STAR DRIVER 輝きのタクト 第19話「三人の日曜日」

日常コメディに、緊迫したドラマに、最高の戦闘アクションに・・・。本当に面白いアニメだ!




・タマネギまるごと入れちゃった!!


今回はワコの誕生日を祝うために、いつもの三人がいつも通りに仲良く、でも少し特別な時間を過ごそうとする、ある休日の物語。ひとつひとつの何気ない仕草の中に、彼らの万感の想いがこもっているような描写力に、相変わらず感服させられる。


とくにスガタ。いままで十数年も一緒に過ごしてきたワコをして「初めて見た」と言わしめた彼の貴重な涙は、王や巫女の宿命を背負った彼らがどんな我慢をしてここまで生きてきたのかということを、痛感させられる。こんな和やかな風景の中に、すごく残酷でどきっとさせられるセリフや仕草が混入され、けれどもそれが劇を陰鬱にするのではなく、あくまで今手にしている幸福を素敵な輝きの中に描き上げていて、色んな感情で胸がいっぱいになる。写真まで撮られて拗ねたスガタが、丸のままの玉ねぎをそのまま鍋に投入しやがったシーンは、三人の友情の結実した幸福な日々の象徴として、とても印象深いものがあった。友人の突飛な言動に対して、「おまえってそういうトコあるよなぁー」とすかさず言ってのけるタクトの姿は、彼らが本当に仲の良い親友になっていることを強く実感させる場面だった。たかがカレーを作って食べるだけのエピソードが、どうしてこんなにも心を震わせるのだろう。


しかし、さすがに4杯ものカレーをたいらげたワコには笑ったw あそこでまるごとの玉ねぎがゴロっと出て来なかったのは、さすがにスガタも罪悪感を感じて、ソコは避けて掬ってあげたのかしら。この場面、ワコだけが食卓についていて男子二人が両側に立って給仕しているっていうのが、将来の家庭像を連想させてなんだか和むなぁ。


けれども、二人のうちのどちらを選ぶのか、もうずっと前から何度も問題にされてきたことだが、ワコはとうとう答えを出したらしいことが、今回のラストで明かされた。まだ確定ではないけれど、「内緒」なんて答えたら、もはや肯定しているようなものだ。でも現段階では、ワコがどちらを選んだのか、まだまだ分からない。きっとまだしばらくは伏せられたまま、物語は進んで行くのだろうか。いつからワコは選択を終えていたのか、そのきっかけとはいったい何なのか、そして今後どのようにしてタクト達と接し、どのようなかたちで胸の内を告白することになるのか。友情モノから恋愛モノへと次第にシフトしつつある今作の行く末に、目が離せない。




・綺羅星の攻勢は続く。本当の敵は誰と誰?


『ウテナ』ファンなら、カレーという食べ物に思い入れの無い人はいないのではないだろうか。カレーを食べて人格が入れ替わると言えば、あの”辛さ爆発木端微塵 幻の象がパオーン 超辛九千億倍カレー”を、思い出さずにはいられないw つくづく思うのだけど、ああいったブっ飛んだギャグ回を盛り込むことができないのが、1クール分少ない尺で構成せざるを得なかった『タクト』の、『ウテナ』との最大の違いだ。せっかく人格が入れ替わっても、抱腹絶倒のギャグをやらずに完全にシリアスな展開になったのが、今回のエピソードだった。


それでも、マドカとコウに乗っ取られた二人の美少年はそれはそれは気色悪いものがあって、あの状態でもっと色んなことを試して欲しかったなぁと思う。そして、二人の巫女が相手の色香にほとんど動じることなく、あっさりその正体を見破ってしまった上に、惚れた男の肉体を思いっきり殴りつけたり、本当に殺してしまうんじゃないかと思うほど鬼気迫る表情でナイフを突き付けたりして、別の意味でとても面白い展開だった。とくにあの天真爛漫なワコが震えるほど怖い表情をして見せたのには、大いに驚かされた。一般的なキャラクターの枠組みにまったくとらわれないで、視聴者の想定をはるかに上回る言動や表情を見せるのが、今作の本当にすごい部分。


また今回は、第1フェーズで罠を仕掛けても上手くいかなかったコウたちが、正攻法のサイバディ戦に持ち込んで再度ワコたちの休暇を邪魔したことにより、タクトの感情も沸点に到達してガチンコの熱いバトルが展開された。コウがコフライトに乗り込む時の奇妙なポージングといい、ひたすらパターン化された大筋の展開に乗っかる様式的な作劇といい、本当に演劇的な作品だなぁと思う。それでいて、バトルに関してはアニメ的な表現技法の代表格ともいうべき板野サーカス等の手法を駆使しながら、とにかく見栄えの良いアクションを楽しませてくれて、本当に圧倒される。第3フェーズに移行したことで、サイバディ戦の絢爛豪華なイメージがより先鋭化されているのも、否応なく盛り上がる。




ところで、タクトが華麗に勝利を掴みとるのは良いとして、敵側が負けてもあまり悔しそうには見えないのが、マドカやコウだけでなく、恐らくフィラメント隊のメンバーにわりと共通の要素なのかもしれない。もちろん、また復活できるという保険もあるのだが、コウとマドカに関しては、とにかくゲームとして自分達のピンチを楽しんでいるような節があって、二人とも今はサイバディを壊してしまったけれど、今後どのような動きを見せるのかと言う点で、むしろこれからが本番になってくるのだろう。


それに関連して、タクトたちが戦うべき本当の相手は誰と誰なのか、という部分も、また分からなくなってくる。ヘッドが何かを企んでいるのは良いとしても、他の綺羅星の連中では、スカーレットキスなんかはあからさまにはぶられて不満そうにしているし、ケイトやカナコの動き方も分からない。また今回、コウとマドカが海辺のタクトたちを眺めていたシーンで、喫茶店のメイドだかウェイトレスだかの頭に獣耳のような装飾がのっかっていたのは、あれはスガタメ・タイガーだったりするのではないか。シンドウ家に使える二人の少女が敵なのか味方なのかと考えると、恐らくはスガタの味方であることは間違いないとしても、ではそのスガタをどの陣営につけたいと思っているかという点で、何か含むところがありそうに見える。前回のニチ・ケイトの夜伽(?)も、その真相はまったく分からないし。


それに加えて、次回はヘッドの過去エピソードが語られて、以前ちょろっと出てきた黒髪の麗人が登場してくるのか。キャラが多くて追いかけるのが本当に大変だw あの黒髪の人、男だろうと思っていたけれど、違ったようだ。タクトの父という人だという推測は、完全に外れてしまった。となると、今後はタクトの父母に関するエピソードも別に挿入される時が来るわけで、残り話数でそんなボリュームを消化しきれるのか、いったいどんな想定外の物語を考えているのか、期待と不安が大きく膨らんでくる。


それでも、きっとこちらの期待とか不安など吹き飛ばすような見事なドラマが待っているであろうことは、まず間違いないだろうと確信している。無駄にやきもきさせられるのも、作り手の手のひらの上で踊らされているのだと思って、残り少なくなってきた話数のひとつひとつを大切に視聴していきたい。




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それでは、今回は以上です。


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