的は別にあったとしても、その言動ややり口はいかにも寂しがり屋さんだ。そんな彼らが一同に会した中で、夢路によって本当の友達のあり方が語られることになる。本当の友達とは、作るものではなく、打算抜きで自然とそうなっているもの。そのことに気づけたみなと、気付いたのに気付かないフリをしているメリー、そしてとうとう理解しなかったイチマ。それぞれの立場からそれぞれのやり方で友情を探って見せた、そのスタンスの違いが鮮明に表れたエピソードだったと言えるだろう。




・より境界線がはっきりしてきた感じ?


この作品は、「幻界(ユメ)」と「現界(うつつ)」のふたつの世界が存在し、またその二つの世界の接点であるデイドリームを舞台として、物語が進行している。そしてその二つの舞台が、第1話の時点では境界が曖昧になり錯綜とした画面空間を醸成していたのだけれど、夢路が夢魔から解放され、二つの世界の構造を客観的に理解したことで、「幻界(ユメ)」と「現界(うつつ)」を区別するその境界線が、いままでよりはずいぶんと明確に見て取れるようになってきた印象がある。


まず、劇が進行する舞台の描き方が、ユメと現界ではまるで異なる。デイドリームが出現した際の見事な美術は言うまでもないことだが、日常空間を描く際にもかなりはっきりと、我々に馴染みのある色合いや造形で描かれた通常の状態と、すぐにでもユメへの扉が開きそうな不安定な状態とがはっきりと立て分けて描かれている。ブルマの河浪千鶴がいた場所や、謎の天使?が登場したシーンなどの、ことさらに”暗さ”を強調した場面がそれだし、また みなと が夢魔に取りつかれていることが判明する直前にもやはり不安を煽る色調や陰影によって、デイドリームの出現を分かりやすく予感させている。


あるいはセリフにおいても、例えばカン蹴り遊びを終えた後に、夢の中の運動が現実世界の体力増強には何の役にも立っていなかったことが明かされるが、こうした何気ないセリフにおいても、現界とユメの中とは、はっきりと峻別されているのが分かる。この区別は、夢路が夢魔に囚われていた第1話ではむしろ曖昧に重なり合うようにして描かれていたと記憶している。


瞳の中にマークのようなものが見て取れるのは、夢魔の象徴なのだろう。つまり現界と幻界は、いっけん夢魔が人間の姿をしていようとも、はっきりとソレと分かるデザインによって印づけられているということになる。


このような現界と幻界のはっきりとした描き分けは、当然、主人公の夢路が事件に巻き込まれて翻弄されていくのではなく、自分から積極的に関わろうと言う姿勢を表明していると言える。彼が夢の世界に取り込まれかけた第1話は別として、これからは、彼は夢の世界の住人と真っ向から向き合い対峙していくことになるのだ。その手始めがメリーであり、みなととイチマであった。




今回のエピソードによって夢路とメリーが共通の目標を見据えてタッグを組んだことで、今作のおおまかな流れ、その基本構造は、とても分かりやすくなったと言えよう。そして今後はその基本構造の上に立って、どのような展開を用意することができるか、それが勝負になってくる。まだまともな出番が与えられたとは言い難い何人ものキャラクターを活用しながら、単なるミッション遂行型には留まらない、魅力的な物語を披露して欲しいところだ。


ちなみに言うと、メリーのかぶっているあの帽子、みなとも似たようなセンスのものをかぶっていたのは、きっと”夢魔でありながら器も持たずに現界にやってきた者”の印なのだとばかり思ってたのだけど、予想が外れた。もしかしてこの作品の世界では、あの奇妙な帽子が若い女子の間で流行っているのだろうか?w いずれにせよ、服飾デザインも含めて、キャラデザが大変個性があって魅力的なのは、今作の大きな強みだろうなぁ。こんな魅力的なキャラクターたちがこれだけ良く動くというのは、それだけで見応えがあって素晴らしいと思う。




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それでは、今回は以上です。


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