さくら荘のペットな彼女 第12話「愛のパワー in 文化祭」

ここぞ! ってときの ましろの美しさは際立ってるなぁ。


今回が最終回だとばっかり思ってたら、まだまだ続くのねw これで終わるんだと無駄にドキドキしてしまったけれど、そういう緊張感に関しては空太とシンクロできたような気がするので結果オーライかな。はじめて恋を知った ましろの今後の活躍にも期待大!




今回は文化祭の『にゃぼろん』上映にまつわるエピソード。主人公の空太が、劇中ではたぶん初めてまともに完成させた作品の記念すべきお披露目ということで、劇中劇の中身にはもちろん、そこに乗せて描かれる空太たちの心理描写にも気合いの入るエピソードとなった。


劇中劇の『にゃぼろん』に関しては、まず「こんなに殺伐とした作品だったのか!」と驚かされたw 街なんかことごとく壊滅してるような描写だったし、敵の愛らしい猫たちはにゃぼろんにバッタバッタと殺されていくし、そのにゃぼろんを操縦してる女の子も物騒なセリフを叫んでるし。そして回想シーンも無駄にシリアス設定で、とても子供たちと一緒に気楽に楽しめる作品にはなってなかった印象だ。それでいて高校生対象作品にしては、やってることが幼稚な感じもする。まぁ高校生が数人であの30分アニメ(ゲーム?)を作ったという事実のすごさを考慮すれば、十分に観客をびびらせる作品に仕上がってはいるわけだけど。


『にゃぼろん』に流れるこの殺伐とした空気感は、間違いなく、制作者たるさくら荘メンバーの人格の問題だよねぇ。美咲先輩はとにかく派手に戦ったり爆発したりぶっ壊れたりするアニメーションが好みのようだし、脚本担当の三鷹仁もわりと冷酷非道なキャラを好んで演じる傾向がある。いくら空太のアイディアが子供向けの参加型アトラクションであっても、その素材を提供するメインの二人の趣味が、空太のアイディアと噛みあわない印象がある。一方の空太も、身近にいろんな爆弾を抱えながら命を削って制作に取り組む中で、心のゆとりを失い、この妙に殺伐とした作風になんの違和感も覚えなくなってしまった可能性は高い。彼の相談役の龍之介はこれまた乱暴な口調の持ち主だし。


それでもこの劇中劇は、七海の奮闘する姿をしっかり描いてくれたおかげで、にゃぼろんそのものの動作や音響では表現しきれない迫力を付加できていたのが良かった。今回のエピソードは、空太の背中を押したり級友に告白されたりと七海の注目すべき出番が多かったけれど、『にゃぼろん』上映シーンがちゃんと楽しめるものになっていたのも、彼女の功績が大きかったと思う。最近どうしても七海の役割が小さいと思っていただけに、この重要な回での巻き返しは嬉しかった。




愛を叫べ、との唐突な指令に戸惑う観客たちを見て、じゃあ自分たちが叫んでやろうと声を張り上げるさくら荘メンバーの姿。前回から当然予測されるべき展開であり、これまで仲は良かったけれど最後の一線を越えようとはせずにどこか悶々とした感情を抱えていたさくら荘の住人たちの本当の本音が聞けると言うことで、これまでの12話分の物語をすべて総括するべきシーン。じつはその後の空港の場面で本当のクライマックスが用意されていたこともあって、『にゃぼろん』上映時に叫ばれた空太のセリフはやや期待外れというか、一歩も二歩も手前に踏みとどまったままのものであったのが残念だったんだけど、ましろの叫び声というショックや、美咲とリタの微笑ましい告白、そして主人公の叫びが決め手となってエナジーが一気に充填される演出など、賑やかで見どころの多いシーンだった。


たぶんこの観客参加型ゲームは、もう少し工夫すればともかく、現段階では(劇中で藤沢も言っていたように)欠陥も多く未完成な部分もあって、やはり結局は高校生による文化祭の出し物の域を出てはいないものだった。このあたりの、劇中創作物(とくに空太制作の)に対する今作のバランス感覚は面白いものがあって、成功はしたけれどそれは運や周りの支援による影響が大きくて、空太自身のアイディアはまだまったくプロのレベルに到達していない。どれだけ優秀な人材や素材を集めようとも、それを組み上げるプランが、我々視聴者の目から見てもまだまだ素人芸に見えるようになっている。今回のゲームだって、視聴者のほうが空太よりずっと良いアイディアや広い視野からの意見を提案できるような微妙なラインを追求してあって、それが空太の未熟さ、および主人公としての彼の伸びしろを強く意識できる要素として提示してあるように思う。


『さくら荘』は一見すると美少女たちとのラブコメを描くようでもあり、夢や創作に取り組む若者たちの純な意欲や葛藤を描くようでもあり、あるいは将来の目標(=仕事、すなわちどうやって金を稼ぐか)について悩む姿を描くようでもあり、そうした様々な問題が不可分に絡み合う高校生世代の微妙な心理を追いかける姿勢を心がけている作品であろう。それぞれの要素は他の作品なら立派に一本筋の通ったテーマとして設定されるべきものであり、それが悪く言えば中途半端に織り交ざっているのが『さくら荘』という作品の評価の難しさでもある。けれどこの中途半端さというのが妙なリアリティを放ち、微妙に絡み合うそれぞれのテーマが神田空太という一人の主人公の姿に収束していく様子を見て、どことなく親近感を覚えたり、応援したくなる気持ちが湧いてくるところに、このアニメの魅力が最も多く潜んでいるように感じる。


今回のエピソードは、これまでずっと恋愛対象としてはイマイチだった ましろが、まさに禁断の実を口にしたイヴのように、とつぜん恋の苦しみを自覚するという大転回を披露する展開であった。こうなると今後は恋愛方面での盛り上がりも大いに期待して良さそうだし、もちろん自分のやりたいことをようやくカタチにする経験を手に入れた空太の、夢の行く末にも注目が集まってくる。祭りが明けた後にどんな展開が待ち受けているのか、次回のエピソードも楽しみにしておきたい。





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それでは、今回は以上です。


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